「若竹弐号店」はJR桜木町駅を背にして野毛小路を歩き、柳通りを左に折れてすぐ右手の路地にある焼鳥屋。連休最終日の月曜日とあって街は静かで、さてどこへ行こうと歩いていたら灯りが見えた。縄暖簾をくぐり横引きの扉を開けると小ざっぱりとした店内。カウンター10席ほどとテーブル席が1席。焦茶色のカウンターは酒とつまみが乗る程度の幅で、丸椅子が並んでいる様はどこか懐かしい。ショーケースが見られるようにカウンターの中央に座り、まずは生ビールをグラスで頂く。ビールはプレミアムモルツ。お通しは大根おろしにウズラの玉子。メニューは手羽¥350、みち(ホルモン)・ハツ・首肉・銀杏がそれぞれ¥200、軟骨とみさきが¥180、食道と皮が¥150、白レバー(限定)¥230、鳥もつ煮込み¥400、お新香¥400。せっかくなので限定の白レバーと銀杏を頂くことにする。パタパタと炭をおこす団扇の音が響く。ビールからレモンサワーに切り替える。金宮焼酎にトーインのレモン。白レバーは柔らかく口の中でふわりと溶ける。銀杏はまさにいい塩梅。最後は柚子たっぷりの鳥スープで芯まで温まった。締めて¥1580也。
「安兵衛」は野毛本通りにある焼鳥屋。古民家風の造りで落ち着いた雰囲気だ。横引きの扉を開けるとすぐ左手がカウンターに向かいあう形での厨房。フロアには2人掛けのテーブル席が2席と4人掛けのテーブル席が1席。小上がりには2席あり、見上げると液晶テレビの脇に神棚がある。天井の業務用のエアコンに取り付けられた特注らしきファンが静かに回転している。カウンターに座りまずは生ビール\590。仕込みの終わったじゃがいもとつくねが目の前にある。バックカウンターの中の器はシンプルだが整然と並んでいる。お通しはキャベツ、人参、大根、胡瓜の浅漬け。手早く出せるのは牛もつの煮込み\490だと言われたが、肉の味をみたくて鳥刺し\480を頂くことにした。大葉に玉葱のスライスが添えられている。日本酒は梅錦を選んだのだが残念ながら常温がなく、賀茂泉にした。隣にお客さんが来て焼き物を頼み、暫くするとはぜる音が耳に心地よく響き始めた。賀茂泉が開き始めて香りを増すと鳥刺しの肉の甘味も増すように感じられる。日本シリーズの成り行きに後ろ髪引かれながら、お店を後にした。締めて\1720也。
笑好 | [ 野毛周辺 ] |
阪東橋の交差点を過ぎて顔を上げると「笑好」の明かりが灯っていた。私がまだ関内に勤めていた頃に鎌倉街道を歩いていて見つけたお店だ。壁が少し剥がれて落ちているような古い建物が実に私好みだった。入口が街道に面しておらず路地側にあるのも奥ゆかしい感じだ。お店は2階。階段は幅が狭く急で、途中からカウンターに座るお客さんの足が見えてくる。今ではすっかり慣れたものだが、初めてお店に入る時には緊張したものだ。えいやと扉を開けたら女将さんの笑顔。聞けば開店から11年だという。時の経つのは早い。カウンターに座り、まずは生ビール。最初に出てきたのはほうれん草の胡桃味噌和え。胡桃味噌は頂いた胡桃を炒って擦り、味噌、醤油、砂糖を加えた自家製。酒の進む味だ。続いて御坊の豚肉巻きとインゲンと蒟蒻の煮物。やわらかな甘さは与論の砂糖によるものだという。威勢よく酒屋さんが来ると、食べて行きなと蕎麦を振る舞う女将さん。大事にするのはお客さんだけではない。日本酒に切り替えて蛸の刺身とタラコを頂く。さらにいい鮪が入ったからと鉄火巻きとカッパ巻きを出して下さった。私の大好物だ。そして酒屋さんも食べた蕎麦で〆。今夜も満腹満足。
