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『年中行事の報告』

『年中行事の報告』

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October 20, 2014
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【おことわり】
このブログは、当初、私のごく個人的な音楽的嗜好ついてダラダラ書き綴るという
コンセプトで始めましたが、友人との思い出を長々と作文することに快感を覚え始め、
2015年現在、年に一度開催される「アニソン限定カラオケ大会」の集まり(通称・某会)の歴史を
延々と書きなぐり、メンバーである友人たちとの思い出を、再確認するだけのものとなっております。
他人の思い出なんぞに興味がない方は、この先は読まないでください。

なおブログタイトルは、文中に登場するshkくん制作の幻のサイトより拝借しました。
目次は上記の<新着記事>からどうぞ。



実家に眠っていた卒業証書を十数年ぶりに発掘するまで、”あの日”の出来事が
いつのことだったかすっかり忘れていた。

記憶は美化されてしまいがちだが、それはともかくあの日のことは、
平成9年3月19日に起きた出来事であることは間違いない。

大学生活最後の日は、数多くの友人たちと過ごすことができた。
・・・といっても本当に仲が良かったのは数名で、あとは顔見知り程度の仲だった。
大学側主催の謝恩会~ボーリング~カラオケと、3次会まで一緒だったその大所帯の中で、
一番仲が良かったshkくんとは、きっと大学卒業後も何かと連絡を取ったり、
またいつでも会えるような気がしていた。実際、彼は地元での就職が決まっていた。

「旭川にはきっとまた来ることができる・・・」

私には、これから続くであろう”お楽しみ”にちょっとワクワクしていた。
しかし、それ以外の友人たちとは、誰ひとりとしてまた会えるような気はしなかった。
shkくんの次に付き合いがあったNくんにしても、旭川に就職したとは聞いていたが、
家業を継ぐために、いつかは実家の留萌市に戻ることだろうと思っていた。

3次会のカラオケが終わって、たしか永山駅前のマンションに住んでいた
別の友人の家に泊めてもらったような記憶もあるのだが、はっきりしない。
大学4年に進級する際、大学の近所のアパートから実家に引き上げてしまっており、
旭川市内のネットカフェの場所も知らなかったし、ビジネスホテルなどに泊まるほどの
経済的な余裕もなかったから、たぶん誰かに泊めてもらったと思うのだが、
全然覚えていない。ひょっとしたらその日のうちに実家に帰ったかもしれない。

つまりは、私にとってあの日は、”生涯忘れられない一日”というほどでもなかったということである。
確かにあの日、カラオケでその場にいあわせた人たちから拍手喝采をいただくという、
インパクトのある出来事があったことはあったのだが、それ以外のことはほとんど記憶にない。
「あぁ、あの日が自分にとってターニングポイントの一つなのかもしれない」
と思い始めたのは、10年以上も後のことである。

大学は卒業したものの、私にはまだ受験生生活が残されていた。
公務員試験は卒業から3ヶ月後に始まる。あと3ヶ月、最後の追い込みである。
とはいえ私は、高校卒業後の1年間の浪人生活同様、楽しい日々を過ごしていた。
公務員予備校の帰り道、ちょっと足を伸ばして中古屋、CD店に立ち寄り、
時には映画を見たり、実に気楽なものだった。

試験が始まる少し前のことだったと思うが、私あてにひとつの郵便物が届いた。
封筒には見慣れた文字。shkくんの筆跡である。
自作のフュージョン・ベスト盤のカセットテープに書いてあった細かい文字が
真っ先に思い出された。
「なつかしいなぁ」
封筒を開けてみると、なんとカセットテープだった。

再生してみてさらに驚いた。
声の主は、shkくんとNくんだった。
そのカセットテープは、ラジオ番組風に始まった。
おかしくて、ニヤニヤが止まらない。
オープニングのあとは、あの日のカラオケで、最大の盛り上がりを見せた「マクロス」を
BGMに二人のフリートークコーナーが始まった。
もうおかしくておかしくてたまらなかった。

なにをやってんだ、この二人は(爆)

その答えは、次のコーナーで明らかになる。
もの悲しいキーボードの旋律が流れてきた。shkくんの生演奏である。
そして、二人の重大発表が告げられた。
なんと、就職から3ヶ月も経たないうちに二人共、無職になっていたのだった。
彼らの就職先は、shkくんが確か税理士事務所で、Nくんは確か建設会社。

これはいったいどういうことなんだ?!

卒業単位ギリギリだったNくんが、パチンコで生計を立てているというのは
なんとなく想像がついた。
しかし大学在学中に教職員免許まで取得していた堅実なshkくんが、
そんなに早く仕事を辞めていたなんて、衝撃的だった。
職を失った自分たちのことを「フリーーーーダム!」と叫んでいたふたりは、
こともあろうにまもなく公務員受験が始まろうとしている私に向かって、
こう呼びかけてきた。

「こっちへおいで~ こっちへおいで~」

まさに悪魔の囁き。
腹筋がネジ切れそうになるくらい笑った。


このカセットテープ、永久保存版として家宝にしたいところだったのだが、
残念ながら、大学時代に無理して聞いていた洋楽ロックを処分するときと一緒に
間違えて捨ててしまったようだ。悔しいの一言に尽きる。

shkくんとNくんのゴキゲンなラジオ番組風のカセットテープの後半は、
なんだかよくわからないグダグダな内容で終わった。
試験前だというのに、またバカ学生モードに戻ってしまいそうだったが、
そこはグっとこらえて、平成9年度の公務員試験に臨んだ。

5つ願書を出した試験のうち、4つの試験で不合格となり、
「こりゃ今年はダメか・・・」
と思っていたら、24歳になった翌日に最後に受験した一次試験の合格通知が届いた。
二次試験は簡単な面接だった。緊張はしたが、無事通過。
こうして大学卒業から半年後の1997年9月、社会人になることが決まった。
試験の重圧から解放された私の頭の中は、旭川市にいる彼らのことでいっぱいだった。
まずなによりも、あの二人にカセットテープのお礼を、そして無職の二人をちょっと冷やかしに、
彼らの元へと向かったのだった。


つづく














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Last updated  April 19, 2015 12:05:15 AM



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