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ゴンゴリーノの日記 [全75件]

2010.12.02楽天プロフィール Add to Google XML

吐血  (4)

これが笑い事か笑い事でないか、実はよく分かりませんが、W
2つの事態のために、予告することなく、
ブログを休止しなければならなくなりました。

ひとつは、
11月はじめの日曜の夜中の出来事。
吐血により、救急車で救急病院に搬送されたこと。
胃潰瘍による出血でした。
内視鏡による"焼き"でOK。
1週間の入院ですみました。

吐血、といものをしてみたかったのですが、
新撰組の剣士のように、
気分的には、最悪でした、
低血圧と呼吸困難的気分、
映画のようではありませんでした。W

もうひとつは、
この間に、息子の一人が私のノートPCの画面を足で踏んづけて破壊!
弱り目に祟り目とはこのことです。


病院から戻って、何をしていたかといいますと、
須崎港へ帆船「海王丸」が記念寄港していたのを見学に行きました。
退院記念でした。
貧血気味にふらふらしていましたが・・・
ステッキで何とかしのぎました。W
それ以降は、
することもなく、ドミノ・ゲームを息子たちと楽しむ以外は
ポケーとしていました。W






最終更新日時 2010.12.03 01:20:05
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2010.11.06

日記  (4)


11月30日(土)の日記

 新宿西口へ午前7時過ぎ無事到着。
「この早朝では、どうしようもないなあ」
この日の予定は、横浜のホテルで泊まるだけだし。

 先ずは羽田空港へ行って見物がてら朝食をとることにしよう。鉄道の駅とは異なり、周りの人ものんびりしているし。

 電車とモノレールを乗り継いで羽田へ。
羽田空港の印象ですか?
「んーん、まあまあだな」
としか言いようがありませんでした。

 今までに見たことのある空港。
羽田、モスクワ、パリ、マドリッド、アラスカ、ソウル、高知、伊丹、鳥取、宮崎、福岡、鹿児島、屋久島、種子島、名古屋、関空、新潟、スキポール。

 飛行機を見るのが好きなのですが、台風の影響で雨。空港ビルの屋上にある展望台(?)へ行く気にはなれませんでした。

 朝食はトーストとコーヒーで済ませました。それでも11時30分ぐらいまでは空港にはいたような気がします。京浜急行で横浜駅へ。

 横浜駅。APEC首脳会議開催のため駅は厳戒態勢、長野県警のジャンパーを着た警官二人が前を歩いていました。

 駅から徒歩2分のホテルでしたが、雨でうるさいので、探すのをやめて、荷物をコインロッカーへ預け。そのまま電車で川崎へ、南武線で北上して府中本町まで。といいますと?
そうです東京競馬場へ行ったのです。




東京競馬場.JPG







 ところが台風のために競馬は中止。次の月曜日に延期。

 奇妙な光景。通路に明日の天皇賞の入場待ちの若い連中が段ボールと寝袋を持ちこんで列を作っていました。100人ぐらいはいたかも。ホームレスじゃあるまいし、さすがにこれは常軌を逸している、と思いました。

 競馬中止のため入場は無料となっていました。京都と福島で開催されている競馬に賭ける人のために開場。
 ショップで競馬グッズを買いました。競馬の鞭、ウォッカとブエナビスタのバンダナ、騎手のゴーグル、東京競馬場の灰皿。





ウォッカ.JPG











 横浜への帰り、同じ線では面白くないので、立川―八王子―横浜を選びました。そのつもりでしたが・・・西船橋行きの車内案内。
「西船橋?」
 南部線のつもりが武蔵野線に乗っていたのです。そのうち中央線に当たるからまあいいか・・・西国分寺で乗り換え。八王子に行くつもりでしたので、来た電車に乗ると、これが青梅線乗り込みの電車。
「く、くそー」
 立川でまたまた乗り換え。やっと八王子。もう日が暮れていました。
何だか、乗りなれない電車に振り回された1日でした。

