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2008.06.16 楽天プロフィール Add to Google XML

 宮城の土砂ダム⇒11箇所で決壊の危険、四川省に比べ遥かに弱く、崩れやすい ☆ 時代の変化を感じますか !☆!★!☆!★!☆(3546)」
[ 災害・防災・科学 ]    

 1.始めに
 岩手・宮城内陸地震が発生してから3日目になったが、余震は引続き繰り返している。気象庁は15日にはM6以上の余震の確率30%、M5以上だと90%で発生するという注意喚起を行った。背景としては、雨と地震で緩んだ斜面の存在があるためだ。その緩んだ斜面が本震時に川へ流れ込んで、せき止め湖(土砂ダム)となった箇所が11箇所あり、決壊の可能性があることが今日、国土交通省から発表された。
 
 2.せき止め湖(土砂ダム)
1)せき止め湖の存在
 国交省などによると、せき止め湖が確認されたのは、宮城県栗原市の三迫川(さんはさまがわ)、二迫川の各1か所と迫川の5か所、岩手県一関市の磐井川の4か所。このうち大半は、せき止めた土砂が長さ100~200メートル程度にわたっている。二迫川の1か所では付近で土砂が約1キロ四方にわたって崩れ、東京ドーム1個分にあたる約140万立方メートル分が流入したとみられる。
2)中国四川省との違い
 その怖さは、四川大地震に関して繰り返し述べたので、詳しくなった人もいるだろうが、花崗岩系統の硬い岩盤とことなり、岩手・宮城には第三紀層という新しく、柔らかい地層から形成されていることが多い。文字通り、泥と砂に戻り、水と混ざったものが川を塞いでいることになる。だから、中国の固い岩塊や土砂が一緒になり、厚く貯まったダムとは、強度の上で段違いなのだ。水位が上がって、水圧がかかれば、ずるずると下流に押し流される可能性があると考えるべきだろう。
3)せき止め湖の決壊
 せき止め湖は水位が上がって水があふれ始めると、せきの土砂が削られて一気に決壊し、下流部の低地に土石流が流入する恐れがある。土石流は、山鉄砲あるいは山津波といった方が危険の実感が理解できるようにも思う。非常に早く、衝撃力・破壊力が凄まじい自然災害であることを分かってほしい。
 降雨や余震により、決壊の危険性は刻々と変わるため、十分に注意を払うようにと国土交通省の担当者は指摘している。
4)決壊への警戒
 二次災害を防ぐため、捜索作業の一部は重機を用いて行っているが思うように進んでいないようだ。
 磐井川のせき止め湖下流には集落が点在し、水位が少しずつ上がっているという情報もあり、状況によっては避難もありうると一関市の担当者は決壊を警戒している。判断の難しさが手に取るように理解される。
 
 3.現地の地質
 現地一帯の地盤を構成する地質は、先の示したように第三紀層で、海の中で泥や砂が夫々重なるように堆積して、その後の重みなどで固くなったものである。火成岩である花崗岩が硬岩であるのに対し、第三紀層の多くは軟岩と呼ばれ、柔らかい岩石だ。
 また、地層が海中でできたことで、岩石の中に不安定な黄鉄鉱(フランボイダル黄鉄鉱)が含まれる。これに割れ目に沿ってしみこんだ水が触れると硫酸が生じて、水自体が酸性になる。その硫酸が酸化(風化)を早めることになり、急速に岩盤強度を失って行くことになる。そこへ大雨や揺れが起きると、今回のように大きな地すべりや土砂崩れが起きるのだ。同じようなことは新潟中越地震でも起きている。

*追加:9時のNHKのテレビを観ていたら、大きく崩壊している地域の表層は火山灰で覆われていて、これが崩れた要因だといっていた。凝灰岩が含まれ片手でつぶせるところもみせていた。これらの火山性の堆積物あるいは岩石は、花崗岩などとは違う軟岩に当るもので、第三紀層の上を覆う第四期の火山性堆積物だ。粘土鉱物を多く含み、壊れて水に浸かると膨れ上がることもあり、流動性を持つようになる。すべりやすくなるのだ。第三紀層にしろ第四期火山性堆積物にしても、地震で壊れて雨や地下水・表流水に浸ると、ドロドロ状態になり、収拾が付かなくなる困った存在だ。だから、救出活動でも畳を使わざるをえない。いよいよ土砂ダムの決壊が心配になる。
 
 4.最後に
 震源地近くの山々は、多くの割れ目が生じ、また、そこから雨水がしみこむとともに、以前からあった地下水の流れも活発化し、地層をすべり易くしている。今は。安全に見えるところでも、ちょっとした余震や雨あるいは人的掘削や川での洗掘が引き金となって大きく崩れる可能性がある。崩れた土砂は、沢に集れば、水と一緒になって土石流となって駆け下る危険もある。
 また、既に貯まっているせき止め湖は、元々、泥と砂という細かさと粘土鉱物を含むことで、一度水が混じると強度を失うことになる。表面上は固まって見えても、中は泥水状態で強度がないことも予測され、水位があがれば、決壊の可能性を警戒せざるをえない。早めの避難が大切である。
 中国四川省の場合のように固い岩塊はなく、厚み・高さもないとこから決壊に猶予がないと考えるべきだろう。
 政府は15日、14日に起きた岩手・宮城内陸地震について、激甚災害として指定する検討に入ったようだが、梅雨の時期、余震が続く状況を考えると、せき止め湖や周囲の新たな土砂災害を慎重に見極めることが大事なように思われる。まだまだ、広く崩れる可能性がある。
 
<参考資料>
1)土砂崩れダム11か所決壊の恐れ、国交省が調査開始(Yomiuri.On-line)よりH20.06.16
2)岩手・宮城地震、激甚指定を検討(Yomiuri.On-line)よりH20.06.16

    

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最終更新日  2008.06.16 22:23:49
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