
ワンコインDVDで買えるものを繰り返し放映してもらってもありがたみはないが、劇場未公開作品の放映はよくぞ!の感激。まだ存分に美女時代のカトリーヌ・ドヌーヴにジーン・ハックマン、マックス・フォン・シドウ、作品は少ないがいずれも水準を保つディック・リチャーズ監督作の「
外人部隊フォスター少佐の栄光」('77)が面白い。
外人部隊という響きだけでロマンの匂いも感じるのは映画の見過ぎか、実際の外人部隊は犯罪者あるいは犯罪スレスレあるいは世捨て人の寄せ集め、集める側も危険に合ったところで自国人ではないとタカもくくる悲惨な状況、その指揮官を演じるジーン・ハックマンがその状況を踏まえつつも反骨と矜持を失わず戦死するまでをフランス側の施策として向かう考古学者(フォン・シドウ)や隊員との対峙を通して描いている。
アラブ人指導者とも意を通じながらその国力をあげての襲撃に全滅に近い終幕の砂漠の戦闘はことに見どころであろう。波上の砂漠に隠れて見えない次々と砂上の陽炎のようの現れ来るアラブ部隊の映像はなかなかのもの、反発していた隊員が隊長の後釜となるのを暗示して終わる。ドヌーヴの扮するピカール夫人はいかにも映画のための彩りではあろうが、それなりの存在感、美貌はこの時34歳、これも見どころではあろう。
外人部隊そのものの概念が身近にない日本からみると国家間の政策の犠牲の産物としてのそれがここに在るという感じで、フランスとしてはあまり肯定したくない見地の作品でもあるが、製作国はイギリス、主演俳優は米仏伊瑞とまたがるのも意味深ではある。
ある意味公開を見合わせたのは、よそ事としてのモロッコ紛争、長びくアラブ問題、触らぬ神に祟りなしと見えなくもない。
「男の出発(たびだち)」('72)という西部劇でスタートしたディック・リチャーズ、外人部隊の砦も騎兵隊の砦と変わらぬように見えるが、これも考証どおりなのかもしれぬが、まあご愛嬌。映画ファンには小道具のイヤリングが変転していくさまこそが面白いけれどね。
Copyright (C) 2009 Ryo Izaki,All rights reserved