45話クルーゼのセリフ

４５話クルーゼのセリフ

ここは禁断の聖域。神を気どった愚か者たちの夢の跡。
君は知っているのか。今のご両親が君の本当の親でないということを・・・。
(えっ・・・？)(貴様っ、何を・・)(バキューン)
・・・だろうな。知っていればそんな風に育つはずがない。
何の影を持たぬそんな普通の子に。
アスランから名を聞いたときは思いもしなかったのだがな、君が彼だとは・・・。
てっきり死んだものだと思っていたよ。あの双子、特に君はねぇ。
その生みの親であるヒビキ博士とともに当時のブルーコスモスの最大の標的だったからな。
(何を・・・)
だが君は生き延び、成長し、戦火に身を投じてから尚存在し続けている。
何故かな。
それでは私のような者でもつい信じたくなってしまうじゃないか。
彼らの見た狂気の夢をね。
(僕が、僕が何だって言うんですか。あなたは何を言ってるんだ。)
君は人類の夢、最高のコーディネーター。
そんな願いのもとに開発されたヒビキ博士の人工子宮、
それによって生み出された唯一の成功体。
彼の息子・・・数多の兄弟の犠牲の果てにね・・・。
(しっかりしろ、バカ。ヤツの与太話に呑まれてどうする・・・)(ドキューーン)
(コツ・・コツ・・コツ・・・)
ぼくは、ぼくの秘密を今明かそう・・・僕は人の自然そのままにナチュラルに生まれたものではない。
受精卵の段階で人為的な遺伝子操作を受けて生まれてきた者。
人類最初のコーディネーター、ジョージ・グレン。
ふっふっふっ・・・ヤツのもたらした混乱はこの後、どこまでその闇を広げたと思う？
あれから人は一体何を始めてしまったのか奴は知っているのか。
(人々が自分の子供に託すエゴ、夢、希望、混乱の様子・・)
高い金を出して買った夢だ。誰だって叶えたい。誰だって壊したくはなかろう。
(最大の不確定要素は妊娠中の母体なんだ。それさえ解消できれば・・・)
だから挑むのか？それが夢と望まれて叶える為に。
(命は生まれいずるものよ。つくり出すものではないわ。)
人は何を手に入れたのだ。その手に、その夢の果てに・・・。
(蒼き清浄なる世界の為に・・)
(最高のコーディネーター、それがその子の幸せなの？)
知りたがり、欲しがり、やがてそれが何の為だったかも忘れ、
命を大事と言いながら、弄び殺し合う。
(ほざくなっ・・)(ドキューン)
何を知ったとて、何を手にしたとて構わない。最高だな、人は・・・
そして、妬み憎み殺し合うのさ。
ならば存分に殺し合うがいい。それが望みなら・・
(何を貴様ごときがえらっそうに・・)(ドキューンドキューン)
私にはあるのだよ、この宇宙でただ一人、すべての人類を裁く権利がなぁ！
(ふざけるなっ)
覚えてないかな、ムウ。
私と君は遠い過去、まだ戦争で出会う前、１度だけ会ったことがある。　
ふっふっふっふ・・・
私は己の死すら金で買えると思い上がった愚か者、貴様の父アルダ・フラガの
できそこないのクローンなのだからな。
(親父のクローンだと？そんなおとぎ話、誰が信じるか)
私も信じたくはないがな。だが残念なことに事実でね。
まもなく最後の扉が開く・・・私が開く。
そして、この世界は終わる。この果てしなき欲望の世界は・・・。
そこで足掻く思い上がった者たち、その望みのままになっ。
(ムウさん・・・そんなことささるもんか。)
(キラ)（クルーゼのマスクが吹っ飛ぶ・・・）
(ムウとキラの驚愕の表情・・・)
へ・・貴様らだけで何ができる。もう誰にも止められはしないさ。
この宇宙に覆う憎しみの渦はなっ・・・
(クルーゼ走り去る・・・)