 ここでゴンゴリーノ2世のコメント、
「地元の田舎の汽車に乗れない男が(前日の日記参照)、東京の郊外の電車にうまく乗れるわけがない」

 横浜駅前の高島屋へ飛び込んで、サスペンダーを購入。腹周りがすかすかしてきていて、ズボンが垂れて、だらしないのもまずいかな、と思い。

 横浜の地下街へ行って、本を2冊買いました。

『発見術としての学問 モンテーニュ・デカルト・パスカル』 塩川徹也 岩波書店
 
『盤上遊戯の世界史 シルクロード遊びの伝播』 増川宏一 平凡社

 何でこういうことをするのかよく分かりません。手荷物が多くなるのに・・・競馬グッズと2冊の本・・・軽くはない。

 本屋の近くに、きしめん屋があって、きしめんを食べました。横浜でわざわざきしめんというのも変だなあ、と思いながら。高知では食べられないからかも。

 その夜のこと、妹の電話、
「明日は、鶴岡八幡宮の社務所へそのまま正装で来て欲しい」
「嘘だろう?」
 嘘ではありませんでした。

 

 

 

ジョッキー.JPG
 

 

 

 

 

 

 




最終更新日時 2010.11.06 22:17:08
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2010.11.05

無事帰還  (1)



お久しぶりです。

みなさんお変わりありませんでしたか?

無事帰還しました。

朝家に帰り着きましたが、1日中ダラーとしていました。

半ば予想はしていましたが、いつもと同じく、今回の旅行もドジの連続でした。




10月29日(金)の日記

第1番目のドジ。

 わが町を18時37分、わが国最後の新設鉄道、土佐くろしお鉄道(?)ごめん~なはり線で、まずは高知市に向けて出発。だいたい55kmぐらいの行程です。時間にして1時間と15分。

 荷物を網棚に上げて(これがラッキー!でした)、列車の最後部の2人掛けの椅子に座る。

 ヘロドトスの『歴史』を持って行きます。何度読んでも部分的に面白いし、全体像が頭に全然入りにくい、不思議な書物です(入れようと努力しているのです・W)。これを漫然と読んでいました。


ハプニング:

 この列車は1輌のワンマンカー。後免(ごめん)駅でJR土讃線に乗り換え。
 車内放送があったのでしょうね、これを聞き逃して(高知駅までの直通便と思っていた=ほとんどの列車が乗り入れているのです)うとうと居眠り状態。(本を読んでいたのですが途中で・・・zzzzzzzz・・・)

 気付くとワンマンカーの運転手がわたしに、(網棚の荷物で気づいたのでしょうね)
「お客さん、お客さん、終点です。乗り換えです」
と、大焦り。

 見ると、ホームの反対側に3輌仕立ての列車がいるではありませんか・・・運転手の言葉からすると、あれが高知方面行の列車にちがいない。

 ワンマンカーの運転手さんが、
「ちょっと待ってください!」
と大声でJR土讃線の列車の車掌に声をかけている。

 そして、網棚から荷物を下ろし、わたしが乗り換えのために、ダーッと車内を駆けて行って、列車から出ようとすると、ストップ!
「(ここまでの旅客運賃)1040円、お願いします」
 と来ました。
「えーっ!?」
 ここで取るの?

 寝ぼけまなこで、しかもどのポケットに小銭を入れていたのやらわからない始末。どこかのポケットからガバっと出てきたお金が千円札2枚と五千円札1枚、小銭が、すべてのコイン(1円から500円まで)があるような状態でして「好きなだけ取って」状態。結局は千円札1枚と10円玉を4枚取ったわけですが。とにかく、モタモタしたわけです。これに2分もかかったとは思えませんが。

 機転が利く、運転手の「ちょっと待って下さい」の声が効を奏し、接続の列車には乗れました。(感謝)

 向うの列車の人たち―土佐の人、おしなべて気が短いから―、トロいやつがいるな、とカリカリしながら見ていたのでしょうね、きっと。

 それから高知駅までの間、4つある駅ごとに「各駅停車の須崎行きです・・・ただ今この列車は2分遅れで運行しています」と放送がありました。耳が痛かったですね。(汗)

 東京発、大阪行きの新幹線を5分だか遅れさせて、顰蹙を買った総理大臣が昔いましたね。田中角栄でしたか?

