1700136 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

風竜胆

風竜胆

Category

Favorite Blog

二人キリ [ 村山 由… New! じらーるぺるごーさん

4月18日 ハニワ… ブラジョンさん

諏訪台71会ー20… Frankenstein0313さん

RPRの試験 電気や9999さん

気まぐれんな旅行屋… 富士家のぱこさん

Archives

April , 2024
March , 2024

Calendar

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

November 15, 2008
XML
 「できそこないの男たち」(福岡伸一:光文社)、センセーショナルなタイトルの本である。作者は、大ベストセラーの「生物と無生物のあいだ」を書いた、青山学院大学教授の福岡伸一氏である。 内容の方も、なかなかショッキングだ。特に男子にとっては。題名の「できそこないの男たち」というのは、男の中に出来が悪い者がいるというのではない。遺伝子から見れば、すべからく、男はみんな女のできそこないと言っているのである。

○「できそこないの男たち」(福岡伸一:光文社)
   


 よく知られているように、男に生まれるか女に生まれるかは、Y染色体を持っているかどうかで決まる。性染色体がXYなら男、XXなら女だ。しかし、実は、生命の基本仕様は女なのである。例えば、ヒトでは、受精後7週間までは、染色体に関係なく、女性の形で成長していく。そこから、男の場合は、Y染色体にプログラムされている通りに男性ホルモンが働き、体を男に変化させていくのである。つまり、男は、生まれながらに男ではなく、女の体をベースに改造させれて作られたものなのだ。

 でも、このことから、なぜ男が女のできそこないと言えるのか。男子諸君は、これは、男が女から進化しただと反論したいことだろう。残念ながら、この本には、男子諸君が寂しくなるような例が示されている。アリマキ(アブラムシ)という昆虫をご存じだろうか。よく草花に、小さな虫がびっしりとついているのを見ることがあるが、あれである。植物の養分を吸って、おしりから甘い蜜を出すので、よく蟻が集まってくる。このアリマキ、ものすごい繁殖力を持っているが、増え方がちょっと変わっている。メスがオスなしで、どんどん子供を産んでいくのだ。だから、アリマキの世界は、基本的にはメスだけの世界である。しかし、冬が近づいてくると、アリマキにもオスが生まれてくる。問題は、このときのオスの作り方だ。元々オスがいないのでY染色体は存在しない。だからメスのXX型染色体の一つを除いてX型染色体(X0型染色体)にし、メスのできそこないとしてオスを生み出すのである。これは、かなり原始的な例であるが、もっと高等な動物でもそれ程事情は変わらない。Y染色体はX染色体に比べるとかなり小さく情報量も少ないのだ。やっぱり、どう見ても、男子は分が悪い。

 だから、男子諸君、「女の腐ったような」という悪口を言われても気にすることはない。結局、男はすべてそんなものなのだから。そして女性は、男性をもっといたわって欲しい。Y染色体を持つ男は、本質的には女性よりずっとひよわなのだから。

○応援クリックお願いします。  人気ブログランキング   にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら

風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  December 27, 2008 05:15:07 PM
コメント(10) | コメントを書く
[日々の読書(学術・教養)] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.