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2007/02/07
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──人を守る為に、人を殺めし者よ。
──人を守る為に、人を葬れ。

 悪魔は戻れぬ道へと誘わん。


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>「お義父さんもそろそろ腹を決めるときじゃありませんか?」

 それは悪魔の囁き。
 美馬は前回の『支店長の殉職』以来、義父が『やろうと思えば、どんな残酷なことでもできる』と知っています。
 だからこそ、修羅の道を示したのだと思います。


 今回、美馬には義父をそそのかすだけの理由もありました。
 一つには、“永田からの覚えを良くし、睨まれない為”。
 永田に直接呼び出され、そう言い出されたのには『なんとかしてみせろ』というニュアンスが篭められています。彼は期待に応えなくてはいけなかったのです。
 それが“ライバル大川を追い落とす結果に繋がる”のならば、“永田に取り入る”のに最高の土産にすらなります。
 
 二つ目には、“阪神銀行の後ろ盾を失わないため”。
 彼にしても、阪神銀行に対しては将来の出馬での献金や援助を期待しています。そのために閨閥結婚まで引き受けたのです。それが今になって無意味になるのは、美馬にとっても痛手なのです。

 三つ目。“彼自身が手を汚さず、義父が行なうのならば、危険も少ない為”。
 次回の予告では現実になっていますが、“大川が喧嘩を売った相手に報復を考える”危険性はあります。
 彼個人が喧嘩するには、強力すぎる相手なのです。


 かくして大介は、美馬の代わりに大川を追い落とすことになります。
 大蔵省の人間達は銀行員達を翻弄させ、その慌てふためく様を高い場所から見下し、嘲弄しているのです。
 まるで、御伽噺の『悪魔(メフィストフェレス)』の様に。

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 でも、一番得をしたのは永田大臣ではないでしょうか?

 ここからは勝手な妄想ですが、永田大臣は最初から大川と三栄銀行の癒着を知っていたのではないでしょうか。
 だからこそ美馬を使って、大川を追い落とすように望んだのでは?

 実際、彼が阪神銀行を肩入れしたり、三栄と平和銀行の合併を阻止する理由はありません。
 むしろ『大川を追い落とすスキャンダルを表面化させる』ために、情報をさり気なく流し、大介の耳に入るように細工したのでは?
 そして大介と美馬を踊らせ、自分とは関わり無いところで、大川を自滅させたのでは?

 だとすれば、本当の『悪魔』は永田大臣とならないでしょうか。

 こんな想像も、実は成り立ちます。

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 そして修羅の道を歩むことになった大介。

 始まりは『三栄銀行を吸収合併しなくてはいけない』という使命からでした。
 そこには既に、『忠実なる部下』という人柱が立っていました。

 そこに、唯一の突破口と思われるスキャンダルがやってきたのです。
 縋りつくように食いついたそれは、閨閥の一人も破滅させることでした。

 しかし、そのほかの解決法は見つからぬまま、制限時間が課せられます。
 ・身内を守る前に、自分達が自滅するという危機感。
 ・身内自身も、残された時間が少ないという事実。
 ・身内からライバルへ乗り換える必要性。

 すべてのキーワードが出揃った時、彼は苦悩の末、身内を売り飛ばす覚悟を決めます。
 

 『切り捨てる』為のキーワードが一つ一つ明らかになるたびの、大介の描写がすごく丁寧なのです。 
 脚本、演出、演技、すべてが丁寧で、本当に見ごたえがありました。

 “永田大臣と会う為に美馬へ電話をする”までの、深い苦悩と決断の描写がとても印象に残ります。
 『非常な人間』ではなく、『血の通った、情と倫理を持ち合わせた人間』として描かれています。だからこそ、『情と倫理』を捨てた大介が、恐ろしく、強大に感じられるのです。
 そして彼に会った時の、既に覚悟を決めた暗い笑顔も、対照的です。

 彼は財閥の世界の常識すら外れ、修羅の道を歩むことを決定付けたのです。

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 財閥という世界の常識。

 一つ留意しておかなくてはいけないのは、この当時の財閥での価値観・常識だと思われます。
 この世界では『銀行や企業が政治と癒着する』のは当たり前のようです。
 勿論、財閥の外ではそれは犯罪です。だからこそ、新聞が『大川と三栄銀行の癒着』を騒ぎ立てるのですから。

