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時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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July 26, 2008
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 「キミが消えてから、ぼくはいったい何通の手紙を書いたろう。届くはずのないキミに向かって、ひたすらに書き続けた手紙。それが一連の事件の真相に近づいていく鍵だったなんてことを、いったい誰が予想しただろうか」(北森鴻:メビウス・レター)

 最近は北森鴻の作品がお気に入りだ。北森鴻は、1995年に、デビュー作の「狂乱廿四考」で、第六回鮎川哲也賞を受賞し、更に、1999年には「桜の下にて春死なむ」で第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編部門賞を受賞している。すでに彼の作品のいくつかは当ブログでも紹介しているが、読み応えのある連作短編の書き手だ。今日紹介するのは長編小説の「メビウス・レター」(北森鴻:講談社)だが、これも期待を裏切らない面白さである。

 この作品は、地震で倒壊した工事中の自動車道の橋脚近くから人骨が発見されたという新聞記事から始まる。そして、流行作家の阿坂龍一郎のところに手紙が次々に送られてくるようになった。二度と顧みないと誓って捨てたはずの過去からの手紙が。それは、7年前に、ある高校で、一人の生徒が焼身自殺を遂げたとされる事件の真相を追及するものであった。

 そして、ストーリーは、裏と表の関係にある、現代と手紙の中の過去が、お互いに、入れ替わりながら進んでいく。まるで、どちらが表か裏かが分からないメビウスの輪のように。そして、手紙の中の一人称の「ぼく」の正体、管理教育の権化で犯人と目された体育教師三島や美人で人気者の音楽教師小椋の本当の姿、こういったものが次々とひっくり返りながら、最後は意外な事件の全貌が明らかになる。よく考えぬかれた、いかにも北森らしい読み応えのある作品である。


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○メビウス・レター(北森鴻:講談社)




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Last updated  February 26, 2011 03:51:20 PM
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