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カテゴリ:映画(日本映画)
かって、お国のためという美名の下に、多くの若者達を無為に死の旅路に送り出していた時代があった。今から僅か60年ちょっと前のことである。空は「神風」、海は「回天」。しかし、神風などは吹きはしなかったし、ましてや、天が回りなどしなかった。
先日、テレビ朝日系の「日曜洋画劇場」で放映していた「出口のない海」は、この「回天」に青春を散らした男の物語である。横山秀夫の同名小説を原作にした、2006年の松竹映画だ。 並木浩二は、甲子園の優勝投手であった。しかし、時代は彼らを、容赦なく戦争に駆り立てる。海軍にそして「回天」への搭乗を志願した彼には、国のために死ぬことしか残っていなかった。 この時期、既に戦局は見えていた。日本の復興に貢献すべき若者を、一体何人無為に殺したのであろうか。私は、自虐史観には賛成しないが、それでも、この暴挙は許されるべきではないと思う。 死ぬことが国のためだと信じ込まされた哀しい時代である。なぜ、国のために生きろと教えられなかったのだろうか。 最後のシーンで、回天基地のあった周南市の大津島が出てきた。機会があれば、そこにある「回天記念館」に行ってみて欲しい。きっと彼らが何を思いながら死んでいったか、その一端でも分かるであろう。 「大和ミュージアム(呉市)に展示してある回天の実物」 (原作) ・横山秀夫 (監督) ・ 佐々部清 (出演) ・市川海老蔵(並木浩二) ・上野樹里(鳴海美奈子) ほか ★本の方の感想はこちら ○応援してね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「出口のない海」(横山秀夫:講談社)&関連グッズ 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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