カテゴリ:タイのホテル
爆笑結婚パーティーを終え、着替えてタクシーを拾おうと思った。入り口のクロークはいつも利用させてもらってる。 このホテルに宿泊2回目の時、あたしは早朝発のUAに乗るために寝ぼけ眼でチェックアウトしたことがある。 旅行代理店に頼んだ車でホテルをあとにしてその運転手の携帯に電話が入った。 「ミスよっしー!クレジットカードをフロントに忘れてますよ!」 …しかし戻っている時間はなかった。 その時、運転手が言った。 「まいぺんらーい!今、ミスよっしーを追って、ペニンシュラのスタッフが追っかけている!」 ええええええ??????? この車を旅行代理店のものと知り、調べた上で、運転手と連絡を緊急でとってくれたのだ。 しかもUAが何時発か知っていて、間に合わないと判断して、こんなどじなあたしを追っかけてくれたのだ。 外のベンチで待っているとチェックアウトを担当した男の子が「ミスよっしー(半泣)!」と全速力で走りながら、叫びながら、あたしが座っているベンチまで駆け寄ってきた。 この人に全くの罪はない。なぜならカードを返してもらったシーンをきちんと覚えていたから。あたしが、ぼーっとしていて、カウンターに置いたままここまで来てしまったのだ。 あたしは無性に感動してしまった。 よくタイの人はいい加減だといろんな人が言う。これはよくわかる。時間意識とかプロ意識がそこまでは徹底されていないんだと思う。 五つ星ホテルだろうがナンパしてくる変な従業員とか、おしゃべりしていてお客に気がつかないレストランスタッフとか、自分がオーダーミスしたのにあなたがそう言いました、と言って客のせいにしてしまう人とか、かなりの数でいる。あのオリエンタルホテルで、取ってもいない備品を、隣の部屋のお客さんだったのに自分達のせいにされてしまった人もいる。 もちろん大好きなTHE PENISULA BANGKOKにもほんっとに使えないスタッフもいる。タイ人はフレンドリーだしあったかいけど、どんなに責任あるセクションにいても、「ま、いいか」と思ってしまう人が日本より多いことは否めない。 ただし笑顔と心のあたたかさは日本人の数百倍だけどね。 このスタッフは汗をかきながら、必死で心配して走ってきた。誰よりもカードを忘れたあたしのことを心配して追っかけてきてくれた。 あたしはこの瞬間、THE PENINSULA BANGKOKが大好きになった。 ここ最近、エントランス周りにいた優秀なスタッフがいなくて、「こいつ辞めれば良いのに」って常日頃思っていた2名にしか会える機会しかなかった。その二人はタイ語が少しわかるあたしにもわかるいろいろな客の悪口を平気で言いながら、女の客にだけにやにやする上に、ゲートに通りはいってきたタクシーにすら気がつかないバカ。だから、これだけでTHE PENINSULA BANGKOKも堕ちたナーと思っていた。 こんなバカ、もっともっと安いホテル(5000円レベル)でも見たことがない。 今回、またこのバカがいるのかなー、なんて思いながら、エントランスに出た。 そこにいたのは、オープニングの時から親切にしてくれてた、あたしも含め一緒に泊まった友達がみな「のびた」と呼ぶ、めがねの小柄なスタッフ! かといってこの子、特に仕事ができるわけじゃない。 一度彼が荷物を運ぼうとしているワゴンにぶつかるほどぼっとしていて「危ないよ!」と背中を押したら「僕失恋しちゃったんだよーー!」と本泣で泣き付いてきたことがある(爆笑)! さらに、しばらくぶりに宿泊して買い物から帰ってきたあたしの後ろから日本語で「ハイ、失礼しますよー」と言いながら、わざとどん!とぶつかってきて、誰だよ?と振り返ったら、にやっと笑って「ウエルカムバック!ヒサシブリー!」と言って通り過ぎてきたことがある。 小柄でかなり若く見えるのでてっきり10歳くらい年下だと思っていたらなんとあたしより2つも上で驚愕したり。日本人スタッフには「まったくお客様に失恋話するなんてばかじゃないの!?」とあきれられていました。 そんな彼ですが、のびたのトレードマーク、メガネをはずしていたことがある。 「あれっ?メガネどうした?」と言ったら、彼はあたしがのびた、のびたと言っているのを実は知っていたのだった。 「これ?コンタクトにしたよー。もうのびたじゃないよー!」と言ってきた。ぎゃはは。 そんな憎めないやつ。 忙しそうだったのびたの邪魔をする気もなく、普通に出て行こうとした。その時「あああ!ヒサシブリデスーーー!!!!」