G-SHOCK=スピード・モデル= に寄せて★G-shockのなかでも、価格、重量、防水性能、耐衝撃構造、多彩な機能、とバランスがよく、ゆえに使い勝手が良く実用性が高い「5600系」モデルはマイナーチェンジを繰り返し、もう20年ほど生産が続けられている。 映画「スピード」の中で主役のキアヌリーブズ(役名はジャック・トラベン)が着けていたことから、 「スピードモデル」と呼ばれているが、5600系が現在も支持を集めている理由はこの映画とは基本的に関係ない。 値段と性能の良さがその理由である。 12年も前の映画が(確かに名作ではあるし、キアヌリーブズは大スターだが)今の若者達に影響を与える余地はあまりない。 96年の6月にこのスピードモデルの復刻版が出た。(型番はDW-5600E-1、DW-5600E-1V。最後にVが付いている方が、海外版。) この復刻版は驚くべきことに2006年現在でも、楽天等、通販で難なく購入できる。 この息の長さを見ても、支持層の厚さが伺える。 売れ方は、演歌の売れ方のように細く長い。(笑) 「スピードモデル」とは何を指すか。 ★オリジナル版と復刻版に違いはある。 まずはデザイン。 もうひとつは、裏蓋がオリジナル版はスクリューバック、復刻版の方がネジ止め式だということ。 さらにひとつは、ライトが、豆電球とELバックライトだということ。 他にもあるかもしれない。 とにかく<違う>ということだけは間違いない。 通販サイトの中には、あたかも「こちらが本物の復刻版だ」と読めるような書き方をして購入を促しているショップもあるが、 復刻版はあくまで復刻版であり、本物ではない。デザインさえ見れば一目瞭然だ。 ならば、5600系のどれを買っても、何色を買っても、復刻版と同じく<スピード「モデル」>であり「同系列のもの」「似て非なるもの」に過ぎないということを承知しておかなければならない。 このように「DW-5600E」(=似て非なるもの)がスピードモデルであるならば、5600系でありさえすれば何でも「スピードモデル」と呼ぶことは論理的に可能なのである。 だが世の中では一応「DW-5600E-1/1V」が後継機種であるという理由で、それだけが「スピードモデル」と呼ばれている。 繰り返しになるが「本物」は同一品番(DW-5600C-1V)だけである。 それを入手するには「DW-5600C-1V」を生産再開してもらわなければならない。 もちろん性能も当時のものまでグレードダウンしなければならない。 となれば「生産再開」はCASIOにとってあまりにも非現実的な選択だ。 だからそんなことはあり得ない。 入手は原則として不可能だと認識しておいた方が良い。 「真性キアヌリーブズ」モデルのGショックはもはや、オークション等の個人間売買でしか入手する道はないのである。 だが、そもそも、5600Cは映画のために開発されたわけではない。 他のGショック同様、進化を遂げていくことが正しい道というものだろう。 そして5600系もその道を歩いている。 ▼レビュー▼ 僕は楽天で5600系の電波ソーラーGショック(GW-5600-1V)を購入した一人だが、とても使いやすい。 正確、丈夫、軽い、は他のGショックとも通じる点だが、この四角いケースは腕の形に添っているせいか つけていてストレスが少ない。 手首を反らせたときも手の甲に圧迫感がない。 このGW-5600機種は、電波を受信している最中に受信状態が3段階のインジケーターでチェックできる点で良い。 部屋の中で電波がよく受け取れる場所と向きを調べることが可能だ。 都会に住んでいる人だと、周りがコンクリートの高い建物だらけだから 受信不能のときにそのコンクリートが原因だと即断しがちだが、 それは少し待った方がいいと思う。 携帯ラジオを点けるときを思い出していただければ分かると思うが、 電波が受信できる場所と向きは同じ部屋の中でもかなり違うものだ。 電波時計も電波を受信するわけだから要領は同じ。 ちょっとした角度と時間帯によって受信できたりできなかったりする微妙なものなのだ。 