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ゴーヤ泡盛の野毛日記

ゴーヤ泡盛の野毛日記

大黒屋

無性に鰻が食べたくなり、
野毛小路の「大黒屋」へ向かう(本店は野毛小路)。
茶色の暖簾を押して、横引きの扉を開けようとすると、
予想に反して自動ドアで、右手が空を切ってしまった。
カウンター10席、テーブル席1席、さらに小上がりがありに4卓。
カウンターの中央に座るとうな重¥1470を注文。
右手には一升瓶。一の蔵、剣菱、真澄、司牡丹。
焼酎は黒霧島、鬼火、龍雲、閻魔と並ぶ。
左手にはショーケース。
見上げれば短冊型のメニューがずらり。
竹で丸く編まれた電球の笠から洩れる光が優しく影を作っている。
ほうじ茶を飲みながらぼうっとしているのが手持ち無沙汰に見えたのか、
フロアの女性がスポーツ新聞を寄越した。
団扇を叩く音と立ち込める煙に食欲をそそられる。
最初に出てきたのは沢庵と漬物。
ついつい箸が伸びてしまう。
そして重箱の登場。
黙々と食べ始めると少し遅れておおぶりの椀が来た。
蜆汁だ。完食満足。

(2005.12.4)


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