眠り姫

　◆日本シリーズ第６戦　巨人１―４西武（８日・東京ドーム）　原巨人の６年ぶり日本一は、最終決戦に持ち越された。王手をかけて臨んだ第６戦は、先発・高橋尚が初回、平尾に走者一掃の二塁打を浴びるなど２回３失点ＫＯ。打線も西武先発の帆足から２回に３連打で１点を返したが、４回途中からプロ初救援した岸を最後までとらえることができなかった。がっぷり四つに組んだ日本シリーズも、あと１試合。２００８年の集大成となる戦いで、Ｇ戦士が『メークレジェンド』最終章をハッピーエンドで完結させる。

　日本一を目前に控え、ナインに重圧がかかったように映った。「そういうところで戦うのがプロとして一番の見せどころだし、醍醐（だいご）味ですから」原監督はこの３年間、逆境の時こそ、いかに本来の力を出せるか―を強者のテーマに掲げてきた。今シーズンは開幕５連敗、そして最大１３ゲーム差から大逆転優勝を果たし、クライマックスシリーズ第２ステージも、初戦黒星からはい上がった。　日本シリーズ直前、指揮官はこんなセリフを残した。「今年はたとえ点を取られても、負けても、流されることなく、どっしりと戦うことができている。そこにチームとして成長を感じる。強さがある」と。泣いても笑ってもあと１試合。大願成就へ、メークレジェンド最終章へ、原巨人の集大成を見せる時が来た。