 友達が乗っていた、国際列車、アルヘシラス急行=パリ発スペイン最南部の町アルヘシラス行き急行を、非常ブレーキで止めたモロッコ人。理由「家族が乗り遅れた」。パリのアウステルリッツ駅を出て間もなく、ものすごい音(急ブレーキの音)がして止まったそうです。(田中さんの上行きますね。国際的スケールです)
 その後、何の騒ぎもなく、何事もなかったように、遅れた家族を乗せて出発したそうです。
 いますよね、すごい人が。
 
 これらから見ると可愛いものですよね。
(でも、時間の調整は結構大変かも。すみません。)

 この接続の列車に乗り遅れていたら、高速バスにも間に合わなかったと思います。高知駅まで残り15km、クシーを飛ばしてギリギリでアウト!だったでしょうね。

 やっぱり、ごめん~なはり線の運転手さんのおかげですね、これは。(感謝)

高知駅発、20時20分、小田急高速バスで東京へ。

まずまず眠れました。



リハビリのつもりで思い出しながら日記を書いています。

しばらく書かないと、意が伝わっているかどうか不安です。W

ではまた。




最終更新日時 2010.11.05 23:49:00
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2010.10.29

Nowhrere lighthouse  (2)
[ 創作 超短編小説 ]  




所用のためブログをお休みします。


連載の経過・あらすじを示しておきますので、初めての方はご参照ください。


「どこにもない灯台」Nowhrere lighthouse


ゴンゴリーノ作
ゴンゴリーノ絵



“どこにもない灯台”が崩壊する話です。

主人公がこの事態に巻き込まれます。




崩落.JPG



(その10)






ガラガラ.JPG


(その13)










登場人物

川口貞夫 ある機械メーカーの設計技師。27歳

田沢恭子 貞夫の元恋人。貞夫がしばしば訪れる会社の社員。26歳

冬美・キエッリーニ ミラノの新進気鋭の女性工業デザイナー。27歳

竹島 貞夫の会社の同僚。27歳

カモメ


おことわり:すべて絵空事です。実在する人物はいません。




その1 10月14日

ある日曜日、

貞夫は恭子と言う女からの電話で目がさめ、

彼女に会うためにマンションを出た。

そのとき異変が起こる。

気づくと海辺の高い場所にいた。

見知らぬ場所であった。




その2 10月15日

にわかに起こる高所恐怖症的戸惑い。




その3 10月15日

太平洋に面した、とある灯台にいた。

高所の恐怖は続く。




その4 10月16日

タバコを吸おうとしたがマッチがない。

喫煙者の焦り

貞夫、なんとかタバコを吸うことができる。




その5 10月18日

タバコを吸い終わる。

バルコニーの白い壁の向こう側の声

恭子の声が聞こえてくる。




その6 10月19日

竹島と携帯電話で話す。

恭子語り始める。




その7 10月20日

恭子のはなしが続く

2年前の重要なはなしを語る。



その8 10月22日

崩壊の予兆

手すりの崩壊、貞夫、あわや転落という事態を招く。




その9 10月23日

バルコニーの手すりにとまるカモメ




その10 10月25日

灯台の中から聞こえてくる恭子の声

恭子、冬美・キエッリーニを語る。

貞夫のいるバルコニーの崩落

絶体絶命の危機




その11 10月26日

プラズマ化した頭脳で見た事柄

サイレンの音

竹島との交信

携帯電話を失う




その12 10月27日

灯台の内側

傷を負った冬美・キエッリーニ登場

灯台内部の床の異変




その13 10月28日

貞夫の宙吊りの危機

恭子の出現

灯台の大崩壊




       *




今日、東京方面へ発ちます。

滞在は1週間程度とは思っています。

帰りはいつになるか不明です。

その間ブログはお休みです。

この灯台の話、終章を残すのみの段階にきております。

ご愛読くださった皆様に感謝いたします。

尻切れトンボになってしまい、申し訳ありません。

では、またの機会に。

ご機嫌よう





最終更新日時 2010.10.30 00:53:47
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2010.10.28

どこにもない灯台 その13  (8)
[ 創作 超短編小説 ]  



