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カテゴリ: X'mas企画 サンタクさんの贈り物
ひっぱれるだけひっぱってますが、ついに明日から、クリスマス特別編をお送りします。今回は駐在奥様が主人公ではなく、とある日本人駐在家庭に、お手伝いさんとして勤めるうら若きC国人女性のお話です。いつものような、この次はいつUPなの~チンチン!的な、だらだら連載ではありません!15日間の短期集中でいきます。クリスマスまでの15日間、死なない限り毎日アップします。どうぞよろしく! それでは、明日のご訪問、お待ちしていま~す。 …ではなく、プロローグをお送りします。 ************ X'mas企画 15days of Christman in 花園******************* サンタクさんの贈り物 プロローグ C国では皿洗い機を買うよりかは、家政婦を雇ったほうが良い。とある日本人駐在員の奥さんは言った。C国で手に入る皿洗い機は、たいていは欧米型のもので、日本人食生活にはあわない。 欧米型は日本の皿洗い機と違って、場所をとるわりに、中の収納がいまいちだ。茶碗や小鉢類がうまく入りきらないし、お箸は内蔵のかごから先っぽが滑り落ちて傷んでしまう。ディナープレートとナイフとフォーク向けのデザインなのだ。そして、ギトギトべとべとの油汚れはよく落ちても、ご飯ネバネバは、落ちきらずにガビガビになる。1時間半近くかけて皿洗い機を回しても、仕上がった食器には乾いてこびりついたご飯の粒。人の手で洗ったほうが早くて確実だ。 それに皿洗い機は4,000元(*注)もする。家政婦の給料は、人にもよるが、時給15元。フルタイムで雇えば時間あたりの給料はもっと安く上がる。つまり、皿洗い機を買うならC国人お手伝いさんがフルで2ヶ月雇える。皿洗いのみに換算すれば、1日30分だとして、1年半分の人件費に値する。 さらに、皿洗い機用の洗剤にC国産のものはなく、デパートや高級スーパーで、日本や欧米からの輸入品を買わなければいけない。これも結構馬鹿にならない金額だ。1月分約150元。家政婦の日当1日分より高い。 それに考えてもごらん、皿洗い機は皿を洗うことしかできないが、家政婦はもっといろんな仕事ができる。掃除洗濯、アイロンかけ、料理や子どもの世話、買い物、繕い物、肩もみ、ペットの世話。使い方はいくらだってある。 そして皿洗い機の返品期間はかぎられていて、せいぜい一ヶ月。壊れたら修理費もかかる。雇った家政婦が気に入らなければ、いつでも好きなときにやめさせて、ほかの者に変えればいい。壊れたら…そのときはそのときで、ほかの家政婦候補はいくらでもいる。 実際、C国の中上流以上の家庭で、家政婦、現地ではアイと呼ばれる女性を雇うのは一般的だ。C国料理は手がかかるし、 家の中のこまごましたことはどこの国も同じできりがない。最低賃金が安く所得格差の大きいC国では、富裕層にとって一人や二人家事従業者を雇うことなど、たいした出費ではない。現在でも多くの富裕家庭が、地方から出てきた出稼ぎの女性を住み込みまたは通いの家事労働者として雇用している。そして、C国に駐在している多くの外国人たちもそういった女性の労働の恩恵を受けている。日本人駐在者の多くもそうだ。 いくら近年C国における経済発展が目覚しいとはいえ、日本ほどの便利はC国にはない。買い物ひとつとっても、外国人である日本人が暮らしていくのに必要な生活用品、食品をそろえるには時間がかかる。小さな子どもがいても頼れる実家や親戚は近くにはいなしし…。などというのが家庭不を雇う主婦の建前だ。本音は、たいした経済的負担を強いられずに、家事を手伝ってもらえるのだから頼まない手はない、といったところか。 しかし、家政婦は他人である。家の中に他人が入る、それも外国人。仲には万事うまくいって、家政婦がなれない外国暮らしを送る駐在婦人の絶好のパートナーとなる家庭もある。しかし、たいていの家庭は、家事労働の負担の軽減と引き換えに、何かしらの不満を抱えることになる。 まあ、要は人と人。人が人と触れ合うところには、皿洗い機では決してもたらしえないものが、良くも悪くも色々ともたらされるのである。 (つづく…) 注* 1元=13円。(私は昔からの癖とめんどくさいので、15円で丼勘定。)なので、家政婦さんの時給195円。皿洗い機5万2千円、ってかんじですかね。 食洗機まわしてる間に読んだ人はいますか?機械が家事やってる間に好きなことすると、私はすごく得した気分!になります。 クリスマス競作に参加してますクリスマステーマのお話がたくさんですよ。 ランキングクリックお願いしま~す お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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