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遊悠白書 GON

遊悠白書 GON

アガサクリスティーは朝型だった。

クリスティー

1890年、保養地として有名なデヴォン州トーキーに生まれた女の子。この子が20世紀最大の女流ミステリー作家になることを、このとき誰も知らない。
中産階級の家庭に育てられ、何不自由なく生活を送る。が、やがて経済状況が悪化。その影響もありお金のかからない読書に没頭するようになった。

1914年、イギリス航空隊のアーチボルド大尉心得と結婚。のちに夫は大佐に出世し、まさに幸せな生活が続いた。
しかし、夫が浮気。失意のうちに離婚する。
(クリスティーはショックのため10日間謎の失踪)

40歳の時、14歳年下の考古学者マックス・マローワンと電撃的な恋におち、結婚。クリスティーはマックスの発掘調査旅行の時に頻繁に同行していた。

『スタイルズ荘の怪事件』(一九二〇)から長篇小説、短篇小説、エッセイ、自伝などを著し、ドロシイ・L・セイヤーズとならんでイギリスのミステリ界に君臨。
マザーグースやキリスト教を物語に巧みに織り込み、多くのミステリ愛好者から評価された。日本のミステリーの巨匠、江戸川乱歩からも評価され、また日本人の現代本格ミステリ作家にも多大な影響を与えた。

メアリ・ウェストマコット名義で『春にして君を離れ』をはじめとする恋愛小説を執筆したが、クリスティーは自身四半世紀近くも関係者に自分が著者であることをもらさないようし、周囲には箝口令をしいてきた。これは、「アガサ・クリスティー」の名で本を出した場合、ミステリと勘違いして買った読者がいると思った、クリスティーの考えからでもある。読者を大切にするとともに、アガサクリスティーという商品価値を大事にするクリスティーでもあった。

アガサクリスティーはどんな場面でも推理力をフル活動させていたのだと、周りの人はいっていた。お茶をしているとき、お話しをしているとき、買い物をしているときなど、日常茶飯事の行動全て、彼女のミステリーのアイテムとなった。
一番驚いたのは、彼女は良妻だったことだ。
あれだけ忙しい作家ならば、つい家のことはおろそかになりそうなものだが、
家事で手を抜いたことはないと甥っ子はいう(NHKより)。
ストーリー構成が頭のなかに浮かんだら、朝から一気に書き始める。そして昼には終わるという。
昼、夜は家事をする。

まさに朝型。

作家と妻の2大事業を完璧にこなしていた、まさにスーパーウーマンでもあるのだ。

ちなみに・・・朝というのは執筆するにはいい時間帯でもある。

涼しい朝風を体にあびて、十分睡眠とった頭がフル活動できる。
しかも周囲は昼のようにうるさくない。

朝型が多い偉人は多い。
アガサもそんな一人だったのだろう。

あの壮大なミステリーは朝にかかれた……。
そう思って、また読んでみると、ミステリ力、思考力もさらに鋭くなれば面白い。


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