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カテゴリ:映画
アカデミー賞の前に見ておかないとますます鮮度が落ちますからね。 お楽しみはなんといっても必ず誰かすばらしいスピーチがあるはずだからというところ、誰が受賞するかよりも、実はその点だけなんですね。今回はまずメリル・ストリープでした。 なにしろマジック・メリルと謳われた芸達者、ほんのお買い物ついでに授賞式に参りました、というぐらい授賞慣れしているはずなのに、嬉しがり方が尋常では無かったですし、その初々しさの見せ方の割に、ご貫禄の落ち着きぶりもあって、その巧さに改めてホレボレでございました。 しかし今回の白眉は、アカデミー名誉賞にあたるセシル・B・デミル賞を受けたウォーレン・ベイティ(この記述もビューティ、ベイティさまざまあって検索のときホントに困る!)、そしてそのプレゼンターであるトム・ハンクス、このふたりのスピーチは大いに見ものでありました。 まずトム・ハンクスがウォーレン・ベイティの映画人生をやっかみ混じりに辿り、いよいよそのプレイボーイぶりを会場に向かって「(関係した)女性、手を上げて!」と数え上げます。もちろん手など誰も上げませんが指折り数え上げていくんですね。それを終えてこんどは「次はGUY!」とやったもんですから満場大爆笑。 これもトム・ハンクス自身が授賞歴豊富だから大いなるやっかみがさらにゆとりを持って効いてくるわけです。 その散々のやっかみスピーチの後を受けたウォーレン・ベイティがさらにそのやっかみのレールに乗り、同世代のダスティン・ホフマン、クリント・イーストウッド、ジャック・ニコルソン(ダスティン・ホフマンとジャックニコルソンは同年<'37>生まれ)がいまなお現役で活躍している姿をやっかみ、そのニュースを聞くたび、気が気ではないとやるわけです。 なにしろあれこれ浮名の連続、ようやくの初婚がアネット・ベニングとの55歳時、そのあとは意外やしっかり家庭人として定着し、そのスピーチの前から微笑の絶えない夫妻同席のフォーカスもあるわけですから、羨ましいようなものです。 しかもそんなベイティが先頃同時に2本も監督作(ベイティは監督作4本)を仕上げてしまったイーストウッドに、「どうしてそんなことが出来るんだ」と怒って見せたり、傑作は、歳を加えても出演作が少しも減らないニコルソンに「俺は居ても立ってもいられない、俺をディパーテッド(葬る)つもりか!」と言って見せたくだりでした。 もちろんこれはニコルソンの新作「ディパーテッド」に引っ掛けたもの謂いなわけですが、まあ大爆笑、見事なものでした。 最後には次なる未来を期待できる新人でありたいと、ベニングに向かってのラブコール、舌を巻くばかりでしたね。 ホンに役者やなあ、と感嘆新たな一夕でありました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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