 しかし、財閥の中では暗黙の了解として庇います。
 美馬にしても阪神銀行を当てにしており。鉄平も大川に最後は頼み込みます。帝国製鉄も、通産省に繋がっています。
 彼らもまた、『銀行や企業の、政治との関わり』を常識として考えているのです。

 確かに鉄平は比較的『現代の一般人』に近い思考を持っています。しかし、その点ではやはり『財閥』思考であり、『閨閥』の常識の中で生きているのです。


 大介はその財閥特有の思考を裏切り、切り捨てます。
 現代人なら『(大川の)自業自得』という言葉に納得してしまうかもしれません。社会的正義ですらあるでしょう。
 ただしそれは、財閥の世界においては裏切りであり、親戚を売り飛ばす行為に当たるのです。

 その意味でも、彼は本当の修羅になったのかもしれません。

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 鉄平から見た父親像。

 鉄平の描写で今回もっとも印象に残ったのは、やはり通産省で大川を見送る際の表情です。
>「子供の役に立てるってことは、親にとっちゃ、一番の喜びだから。」
 この言葉で受ける、強い衝撃。
 それは単に、大川への感謝だけではありません。

 鉄平と大介の間には、微妙な溝があります。
 それは祖父の影や、でしゃばる相子の存在などです。
 それ故に、血縁を信じようとしても微妙に裏切られ(第一話)、口論に発展する(第二話)こともあります。

 しかし、義父である大川は掛け値の無い、命懸けの愛情を与えてくれます。
 そんな父子像もあることを、鉄平に教えてくれたのです。


 それは
『ひょっとしたら実父も、それだけ自分を愛しているのか』
『ひょっとしたら義父は実父よりも愛してくれているのか』
などの、様々な思いを呼び起こすには十分だったでしょう。

 そして複雑に絡んだ親子関係では得られなかった、無償の愛を受け。
 彼は初めて満たされるものを感じたはずです。

 その『驚き』と『混乱』と『感謝』と『癒し』、それらが入り混じったような複雑な表情がとても印象に残りました。

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 原作を知っていられる方は、あっと思っていらっしゃるかな?
 ネタバレはしませんが、実は大川と大介の病室での会話の中に、クライマックスに繋がる重要なキーワードが隠れています。
 どこが、とは言えませんが、要チェックです。

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 慶慈大学付属病院、というのは慶応大学付属病院がモデルでしょうか?

 余談ながら、大介のモデルになった方は地元・神戸大学付属病院が掛かりつけだったそうです。

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 芙紗子の出生の秘密。

 『結ばれちゃいけない』という場合、多くの物語では『近親』『身分違い(親が犯罪者)』『親同士が仇敵』の3パターンに分類されるのではないでしょうか?
 木村君のドラマでも一度、この三つのうちの一つがありましたっけ(『空から降る一億の星』の兄妹設定)。

 今回のドラマではどれかは分かりませんが、秘密が明かされるのが楽しみです。

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 今回の木村君のドラマ、『華麗なる一族』。少し主人公の性格には共感しづらいですが、ドラマそのものはどんどん面白くなってきたと感じています。
 ナレーションも少し減って、視聴者が予測したり、心情を予測する余地が増えてきたのもありますね。

 行間を読むように、役者の表情や台詞から事態を読み取っていけるのは、ドラマを観る最高の贅沢の一つだと思います。
 BLOGに自分なりの解釈(←勿論、間違っていたりすることも多いのだろうけれど)を書かせていただくのも、自分の楽しみの一つです。
 それを木村君と素晴らしい俳優陣、そして豪華な情景とともに見れるのは幸せだと思います。

 これからも期待しています。
 撮影自身は残り僅かと聞いていますが、関係者一同様、最後まで頑張ってくださいね。

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 最後にご紹介を。
 粗筋などのチェックに参考しているBLOG。
どらま・のーと
 原作との比較や、ドラマそのものに対するレビューが参考になるBLOG。
テンメイのRUN&BIKE

 オススメです。

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 罪を抱え、父は生きる。
 祖父の罪を秘めていき、息子の憎悪を受け止める。

 …それでも血まみれの腕(かいな)には、痛みと愛を抱えながら。





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Last updated  2007/02/07 09:27:09 PM
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