小説家ごっこを続けます。

初めての方は恐れ入りますが初めからお読みください。



ゴンゴリーノ作『どこにもない灯台』 その13







冬美.JPG


貞夫は、この場にいて開けたドアをやり過ごす方法を選択した。







 考えている時間はない。貞夫は一計を案じた。ベストを尽くす。そうする以外に手はなかった。

 貞夫は、この場にいて開けたドアをやり過ごす方法を選択した。
その手筈は、先ず冬美・キエッリーニがドアのロックを外し、ドアを半開きにする。この状態で、貞夫は足場に立ったまま、この時、ドアの外側の取っ手をいつものように両手でつかんでいるのであるが、一旦右手を離して、ドアの縁から回り込むようにして、内側の取っ手を右手でつかむ。続いて、右足を右手と同じようにドアの縁から回り込むようにして(半開きのドアの)“向こう側の”足場に置く。この状態で、貞夫の体はドアを中心にして左右対称になっている。右手、右足に重心を乗せてバランスを保持ながら、ドアをやり過ごすために、今度は左手を離し右手のある方に、左足を右足のある足場に乗せる、といったものであった。そして、冬美・キエッリーニをこの足場に出す。ここは灯台内部の床が無くなった段階で、と貞夫にとって、唯一の安全地帯となるであろうと思った。開いたドア閉めた方がいいかどうか考える余裕はなかった。この案を試みるしか手が残されていなかった。それ以上に時間が残されてなかったのだ。
 貞夫はこの手筈を冬美・キエッリーニに身振りを加えつつ口頭で伝えた。彼女は頷いて応えた。貞夫の合図で、ドアのロックを解除し、打ち合わせ通り冬美・キエッリーニがドアを外側にゆっくりと開く。
 地上でやったとしてもむずかしい試技であった。いわんや安全ネットのない地上27mの空中ではや、である。はたして、貞夫と冬美・キエッリーニは失敗したのである。

 冬美・キエッリーニは傷ついていない彼女の左手で彼女の側、内側の取っ手を握り、貞夫のトライをサポートしていた。手筈通り貞夫が彼の右手を離して、冬美・キエッリーニが確保している取っ手を、―これを彼女と持ち替えなければならないのであったが、これには微妙なバランスが要った―冬美・キエッリーニが取っ手から彼女の左手を離した瞬間、バランスは崩れ、ドアがあっという間に開いてしまった。冬美・キエッリーニが右手でドアの縁を確保していれば、あるいはこういう事態を生まなかったかも知れない。しかし、傷のためにそれはできなかった。
 貞夫はドアが開く直前にその取っ手をつかんだが、両足は足場から離れ、あたかもサーカスの空中ブランコをしているかのように、ドアと一緒に彼の体を空中に持って行かれたのである。

 冬美・キエッリーニはまだ灯台の内側にいた。彼女は2つのことをみて驚いた。貞夫が宙吊りになったこと、彼女の眼前に現れたバルコニーのない、なにもない地上27mの光景を見て言葉を失った。彼女の期待していたものはなかったのだ。

 貞夫と冬美・キエッリーニの距離はわずか1m強であったが、貞夫にとってはその倍以上に感じられた。遠い。彼女の脇腹から血の痕がある。やはり。
 ドアの取っ手は頑丈なものであったが、人がぶら下がるために作られたものではない、貞夫の全体重(70kg重)に耐えている。貞夫はある奇妙な事を考えていた。バルコニーや灯台内部の床のコンクリートとはちがい、ドアの取っ手のシャフト、その鉄は自分自身でいようとしている、これが耐える、あるいは抵抗する、ということであると。きしみを上げたいはずだ。
 宙吊り。高さに対する貞夫の恐怖は消そうとしても、消えようのないものであった。意識、無意識ないまぜの恐怖があった。足もとには抵抗するものとして地面があるが、そこまでは、何もない、無抵抗の空気がそれなりに出入る、高低差27mの空間だけがあった。1.5秒後には確実に地上に衝突する世界。死が待ち受けていた。貞夫は焦り、もがいていた。
 カモメが悠然と空を舞う。

 冬美・キエッリーニは一歩前に出て、貞夫のいた足場に立つ。貞夫が恐れた高所の恐怖が彼女を襲う。不安定な靴であるハイヒールをはいていることを一瞬後悔する。しかし、これを脱ぐ時間はない、貞夫を救わなければ。と、今度は微振動ではなく灯台が小さく揺らぐ。貞夫と冬美・キエッリーニの時間が止まる。焦り、もがきと不安定なハイヒールを忘れ、二人は、何だろう?・・・ゆれは振幅数1・2・3でおさまった。
 冬美・キエッリーニの左手の助けを借りて、貞夫は何とか唯一の足場に戻ることができた。貞夫の手に血が付いていた。これに気づき、
「ごめんあさい」
と、冬美・キエッリーニがいう。そして、その左手を左脇腹に持っていって押さえつける。再び微振動が始まる。
「傷、大丈夫ですか?」
と、貞夫。
「ええ、なんとか。深いものではないと思います」
と、冬美・キエッリーニが応えた。続いていた微振動が揺れに変わる。おや?




