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大相撲の世界では露鵬(ボラーゾフ・ソスラン・フェーリクソヴィッチ)、白露山(ボラーゾフ・バトラズ・フェーリクソヴィッチ)の大麻使用疑惑に話題が集中しています。先月18日、若ノ鵬(ガグロエフ・ソスラン・アレクサンドロビッチ)が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたばかりですから、同じロシア出身力士の間で生じた疑惑に関心が集中するのは当然です。 若ノ鵬の場合は、たまたま路上で落とした財布の中から大麻入りのロシア製たばこ1本が出てきたことから大麻所持が発覚したわけですが、他の2人は具体的な大麻所持を証明できないため尿検査をして大麻使用について検証しようとしたのです。 そこで、精密検査をして2人の力士には「陽性反応」が出たのですから、大麻使用の事実は否定できないと思います。覚醒剤の一種を示す反応が出たというレベルではなく、はっきりと大麻の成分が検出されたということですから、通常の薬品(鎮痛剤)などと混同する可能性もないからです。 本人自身の大麻使用が否定される道があるとすれば、すぐそばで大麻を吸っている人物と長時間部屋を共にしたという可能性がわずかに残されるのみです。 私がこの件で不思議に思うのは、精密検査をして「陽性反応」(いわゆるクロ)が出たにもかかわらず、「本人が否定しているので、再検査をすべきだ」という意見を北の湖・日本相撲協会理事長が述べていたことです。 そもそも本人が否定していたからこそ、それが真実かどうかを確認するために精密検査をしたのですから、北の湖さんの論法では精密検査の意味が全くなくなります。また、この種の検査は時間が経つと成分が検出されにくくなるので、北の湖さんの主張は「シロの結果が出るまで検査を続けろ」と言っているようなものです。 オリンピックのドーピング検査でも、本人がその検査結果を信用できないなどと主張しても許されることはありません。それはルールでもあります。そういう意味では、相撲界においても事前に薬物反応に関する処分を含めた明確なルールを決めておくべきかもしれません。 9月6日の会見で力士側の代理人である塩谷安男弁護士が尿の採取手続きについて「公明性に欠ける。(採尿する紙コップに)先入観のないよう、最初は氏名が分からないようにして検査する必要がある。今回は、そうではなかった」(9月6日22時4分配信 毎日新聞)などと主張したとのことですが、これも全くおかしな論法です。なぜなら、大麻やドーピングの検査というものは検査する側の先入観とは全く無関係に数値が出る性質のものだからです。 この塩谷弁護士は、1998年に弁護士会から懲戒処分を受けている方ですが(懲戒処分を受けた弁護士)、いわゆる「ルーシーさん事件」(女性10人に乱暴し、英国女性ルーシー・ブラックマンさんら2人を死亡させたとして、会社役員男性が準ごうかん致死罪などに問われた事件)で被告人の弁護士として無罪を主張した方です。 また、2001年に有限会社グローバルネットワークが出会い系サイトを紹介する電子メールをNTTドコモの携帯電話に大量に送信した違法行為により1年間のメール送信禁止処分を受けた事件(横浜地方裁判所2001年10月29日決定)では、グローバルネットワーク側の弁護をしています。 もちろん、大麻使用をひっくり返すような事案では「クロをシロと言いくるめる」ような強引な主張をする弁護士にお願いするしかないのかもしれません。しかし、殺人事件や暴行事件で完全に信頼が失われている今の相撲界においては、そういう手法はかえって逆効果のようにも思えてしまいます。
Last updated
2008.09.07 13:41:10
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