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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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March 26, 2008
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 この本は、だいぶ前に買っていたのだが、やっと読むことができた。「黄昏の百合の骨」(恩田陸:講談社)である。以前に紹介した「麦の海に沈む果実」の続編に当たる作品だ。この作品も、やはり、タイトルの付け方がうまい。はっきり言って、タイトルの意味は良く分からないが、なんとなく心を鷲掴みにしてくれる。ただし、読み終わった後は、なんとなくこのタイトルに納得するようになるのではあるが。

 前作同様、主人公は水野理瀬。舞台は明記はされていないが、グラバー邸などが出てくる異国情緒に溢れた街という設定なので、長崎のようだ。そこにある「魔女の家」と呼ばれている古い屋敷に住んでいた理瀬の祖母が亡くなり、奇妙な遺言を残す。理瀬が半年以上この家に住まない限り、家を処分してはならないというのだ。イギリスに留学していた理瀬は、帰国して地元の女子高に編入し、祖母の家に住んでいる義理の伯母の利南子、利耶子と暮らしていた。さらに、祖母の一周忌のため、理瀬の従兄の亘と稔もこの家に帰って来る。

 実は、この家には何か秘密があるようだ。その秘密を伯母たちは、何かお宝と勘違いしているようで、なんとか理瀬たちから探ろうと画策する。その秘密は理瀬たちも知らないのであるが、祖母はジュピターと呼んでいた。そして利耶子が事故で亡くなる。

 ジュピターと言っても、別に平原綾香のCDが埋まっているわけではない。ましてやセーラージュピターが隠れているわけでもない。この屋敷にはとんでもない秘密があったのだ。

 この作品では、理瀬は、親しげな仮面の下に隠されたどす黒い悪意にさらされる。「魔女の家」での体験を通じ、理瀬は心身ともに、少女から大人へ変貌を遂げていくのである。

 しかし、ジュピターの正体がこんなものとは思わなかった。これが、「百合」と「骨」といったタイトルの言葉に結びついているのだろう。事件が、一件落着したと思ったら、最後の、いかにも恩田陸らしいしかけもあり、面白く読むことが出来た。


○「麦の海に沈む果実」の記事はこちら

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「黄昏の百合の骨」(恩田陸:講談社)
  


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Last updated  March 29, 2008 09:04:45 AM
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