ガニガニ.JPG


それはひとりの幼児であった。幼児ははしゃいでいた。





 この時、まだ残っている灯台室内の床―3分の2は失われていた―を、この危険な床の上を、二人から見て左から右に動いたものがある。小さな影のように見えた。おぼつかない足取りで駆けて行くように見えた。それはひとりの幼児であった。幼児ははしゃいでいた。これを見て、冬美・キエッリーニの目が恐怖の色に変じる。その幼児を目にした貞夫が言葉を発する前に、それをさえぎるように一人の女が姿を現らわした。恭子であった。灯台の壁、出入り口の左側の死角に身を潜めていたのだ。恭子は、身構えるように立ち止まり、鋭い目で、バルコニーの残骸にとどまっている、冬美・キエッリーニと貞夫を睨みつける。西暦2008年11月2日、午後12時36分、秋のたよりない日の光が恭子の顔に深い陰影を与えていた。恭子の右手は死角に入って見えないが、冬美・キエッリーニの傷から見て、おそらくナイフか何か刃物をもっている、と貞夫は判断した。逃げ場のない中、この距離では防ぎようがなかった。睨みつけている恭子の目に殺意が現れ、彼女が右足を一歩踏み出そうと意を決した、まさにその瞬間、大音響とともに灯台が崩壊した。







ガラガラ.JPG


みんなが瓦礫の筒とともに落ちて行く




 貞夫は見ていた。以前のバルコニーの崩落の時と同じように、プラズマ化した頭脳で崩壊の一部始終を記憶した。自らを破砕した灯台が、薄いカーテンがそよ風に揺れるように優雅に、コンクリート・ブロックとなって落ちて行く、ウインナー・ワルツを聞いているかのように。そこに冬美・キエッリーニが、こちらに田沢恭子が、あそこにあの幼児が、というように、灯台にいたみんなが瓦礫の筒とともに落ちて行くのを見ていたのである。 
 

つづく・・・かもW






最終更新日時 2010.10.28 18:39:33
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2010.10.27

どこにもない灯台 その12  (4)
[ 創作 超短編小説 ]  



小説家ごっこを続けます。

初めての方は恐れ入りますが初めからお読みください。

超短編小説のつもりでしたが思わず長いものになってしまいました。



ゴンゴリーノ作『どこにもない灯台』その12









F.CH.JPG


それは冬美・キエッリーニであった。黒い服を身にまとっていた。








 外部との唯一の接触手段である携帯電話は失われ、貞夫は絶望のどん底にいた。
サイレンの音だけが灯台以外の世界が近くにあることを知らせていた。しかし、自らの意思で変化することの決してない、モノであるところのコンクリートやバルコニーが自己破壊するといった世界では、信ずるに値する確かなものは何一つないといってよかった。サイレンであろうと、それが鳴ろうと欲すれば、鳴る世界だ。 
 いったい誰が俺をこのような目に合わせているのか、何のために、そして、これからどうしようというのだ。これにどう対処すればよいのか・・・孤立無援の中で貞夫は考えていた。
しかし、こうした不可解な事柄を分析解明する余裕を与えない、さらなる事件、そういえる出来事が起こった。それは血の匂いをともなった。

 両手でしっかり握っているドアの取っ手が再び動いた。灯台の中の動作が取っ手のシャフトを通して貞夫の両手に伝わってきた。誰だろう?・・・ドアのガラス窓から内側をのぞくが人影は見えなかった。足を乗せた床に微振動が起こる、が、貞夫は気付かなかった。
 貞夫は疑心暗鬼にかかっていた、無理もない話ではあるが。まさか、ドアの取っ手があのバルコニーやコンクリートのように自己破壊を目的として、自らドアから外れようとしているのか?俺を転落させるために・・・ここでは、鉛直方向の力、重力だけが確かなもの・・・論理的空間にある事実が世界である・・・それはものを破壊し、俺を殺す力を持っている。この世界では、空気に乗っているカモメだけが自由でいられるのだ。

