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生と性を演じて体現する社会のひず… (映画・TV)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
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May 6, 2009 楽天プロフィール Add to Google XML

生と性を演じて体現する社会のひずみ!
[ 映画 ]    

全編見事なほど凛とした硬質の画面で、同じナチスを背景としたドイツ映画「善き人のためのソナタ」(2006)と好一対の名品が「題名のない子守歌」(2007)。
これがイタリア映画と思えないほど、堂々のドイツ映画の感触ではある。

ジュゼッペ・トルナトーレは「記憶の扉」('94)が好きだが、その系列に連なる秀作と言っていいだろう。あれこれ絶賛もしたい作品だが、ことにヒロインを演じるクセニア・ラパポルトがあまりにも見事に素晴らしい。
映画のキャッチコピーに『女は哀しみを食べて生きている』とあるが、哀しみなどということばでは洩れ過ぎ失われる、あまりに深く過酷な人生を体現した表現力である。

12年間に9回妊娠させられ、その子たちは堕胎も死産もあるかもしれぬが生存もあって行方知らず、その子を探すと以上にナチスの傀儡からつけ狙われていると思しきいま、逃げず屈服せず耐えに耐える人生の拮抗が凄絶を極める。
ただ、苦難というだけではない。その境涯によって屑折れても不思議でないその性格さえおのれの生を守るために、バランスにひずみを生じている、そんな女の圧倒されるようなギリギリの存在を示して余すところがない。

ロシア出身の女優というが、素晴らしい実力というべきだろう。もちろん周囲の役者陣のバランスも見事なものだが、クセニア・ラパポルト(覚えにくい名だが)「善き人のためのソナタ」のマルチナ・ゲデックとこれも好一対の、ナチスものというジャンルを想定してアンソロジーを組めば、必ず拾いたい仕上がりの最大の要因であることは言うを待たないだろう。
トルナトーレとしても最高作に位置づけたい、緊迫の、シニカルにして莞爾たる2時間ではある。
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Last updated  May 6, 2009 12:58:45 PM
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