土佐の海で釣りを
さて、今日は釣りだ。朝ごはんを食べ、うんこなんかをしてから出発。鷹千代、お父さんたくさんお魚釣ってくるからねー。海の方まで下りて行って、家の船に乗り込む。船といっても5mくらいの小さなボートにエンジンがついた代物。しかし、こいつさえあればかなり楽しめる。まずはちょっと行ったところで仕掛けをつけてとりあえず挑んでみる。水深は10mくらいか。餌かごにオキアミをわんさか仕込んで、その上には5,6こサビキが付いている。一番したのサビキにエビを引っ付けて、水面に放り込み、底に着いたらしゃくって少し巻く。あとは待つだけだ。親父殿は次々と釣り上げるものの、俺にはまったく反応がない。場所を変えてみた。ここはさっきよりもずいぶん深くて、倍の20mほど。親父殿はどんどん吊り上げる。カワハギ、シマアジ、マダイ、チダイ。しかし、俺も突如として反応が。異様なひき。釣り上げるとヒョウダイだ。なかなかがんばって釣り上げたものの、親父殿は、「これは少し味が落ちるんよ」という。ぐ、ぐむぅ。。。しかし諦めず挑戦。するとヒョウダイばかりがどんどんかかる。しまいには釣り上げたものの、海に帰してやった。しばらくやってると、俺もカワハギとか釣り上げだした。そして途中で、なんか重いなーとか思ったら、親父殿とからまってた。結局親父殿が引きあげたが、かなり大きなシマアジが。糸をたどっていくと、俺の針にかかっていたものの、釣り上げた喜びがない。「これはお前が釣りあげたことにしたらええ」と言ってくれたが、やはり自分で釣りあげたい。というわけで、おれもカワハギとかシマアジとか多少は釣り上げることに成功した。余裕があれば、以前のように釣り上げた魚をそのまま船上でさばいて食おうかとも思っていたが、どんどん釣れるのでその時間がなかった。マダイ、チダイ、ヒョウダイで、4、5匹。ネイリが1匹。シマアジが10匹くらい。カワハギは15匹くらい。本当に大漁だ。ま、俺が釣りあげたのはせいぜいこの中の6、7匹だが。意気揚揚と引き揚げ、さっそく鱗を取ったり、皮をはいだりして、さばく。親父殿は刺身造りの名人だ。昼飯には、ちょっとだけタイとかを食った。あとは夜に食うってことで楽しみだ。疲れたので、ごろごろしていたら、政所の友達が遊びにきた。結婚式でスピーチをしてくれたレイコだ。おれもお菓子なぞを食いながらおしゃべりに参加していたのだが、疲れて寝てしまった。気づくと夕方になってて、親父殿が「ラタナコーシン、イカ釣りに行くか」とかいう。おもしろそうなのでついていくと、岸からルアーを思いっきり放り投げて、魚みたいに泳がした。昨日これで、アオリイカをたくさん釣ったらしい。しかし今日はどうも駄目だ。アオリイカがいるのは見えるのだが、いかんせんルアーの方が大きいくらいで、ルアーを近づけると食らいつくどころか逃げてしまう。諦めて戻った。そのあと、政所とご近所のあちこちに、お祝いのお礼のお返しを配りに行った。古い町並みの中を廻るのはおもしろかったが、似たようなじいさんばあさんばかり出てきて最後はわからなくなった。そして蚊にめちゃくちゃにさされて死ぬかと思った。今日はおれは鷹千代と一緒にお風呂に入った。体を洗っている時はぎゃーぎゃー泣いていたが、湯船につけると気持ちいいのかぽわーんとしていてとてもかわいい。風呂を出ると魚のオンパレード。刺身がもちろん一番美味いが、焼いたもの、煮たもの。まさに食いきれない量だ。やはり自分で釣り上げた魚はうまい。とくにカワハギがうまい。不細工な顔をしながら、上等なやつだ。今日もご機嫌で酔っぱらってしまい、あっという間に寝てしまった。ああ、もう明日は帰るのか。いやだなぁ。