「助けて・・・」
 女の声であった。灯台の内側からの声であった。
「助けて下さい・・・」
 よわよわしい声であった。おや、と貞夫が窓ガラスに顔を寄せた。
 唐突に、“バン!”という音を立てて、内側から窓ガラスを平手で叩く手が、貞夫の鼻先にその手は現れた。おお!と驚き、反射で貞夫はのけぞったのであるが、これは、足場から身を乗り出すことになり―転落の危機を招き―、貞夫はドアの取っ手をあわてて引き寄せた。さらに驚いたことは、この手は手の平から腕にかけて血で赤く染まっていた・・・叩いた拍子にガラス窓に血の手形を残した。そして、血の痕を3本、窓のガラスに引きながらドアの下部にその手は消えて行った。
 どうやらこの声の主は傷ついて、膝まずいているか倒れているようであった。ドアの死角に入っていて、貞夫からは彼女の姿は見ることができなかった。

「助けて・・・」
 ドアの取っ手が動く。恭子の声ではなかった。
「お願いです。ここを開けてください」
 外に逃げ出そうとしているのだ、と貞夫は思った。またも“バン、バン、バン”とドアを叩く。貞夫の両手はドアの取っ手が動くのを感じる。ケガのために救出を求めているのとは異なった何かがあった。誰かに追われているのか?中で何が起こっているのだ!目を凝らして中を覗き込んだが、それらしい気配はなかった。この事態は?と、いぶかしがる貞夫。再び取っ手が音を立てた。またも微振動が。

 内側をのぞくと今度は女の脚が見えた。頭をドアにもたげているかも知れない、姿勢を変えたのだ。黒いハイヒールに黒いストッッキングが目にとまった。人工の光はなく、唯一窓ガラスから差しこむ日の光が床にあり、それが室内全体に反射していた。女の脚は薄ぼんやりとしたドアの陰の中にあった。
 女の脚が動き、立ち上がろうとしていた。ゆっくりと立ち上がった。窓ガラスに現われた彼女の姿を見て貞夫は大いに驚いた。彼女自身がここにいること、そして、恭子の話の中で語られた人物がこの灯台にいること、この偶然の符合ともいえる、彼女の登場に貞夫は戸惑いを覚えずにはいられなかった。それは冬美・キエッリーニであった。黒い服を身にまとっていた。冬美・キエッリーニは、唇の色をなくした彼女の口の右端から一筋、血を流していたが、それを拭おうともしなかった。
「あ、川口さん」
 貞夫の顔を見て、驚きの表情を見せたが、間髪を入れず、
「助けて下さい」
 目で懇願していた。美しいと評判であった端正な彼女の顔は、傷を負った苦痛のためかゆがんでいた。いつものように背筋を伸ばしてすくっと立ってはいなかった。左手で左脇腹を押さえつけているようであった。右手をガラス窓に置き体を支えていた。この手からはまだ血が出ていた。誰かに襲われたのだ!左脇を押さえているところをみると、この手の血はかばい傷によるもの?彼女の手は傷のショックからか小刻みに震えていた。またも微振動があったが、貞夫は気付かなかった。
 助けねば、と取っ手をひねりつつドアを押したが、冬美・キエッリーニが傷ついた右手で、その人さし指を立てて、彼女の頭とともに左右に振った“No, no,”と合図を送っていた。分厚い鉄製の扉で細かい点に気がつかなかったが、このドアは外開きであった。彼女はそう貞夫に伝えていたのだった。これを知り、貞夫は瞬く間に血の気が引いた。進退が極まったことを悟ったのである。彼女を救おうとしてドアを開ければ自分はそのために転落するのだ。
 冬美・キエッリーニは灯台内部から脱出しようと欲し、試みているが、彼女の位置からは見えないのであろうか、彼女はバルコニーが崩落したことをまだ知らないらしい。外に出ても彼女が期待している安全な場所はないのだ。無駄であることを早く彼女に知らせなければならない、と貞夫は思った。幸いなことに、彼女はドアがロックされていることにまだ気づいていない様子であった。彼女がドアを開けると、貞夫には転落即死が待っている。一刻も早く知らさなければ。・・・同時に彼女の怪我の具合を案じた。