今度こそオリオン座流星群を見ようと深夜蒔田公園へと向かった。オリオン座流星群は毎年10月19日から23日の間に東の空で見られる。母天体はハレー彗星。速度が速いため明るい流星が多くみられるという。2006年に活動が活発化して1時間に50個以上も観察できるようになったというのにこれまで挫折を繰り返し、一度も見たことがなかった。。活発化は2010年までというから正に今がチャンス。次に活動が活発化するのは70年後。もう見ることは出来ないだろう。今夜は満天の星。絶好の観測日和だ。本当は草の上に寝転んで見たかったが、さすがに危険だと断念。自販機で買ったあたたかい珈琲を手に夜空を見上げる。空気は澄んで冷たい。しばらくいると足元が冷えてきた。仕方なく家に戻り、さらに一枚羽織って自宅のベランダに出てオリオン座を探す。キラリ。流れた。まさか家で見られるとは思わなかった。あわてて願い事をする。オリオン座が西の空へ沈む夜明けまで、流星群はほぼ一晩中観測出来る。ぜひこの機会に皆さんも夜空を見上げて欲しい。
大井埠頭から鶴見までウォーキングをした日、多摩川を越えると川崎競馬場が見えた。野毛ならばJRAの周辺に軒を連ねる様々なお店で賑わうところだが、新聞を広げて立ち飲みをしている男性達のいる場所はコンビニ。野毛とは対照的な光景だと思いながらその背中の後ろを通りすぎた。その川崎競馬場でファン感謝デーがあると聞いて、ふらふら出かけてみることにした。空は澄みわたっている。京急川崎駅から多摩川を目指して歩く。家族連れがぞろぞろと同じ方向に向かって行く。会場に入ると普段なら観客の入るスタンドは閉鎖されていて、グラウンドを開放しているのが見える。何処からわいてきたのかというぐらいの人。地下道を通ってグラウンドに出ると青空の広がりを感じる。まずは屋台でビールを買い、メインステージで行われていた猿まわしを見る。芝生が気持ちいい。走り回る子供達の姿に心が和む。その後、引退した競走馬によるレースや狩人の加藤高道さんによる歌謡ショー、サンバショーなどを楽しみ、最後は仮面ライダーディケイドのショーまで観てしまった。青空の下、のんびり過ごした日曜日の午後である。
若葉町のジャック&べティが気になって仕方がない。時折野毛の「Movie Star」で貼り替えられるポスターと上映スケジュールを眺める。充実したラインアップと盛りだくさんのイベント。向かいにあった横浜日劇がなくなったことで横浜で唯一の名画座シネマとなったジャック&べティの活躍はめざましい。これはという作品を上映することに終始するのではなく、様々な企画を地元を巻き込みながら形にしていく中でしっかり地域に根付いて来た。近所のパン屋さんのパンが劇場で食べられたり、入場券の半券でやはり近所にあるカフェでグッズがもらえたりといったお楽しみがあるのは、スタッフの努力の賜物だ。私が今日観た作品はイタリアアカデミー賞10部門を独占した「湖のほとりで」。明日(17日)、明後日(18日)は「スローフード・オン・フィルム2009」という映画祭が開催される。取り上げられる作品は「かもめ食堂」などスローフードの理念に合致した作品。11月に入ると野毛を舞台とした映画「俺にさわるな」が上映される予定で、こちらも興味津々。ジャック&べティは何かやってくれそうだ、そんな期待を持ってこれから
も見守っていきたい。
川崎の東扇島東公園の特設会場で京浜ロックフェスティバルが開催された。天気は上々。風が爽やかで野外ライブ日和だ。特設会場の手前のグラウンドでは、野球やサッカーを楽しむ親子連れや少年達の姿があった。ゲート前で缶ビールを開ける。コンビニで買ったおつまみを手に開場待ち。時間になって前進すると手荷物検査。飲食物は持ち込み禁止。一旦ゲートから外に出てベンチでにわかに酒盛り。そして再びゲートイン。見渡せば京浜工業地帯の見慣れた風景。飛行機が時折空を横切る。フェスティバルは緩やかに始まった。スカンク兄弟、KAZZ、グッドラックヘイワ、そして細野晴臣が登場すると気持ちは学生時代に逆戻り。内田勘太郎の後、天王町から来たというオレンジ・カウンティ・ブラザースの演奏途中、何故か野毛からの参加という越地姉妹なる女装のボーカルユニットとのコラボに発展。不思議な縁だ。東京ローカル・ホンクバンドの演奏が始まる頃には陽が傾き、急速に寒くなって来た。長丁場で最後のあがた森魚バンドまで持ちこたえることが出来ずに引き上げることにしたが、一日ゆっくり音楽を楽しんだ。帰りは星を見ながら臨港バスの揺れに身を預けた。
