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というわけで、本日は、公約通り未読の文庫本を読みました。
2冊。←いばるな(笑)。 ま、どっちも200ページ前後の本なんですけどね。 (未読の本のうち、薄い順に2冊とった。) 「他人と深く関わらずに生きるには」(池田清彦/新潮文庫)と、 「七つの黒い夢」(新潮文庫)。 池田清彦は、 コラムを10年くらい前に読んだことがあって、 それからずーっと気にはなっていたのですが、 なかなか腰があがらずにいまして、 本日ようやっと読みました。 で、感想なんですが、 「他人と~」は、タイトルからして、人間関係の本なのかなあ、 と思ってたんですが、ちょっと違いました。 第一部では 「他人と深く関わらずに生きる」 (著者曰く「自分も自由に生きるかわりに、 他者の自由な生き方も最大限認める」)ためのヒント、 第二部では そういう人にとってどんな社会システムを構築すればよいか、 ~を述べたと「はじめに」にはあるんですが、 なんか、どっちも社会システムの話をしてるよーな感じが。 「他人と付き合う法」じゃなく、「社会システムと付き合う法」が 語られてるような気がしました。 章のタイトルが、 「心を込めないで働く」とか 「ボランティアはしない方がカッコいい」とか 「自力で生きて野垂れ死のう」とか(第一部) 「国家は道具である」とか 「文部科学省は必要ない」とか(第二部) (ちょっと故意にそういうタイトルを抜粋しました) 暴論めいてたりして、 そーゆーのが大好きなわたくしは楽しく読んだのですが、 読んだ結果感じたことは、 「わたしは『他人と深く関わらない人』にはなれないな」ということでした。 著者の言う、「他人と深く関わらない人」に嫌悪感を感じた、とか そんなことは全然ないんですけど、 「自分も自由に生きるかわりに、他者の自由な生き方も最大限認める」 っていうことの説明を読んでると、そんな覚悟はできないな、という。 たぶんそれは、自己責任の範囲をできるだけ広げる、 っていうことだと思うんだけど、 ムリですね。 (っていうか、「できない」「ムリだ」言ってるけど、 これは「したくない」と同義ですね。) 「個人的な好みを言わせてもらえば、私はできることならば、 死体を他の動物たちに食べさせてやって、 散々他の動物たちを食ってきた最後の贖罪をしたい」 っていう文には、わたしも(別の理由で)、 「死んだらぶつ切りにされて動物に食われたい」と思っているので (コレもきっといざその段になったらいやだと言い出すのだろう、わたしは) 共感したんですが、 でも、わたしは、 「他力を頼まず自力で生きて、力が尽きたら死ぬのが最も上品な生き方だ」 という言葉に、 「かっこいい」と思いはしても、 (これから先も)倣おうとはしないと思うんだよね。 そこまでの覚悟はできないまま一生を過ごすのでしょう。 あー、なんかこの手の本は、 ぜんぶそうなんじゃないかな、わたしにとって。 陸サーファーみたいだな。 本がサーフボードってことで。 ほんで、 「七つの~」は、7人の作家による、ホラー系短編のアンソロジーです。 (乙一・恩田陸・北村薫・誉田哲也・西澤保彦・桜坂洋・岩井志麻子) (以下、多少ネタバレあり) 個人的にいちばんどきっとしたのは、 誉田哲也の「天使のレシート」でしょうか。 あーもう絶対ハッピーエンドかと思ってたのになー。 終盤まであんなにじっくり主人公をいい少年に描いてあるのに~。 それでも結果はあれなのか。 ♪かーみーさーまはシビア♪(「MoterDrive」レベッカ←懐かしー)だな。 でもっていちばん気に入ったのは、 わたしが以前から好きな、乙一や恩田陸や北村薫や岩井志麻子ではなく、 初めて読んだ桜坂洋の短編「10月はSPAMで満ちている」でした。 というわけで来月にはこの人の他の本を買っていることでしょう。 (で、また積んどくのかも) それなりにほがらかな話だったので、 「黒い夢」と題したこの短編集からは浮いてる気がするんですけど、 文体や喩えが好み。ちょっとすっとぼけた感じの主人公もナイス。 あ、あとわたしが「ねこモノ」に弱いからかもな。 あと、北村薫の短編も、 あるといえばありがちな怖い話ではあるんだけど、 やっぱ、面白かったです。 あ、他のも面白かったんですけどね。 どの短編も面白い、(ついでに読みやすい、短い)アンソロジーでした。 でもって、2冊を読み終えたわたくしは、 「よし、もうノルマは果たした」とばかりに、 吉田戦車の「殴るぞ」を、全11巻すべて読み直そうと、 ダンボールから出したのですが、 そこに届いたのが相方な人からのメール。 「休みの日に掃除するから本軽くかたしといて」。 というわけで、ついさっき取り出された「殴るぞ」は シャバの空気に触れたのも束の間、再びダンボールに戻されるのでありました。 ああ、じゃあなに読もうかな。 もしかして、 これはいちばん上のダンボールに入ってる(≒取り出しやすくかたしやすい) 未読の本をもう1冊読めという神様のお告げなのでしょーか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.02.19 18:48:39
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