 冬美・キエッリーニはしきりに彼女の右後方を気にしていた。見ると、部屋の左手にこの灯台の昇降用の階段があったが、そのあたりで異変が起こっていた。床に直径50cmばかりの穴が開いていた・・・さっき見た時には無かった。貞夫が見落としたのか?・・・その穴の縁から砂埃のようなものが湯気のように立ちあがっていた。驚いたことに、その速度は芋虫が植物の葉を食べているように、速くはなかったが、穴は確実に大きくなっているように見えた。床のコンクリートが砂時計の砂のようにサラサラと下に落ちて行く。ここでも、灯台の内部でも“あれ”が起こっていたのだ!彼女は、俺と同じ目に遭っていたのか。貞夫は自分に起こった出来事を振り返り、身震いをした。ここからは見えないが、あのバルコニーのように、灯台の階段はすっかり落ちてしまったのだろうか、そうであれば、・・・音がしないわけだ、コンクリートが自分を砂粒にして流れ落ちてしまったのだ。そういうことだ。・・・彼女はこれに怯え逃れようとしているのだ。傷つけられ、追い込まれてきたのだ。階下からずっとここまでずっと?と貞夫は想像していた。
 そして、最後に、もし、自分が今、灯台の中にはいることができても、降りる道はすでになくなっている、・・・貞夫は意気消沈し、どの道、俺はもう助からないかもしれない。と心の中でつぶやいた。
 微振動を感じた。そして、貞夫はわれに帰る。彼女にドアを開けないことを知らさなければ・・・
「冬美さん、ここを開けてはいけない」
 右手を取っ手から離し、身ぶりを加えて、バルコニーのないことを冬美・キエッリーニに伝えた。彼女は困惑したが、理解した。それは貞夫が同じ場所から一歩も動かない、不自然姿勢でいることから理解できたのであった。

 貞夫は最善の対処方法を思案していた。しかし、考えはまとまらなかった。
冬美・キエッリーニの不安げな顔が窓ガラスの向こう側にある。
傷の手当!しかし、冬美・キエッリーニを傷つけたのは誰?この事態を企図し、引き起こしたのは誰か?と、再び元の疑問が頭をもたげ、貞夫の考えを妨げるのであった。
恭子の仕業か?

つづく



描きたい絵がたくさんありましたが、時間がありませんでした。あしからず。

今夜中にその13を書き上げたいと思っています。

それではまた。




最終更新日時 2010.10.27 18:03:40
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2010.10.26

どこにもない灯台 その11
[ 創作 超短編小説 ]  

小説家ごっこを続けます。


初めての方は、恐れ入りますが、その1からお読みください。


ゴンゴリーノ作 『どこにもない灯台』 その11



貞夫のいる灯台のバルコニーが崩落してしまった。







bxy.JPG







 プラズマとは、高度に電離した気体のこと。気体中の原子は、ほぼ完全に電子・陽子・原子核などに電離している。例えば、激しい化学反応によって生じる、マッチが燃える時の炎の状態、あるいは物理学的には稲妻の状態、のことである。

 圧倒的な事象を目の当たりにして貞夫の頭脳はプラズマ化していた。
バルコニー崩落の瞬間、貞夫が目にしたもの。
それは、・・・貞夫はカモメの羽音を耳にし、反射的に貞夫の右側のバルコニーの手すりと床を見た。
 外部から何の力も加わった様子がないのにもかかわらず、それ自身、バルコニーの手すりや床のコンクリートそれ自身が粘度の重い液体のようにふるまう。まるで意思ある生き物であるかのように、その表面をゆるやかにうねらせる。と、コンクリートはたまらずそれ自身に無数の亀裂を生じる。3度ほどこれを繰り返す。自己破壊。亀裂によって大小さまざまなブロックに分割される。もはやもとの手すりや床であった一体化したコンクリートではない。バルコニーは無数のコンクリート・ブロックの集合体となった。これで十分とみるや、それらがさっと一瞬のうちに音もなく落下した。バルコニーとコンクリート・・・。
 一連の出来事がスローモーションの映像を見ているかのようであった。重力の加速度は9.8m×時間の2乗、これからすると崩壊するバルコニーは約1.5秒で27m下の地上に到達する。・・・この1.5秒間を、あっという間にあるいは長い時間に感じられるか、感覚には個人差が認められるが、貞夫にとっては後者であったということである・・・貞夫は一部始終を克明に記憶していた。もし、ブロックやその破片の数量を知りたければ、記憶の中のそれぞれに1から数百、数千、数万などn番目までの数を順番に書き込めたであろうと言えるほど克明に。
 貞夫には少なくともそう見えたのである。そして、これを誰がやったか・・・コンクリートにこうしたふるまいをさせたのは誰か、と、ふと思った。自分ではない。では、恭子であろうか、竹島?カモメ?灯台?海?空?大地?それ以外、他の誰か、しかし、人間のできる業ではない。では、神が?と、とりとめもなく思うのであった。しかし、これは貞夫にわかるはずもない。このような考え自体が、非科学的なものを信じない質の貞夫としては、馬鹿げた考え以外のなにものでもないと見え、推し測ることを停止させた。ただ、筋道の立たないこの事態は、かみ合わない歯車のような、恭子と貞夫の話に似ている、と最後に思うのであった。
 時間にして約1.5秒間、プラズマ化した頭の中でこれらのことを視認し、考えていたのである。