曇り空を見上げながら尾張一宮駅から岐阜駅へ向かう。昨夜勧められた金華山に登ってみようと思った。岐阜駅から長良川を目指して歩く。鵜飼いで有名なこの川の川沿いにかつての材木屋街がある。街並みが大変美しく歩くのが気持ちいい。途中、手湯があり両手を浸してみた。川を離れ岐阜公園から金華山に向かう。山頂まではロープウェイで上がる方法と登山道を上がる方法がある。私は登山道を選び、健脚用と但し書きのある馬の背登山道という急峻なコースを登った。岩肌が剥き出しになった場所が多く、難儀なコースだった。トレッキングシューズが大活躍だ。息を切らしながらもなんとか山頂へ。頂上で眼下に広がる景色を楽しんだ。山を下り、店の佇まいに惚れた「井桁屋」で親子丼のランチ。体を動かした後のご飯は美味しい。ホテルにチェックインし、すっかり気に入ってしまったドテ煮を食べに「水谷」へ。ビール、ドテ煮、キモ焼き、しいたけ、ししとうを堪能。小料理屋「ざっぶん」で鯨波の純米。続いて初緑の特別純米。天領飛切り純米吟醸と飲み進む。刺身盛と銀杏を頂いて、最後に三千盛で〆た。
前日の夜から降りだした雨は深夜に豪雨となり、朝まで激しい雨の音でほとんど眠れなかった。どしゃ降りからは解放されたもののわずかに雨が残る。朝ご飯は「ひろ吉」のご主人お手製のお稲荷さん。昨夜宿に帰る時にわざわざ持たせて下さったものだ。特急ワイドビュー南紀にて名古屋を目指すつもりが、雨の影響で名古屋−新宮間の運転を見合わせるという。チケットを急遽新大阪経由に変更。勝浦で最後の昼食をとる余裕がなくなってしまった。08:53発特急スーパーくろしお12号に乗ることになり、はからずも紀伊半島を一周することになった。新大阪から新幹線で名古屋へ向かい、名古屋から尾張一宮へ。一旦ホテルへチェックインし、再びJRに乗り岐阜へと向かった。この町で働く友に再会。どて煮の美味しいお店へ連れて行ってもらう。女将さんがニコニコしながら迎え入れて下さった。店は賑やかで外にもテーブルを出すほど。様々な声が飛び交う中、ドテ煮やキモ焼きなどを堪能。落ち着いた和食居酒屋に店をかえ、鮎の塩焼き、銀杏をつまみにお互いの近況を語り合い杯を重ねた。嬉しい酒だ。
昨日同様06:45の始発バスで那智山を目指す。今日は最初から神社お寺前で降り、昨日とは逆のルートで滝前から滝道を上がって那智大社、青岸渡寺へ。那智高原を目指すも雲行きが怪しくなって来たため断念。熊野古道を下り、大門坂から古道に入る。この古道はバス通りの一本山側にあり、住宅地の中を抜ける。町は静かだ。井関のバス停からバス通りに戻って歩き始めるとぽつぽつ雨が。川関で本降りになって来たので一旦雨宿り。10分ほどの通り雨だった。山に雲が集まり始めている。これから山に入る人は災難だ。逆に海側は一気に晴れてきた。勝浦まで歩いて戻り、土日のみに行われているという漁港の朝市を見学。生ビールと鮪中落ち串焼きを頂く。「鮪乃湯」に一緒に浸かることになった老人が戦争体験を語って下さった。鮮魚店「木下商店」でランチ。デンヤという地魚の刺身が作れるというので、それを頂くことにする。こりこりした食感だが甘味が強く美味。続いて日本酒、太平洋を冷やで頂く。14:16発串本行き電車に乗る。串本は風が強く、海は荒れていた。宿に帰って再びの「ひろ吉」。お通しはトコブシ。生ビールからスタート。鯨の赤身と皮の盛り
合わせを頂くと鹿の子をサービスして下さった。日本酒にかえハモ梅肉、かつお塩辛で飲み進み、茶碗蒸しで〆。おみやげにお稲荷さんを持たせて下さる。心遣いが嬉しい。
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