とのびたが驚いて駆け寄ってきた。 ああああ(涙)。 「今日は友だちの結婚式だったの!」 「あ、知ってる!タイ人。タンマイカップ(なんで)?」 「彼女あたしのタイ語の先生なの」 タイ語がうまく通じなかったのかな?彼が首を傾げていたら、もう一方から「ああ!!」という声がした。 目を向けると…男だけど女の心をもつ、ドアマンでもっとも仕事のできて一番仲のいい男の子が、帽子もつけぬまま飛び出してきた。 仕事がものすんごくできるドアマン。 この子、去年のゴールデンウイークからまったくエントラスにいなかったから、やめたのかと思ってた。この子がいないと、本当にここのエントランスはだめだと思う。 「今日はお金がないから泊まってないよ!でも、友達のマリッジパーティーよ」 「あ、モンゴル人とタイ人でしょう?あなた友達なの?」 「そうだよ!私のタイ語の先生。」 心が女の彼は、あたしのへたくそタイ語とへたくそ英語を掛け合わせたルー大柴な会話を、全て理解する能力がある。 「???」となっている「のびた」にタイ語で「今日の結婚パーティーの女の子、彼女の友達なのよ」と説明してくれている。のびた、やっと納得。 その時、彼(彼女?)が言った「もうタイに住んでるの?」 あたしはあわてて言った「違うよ!彼女とは日本で会って日本でタイ語を教わってたの。」 彼(彼女)は「でもミスよっしーは、タイに住むでしょう?僕はそう思うよ。ミスよっしーはタイが大好きだから」と言った。 あたしは泣きそうになった。そうしたい変な気持ちが、もう何年も前からあったから。そして去年末の年越しバンコク滞在から、確実にその予感がしていたから。そうなる予感が確実にあるから。 毎回タクシードライバーに厳しく完璧に道を教える彼(彼女)。多分THE PENINSULA BANGKOKに宿泊した人ならで彼(彼女?)の親切さとか、丁寧さに感動した人も多いことでしょう。 彼(彼女?)は。「あっ!TIVOLIに泊まってるの?おしゃれだよね、あのホテル!」。 そして運ちゃんに「マレーシアホテルの近くのTIVOLI HOTEL。この人少しだけタイ語しゃべれるから」と説明してくれているのが、あたしにも理解できた。 この人、やっぱすげえ!こいつがエントランスにいないと、このホテルだめだと思う! このTHE TIVOLI、THE PENINSULA BANGKOKのバカ二人は当然知らず、コンラッドホテルのスタッフも知らず、新しいホテルでマイナー立地なので誰も場所を知りませんが、この4月、この人だけは知っていました。 しかもこの人、レストランにも相当詳しいです。 コンシェルジュが教えた案内が不十分だと、「どういうこと?」とコンシェルジュに詰め寄って聞いてくれたり、「あんたじゃ役に立たないから、ちょっと調べさせて!」とパソコンの前に立ってお客のために調べ始めたり、ものすんごい勉強熱心。あたしは彼(彼女)をとても尊敬してます。ものすごいプロ根性なの。 タクシーに乗り込んでのびたと彼(彼女)にずっと手を振っていた。二人ともお辞儀でもワイでもなくずっと手を振っていてくれた。 真のホテルジャンキーなら「失礼だ」とか「教育がなっていない」とかあるだろう。いろんな感想があると思う。 帰りがけにTHE BARの仲の良いピアニストに、すぐ帰らなくてはいけなかったらドアを開けて手だけ振ったら、「あっ!お帰り(日本語)」と手を振ってくれた。 タイってね、本当に不思議なんです。日本の超一流旅館やホテルより感動するのは、人並みはずれた天真爛漫な明るさとあったかい心。 まるで昔から知っている友達のように、満面の微笑みで、宿泊してようがしていまいが、「なんだよ!いつ来た!?」と包み込んでくれるの。タイの場合はそれがタイホスピタリティー。 タイのホテルが世界ホテルランキングの上位に入るのは、義務的なものでもなく、サービスだけにとどまらず、心のホスピタリティーをもっているからだと思う。 あたしゃー、タイ人のこの心、大好きだよ。もちろんお嬢のあっけらかーんとした「大阪のおかん」根性もね!(爆笑)。 THE PENINSULA BANGKOKに興味のある人もタイ人ってあったかくていいなと思った人もぽちっと押してください。ランキング参加中です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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