「ウーーーーー」
と、突如、サイレンの音の鳴る音が遠くから聞こえてきた。
 このバルコニーの崩落に近くに住む人たちが気づいたにちがいない、あのように大きな音がしたのだから。非常事態発生の警報を鳴らしているのだ、やがて消防車、救急車、パトカーがもっと大きなサイレンを鳴らしてここに駆けつけてくるだろう、と貞夫と思った。そして、もうちょっとの辛抱だ、と自らを勇気づけるのであった。

 希望が芽生えたとはいっても、危機を脱してはいなかった。この灯台に置かれた当初は未知なるものへの恐怖があったが、今や死と直面した現実的恐怖となっていた。灯台本体には、バルコニーをむしばんだ、意味不明の劣化は認められなかった。これには安堵した。高さへの恐怖はいつまでも消えることはなかった。文字どおり、転落即死に身をさらしていた。足場はしっかりしていても、安心・安全を確保するまでの十分なスペースがなかったからだ。こんなことで死んだのでは親に申し訳ない、犬死に以下だ、はじめて両親の顔が貞夫の頭の中をよぎった。
 貞夫は目のやり場にこまっていた。バランスを保つためには正面にあるドアのガラス窓を見る以外他に方法はなかった―ガラスにはあのカモメの姿が映っていた―。考えまいとつとめたが、それでも無意識の底から“こわいぞ、こわいぞ”と煽り立てて来る、この高さへの恐怖は手と言わず足と言わず、貞夫の全身をわなわなと振るわせていたのである。目を閉じてもそれは同じことであった。いや、むしろ背後のカモメの動きが気になるので、貞夫は目を閉じないことにしているのであった。

 恭子の声はバルコニー崩落時の轟音と粉塵とともに途絶えてしまっていた。

「ピピピ、ピピピ」
 竹島だ!貞夫は、左手でドアの取っ手を握りしめ、右ポケットから窮屈そうに携帯電話を取り出し、スイッチを入れる。竹島だった。
「川口?どうなんだよ。その後は」
 貞夫は、先の電話と違って、堰を切ったように、恭子の話以外の自分の身に起こった事柄の一部始終を竹島に話した。
「そのサイレンて、農村によくある正午を知らせるサイレンじゃないの?」
 竹島は何気なく口にしたが、しまった、言うべきじゃないと思った。しかし、それはもはや手遅れであった。貞夫は驚いて口を閉ざした。そうかもしれない・・・午前11時57分に腕時計を見たことを思い出していた・・・背筋が凍りつき、ジーンと痛みのようなものが走る・・・。

 竹島の言葉に呆然としている貞夫。この時、不意に、左手で握っていたドアの取っ手がわずかに動いた。貞夫は反射的に右手を左手に添えた。このはずみに携帯電話を手から滑り落としてしまった。落下していく携帯電話から、約1.5秒の間に、竹島の“もしもし、もしもし”という声が聞こえた。そして、
「・・・・・・・・」
 交信不能となってしまった。最後の命綱が切れてしまったのだ。110番にかける最後のチャンスを失ってしまったのである。



つづく




今日の出来事


結婚式って大変なんだな~


参列するとなると、単なる叔父でも礼服・正装なんですね。

え!世間の常識!?

遠ざかっているし・・・


自分が結婚した時も、紋付袴なんか着せられちゃって、

三三九度かなんかまでやらされちゃって、

こういう厄介事は二度と御免だな、と思ったものですが、(笑)


んーーーん、今さらながら、なにかと面倒なのが、結婚式なのか。

と、言いながら、

まだ、礼服ではない、何か楽なよい方法は他にないものかなどと、

不謹慎なことを思っていました。

こういうのを往生際が悪いって言うのですね。


んーーーーーーむ。姪っこのためだ、ピシっと行くか!

あ、いけねえ、その前に床屋に行かなくっちゃ。




最終更新日時 2010.10.26 17:11:27
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