そこで、受信状態が受信の最中にチェックできるこいつは<ポイント探し>に重宝することとなる。 5600の話から脱線するが、アナログタイプだとこうはいかない。 ちゃんと受信できているかどうかは受信が終了したときにあらためてチェックしてみる以外方法がない。 つまり部屋の中でどこが受信ポイントとしてよい場所なのかは盲目的に探さなければならない、ということになる。 しかも、自動受信(たいてい夜中の12時から朝5時)機能をオフにすることができないので、 日本と韓国(韓国とは時差がない)以外には連れて行きにくい。 もし時差のある国、例えば、上海か台湾あたりにこのアナログ電波時計を持って行き、 自動受信機能のおかげで毎晩日本の時刻を<不幸にも>勝手に受信したとしたならば、 あなたは毎朝起きるたびにそれを「手動で」直さなければならないことになる。 両国への日本からの地理的距離を考えれば現実に十分起こり得る事態だ。 さらには、その「手動時刻合わせ」は従来のアナログ時計のように竜頭を引っ張り出してクルクル・・ というわけにはいかないからなお厄介だ。 その作業の面倒くささたるや、思わずその時計を廃棄したくなるほどである。 (くわしくは書かない。とにかくめちゃくちゃ面倒。) デジタルなら自動受信機能は簡単に解除できるからそんな心配もない。 クウォーツ精度だし、手動の時刻合わせも従来どおり・・ と誰でも海外で使える。 GW-5600J-1JFの良くない点 それは、日付と曜日が一覧表示ではないことである。 使い始めるまで気がつかなかったことだが(マヌケな話だ)、左上のボタンを押すと曜日から 日付け、日付けから曜日へと表示が替わる仕様になっている。 これはズバリ不便だ。 曜日と日付けは一括表示が望ましい。 ・・というより、なぜわざわざ分割表示にしたのか理解に苦しむ。 手持ちのその他のG-shockは一覧表示になっている。 これは、次のモデルで一覧表示にして、同じ人間にもう一個買わせよう、 というセコいプランでも立てたということなのか? (小出し→じらす→渇望感→新製品発売!→思わず購入)みたいな。 ***(追記)2010年までに、本当に↑の予想が次々と当たることとなった。 <電波+タフソーラー>モデルで日付け表示にそのような難はないモデルが多数発売されているし、値段も若干下がっている。(以上、追記 2010年4月)*** 最近は、電波時計なんて、壁掛け時計か、置時計にひとつあれば十分ではないか、と思うようになってきた。 それ(=マスタークロック)を睨みながら、何ヶ月かに一度時刻合わせをすれば別段不自由はないし、 電波の受信状態に気を使わなくても済む。 <ソーラーバッテリーだが電波時計ではない>という機種も5600系にはあるので、今の僕ならむしろそっちを 人には勧めたいと思う。 ( ↑↑アラームモードなのに、なぜか時刻を表示している謎・・・。 これは、例えば撮影中、照度の調整をしているうちに時間が過ぎてしまうとそこでまた時計をいじらなくてはならなくなるので、 その面倒を避けるため、常に8時5分を表示させておこうというアイディアかと思われる。 確かに何時なのかに気を取られ、誰もモード表示までは見ないだろう。 だが、だとするといかにも大雑把だ。 アメリカらしいと言えばそれまでだが・・・。) ▼映画スピード▼ 映画「スピード」は歴史に残る傑作で興行的にも大ヒットを飛ばした。 カメラワークがすばらしく、各シーンのプロットも綿密に計算して組み立てられていて何度見ても飽きない。 黒澤明が原案を書いた「暴走機関車」(ハリウッド映画)に着想を得た、と脚本家のグレアム・ヨストは明かしているが、当の「暴走機関車」の方は人間の心理の‘暴走’が主題である。 「スピード」は物が主役、「暴走機関車」は人が主役、というわけだ。 「スピード」にはエレベーター、バス、そして地下鉄と「人を運ぶ道具」を主体にして、どろどろした人間関係は意図的に描かれていないから観客はスリルに集中できる。 ▼「13」にまつわるエピソード▼ 実際の撮影ではバスが高速道路の未接合部分を飛び越えるシーンのためにバスを2台オシャカにしたらしい。(ついでにカメラ機材も壊した) 一度目は着地に失敗して、ジャンプのシーンの撮影のためだけに調達されたバスが使い物にならなくなったから、もう一台調達せざるを得なくなった。 予定外のことだ。 映画では、未接合部分に入ったとたん、バスの先端が反重力装置でも付いているかのように、ふわりと空中に浮く場面を不自然だと思った人もたくさんいたはずだ。 あれは2度目の撮影の際、バスをなるべく遠くに飛ばすためにつけたバネ付きのジャンプ台が、バスの腹を反動で叩き上げたために起きた現象である。 これまた計算外のことだったらしい。 一度目の撮影はは完全に失敗したが、2度目もこのように完璧とは言えなかった。 予算があれば、きっと3度目の撮影が行われていたことだろう。 だが、予算がなかった(日本円で約30億円)ためこれ以上新たなバスを買えなかった。 そもそも、バスは一台しか使用しない予定だったわけだが2台目の調達は、「要請却下」が怖かったから上層部には内緒で調達したという事情がある。(大胆な人たちだ・・) よって、仕方なくそのまま2度目のカットを使用したというのが裏話である。 撮影が一応成功した2台目のバスでさえも着地の時グチャグチャになり乗り物としては使い物にならなくなり、廃棄処分の結末を迎えた。 つまり、現実にはあのようにバスがジャンプする、などという芸当はできない、ということなのである。 ちなみに、バスは全部で13台使用している。(当初の予定では12台) 使用したバスが13台というのは、結果的にそれだけ使ったということだが、この13という数字はこの映画の中でキーになっている。 まず、最初にエレベーターに閉じ込められた人の数が13人。 バスの乗客が13人。ただし、運転手と、警官役のキアヌリーブズを入れると15人になるが。 そして最後の地下鉄は車体番号が’13’。(地上に飛び出した車両が横転するときに確認できる) 使用されたバスの数までも13だった、という偶然。そして映画の大ヒットという結果を見ると、どうやら13がこの映画にとってのラッキーナンバーだったとも言えそうだ。▼▼ ともあれ、主演のキアヌ・リーブズとヒロイン役のサンドラ・ブロックがこの映画をきっかけにスターダムに駆け上がったことは有名だが、3年後の続編「スピード2」にはキアヌ・リーブズは出演しておらず、作品自体も散々な出来で、興行成績は悲惨きわまりないものだった。 (スピード2でもGショックは使われている。DW-8700だが、作品自体の出来が悪いこと、アニー(サンドラブロック)の恋人役がイマイチ冴えない俳優だったことと、当該Gショックが分化モデルであることなどが災いしてあまり話題にならなかったらしい。確かに今でもあまり売られていない。) 歴史的大赤字だった「スピード2」のさらなる続編製作など20世紀フォックス社は夢にも思っていまい。 だからこそなおさら、一作品しかない「キアヌリーブズ着用の・・」はプレミア価格になるわけだが、 上に述べたとおり、5600系の良さは同映画の中で使われていたかどうかとは基本的に関係がない。 四角いGショックの基本形にして完成形なのが5600系 。だから、今も支持が多い。―というのが正しい解釈だろうと思う。 余談になるが、このふたりは2006年全国で上映された「イルマーレ」(原題=The Lakeside House)という 韓流映画のリメイク版で、かの「スピード」以来の共演を果たした。 こちらはラブストーリー。 実は映画を見てきた。 最後の10分間は涙を禁じえなかった。 あれは原作が優れている。興味のある人はそちらもどうぞ。(*現在はDVDで鑑賞できる。) (2006年10月6日 / 2010年4月21日加筆。) [-楽天内-ショッピング用] -5600系 特化型リンク- エネルギー源別
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