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カテゴリ:2007年07月読書
[1] 読書日記
<そうだ。僕は君のすぐそばにいる。 わずか80mしか離れていない場所で、いつも君を見つめている。 時にはベッドの下で君に寄り添っている> プロローグを読み終わるまで、タイトルを「アンダー・ユア・ヘッド(頭)」だと思い 込んでいた、 大石圭 「アンダー・ユア・ベッド」(角川ホラー文庫) を読了。 江戸川乱歩の「陰獣」であり「人間椅子」的登場人物が主人公の恋愛小説。 ホラーではない。 翻訳ミステリテイストのサスペンス。 <瞬間、僕は愕然とした。 キュートでファッショナブルでチャーミングだった彼女は、 人生に疲れ切った年齢不詳の女へと姿を変えていたのだ。 最初は人違いかと思った。 その女はどう見ても、あの佐々木千尋には思えなかった。 だが人違いではなかった。 彼女はまだ28歳だったはずなのに、 その横顔はもう40歳と言ってもいいほどに見えた> <千尋を健太郎から奪い、自分のものにする――そんな大それたことは考えていない。 僕のような男にそんな資格はない。 ただ……僕は、彼女に恩返しがしたいだけだ。 僕に幸せを教えてくれたことの恩返し。 そして、もしできることなら、もう1度だけ向かい合って熱いコーヒーを飲みたい。 僕の願いは、ただそれだけだ> 妻を奴隷のようにして扱うサディストの健太郎。 世間体を気にして、健太郎からの暴力に耐え甘んじる千尋。 千尋とのたった一度したお茶が、人生で唯一の幸福な瞬間だったと考える主人公の三角関 係を、スケッチ風に三人の交互の視点で描かれている作品。 登場人物の造型が良い。新鮮。 紋きり型でも、類型的でもないのに、現実にはゴロゴロいそう。 そして実際にこの作品に出てくるような生活してて、この作品の中のような事件を起こし ていそう。 個人的には、 <僕はサラブレッドの繁殖をするブリーダーのように、 彼らの家系図を作って慎重に血統を管理しながら、 ネオン・グッピーの繁殖を続けている。 今、店の水槽で泳いでいるネオン・グッピーは、 21年前に横浜のデパートで母に買ってもらった魚の32代目と33代目、 そして34代目にあたる子孫たちだ> という箇所に激しく惹かれる。 何か新しく趣味を始めるなら熱帯魚! そして、この作品の主人公同様に家系図を作って血統管理をしたい!と。 空間のみならず時間も生命も支配できる箱庭世界を堪能できるではないか、とハッとさせ られる。 ダビスタの到着先が、血統馬券だけではあまりに寂しい。むしろこれでしょう。なんて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年07月25日 05時29分46秒
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