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テーマ:お勧めの本(7214)
カテゴリ:今日読み終えた本
題名:「割り箸はもったいない?」 編者:田中淳夫 発行:ちくま新書 頁数:203 読みやすさ:4/5 おすすめ度:4/5 私も常々“うさんくさい”と思っていたマイ箸運動ですが、実態がわから ないので適切な反論もできず、環境問題への取り組みの一つとして、あ る意味「しょうがない・・」と感じていた問題なので、とても興味深く読むこ とができました。 本書では、割り箸の生い立ちから製法、そして割り箸が置かれている 現状や社会的な背景、さらに箸文化から日本の林業の将来まで、幅広 い視野に立って割り箸の意義を論じています。 今、割り箸生産のほとんどは中国に依存しています。だからといってそ のことが中国の森林破壊に直結していることなどありえないという事実 や、まして熱帯雨林の破壊など割り箸にとっては無実の罪を着せられた ようなものであることがよくわかります。 割り箸文化は日本人にとって、けじめの心、清潔の心、そして何より “もったいない”の精神から生まれた、環境への配慮という点で非常に優 れた文化といえます。 森林破壊を問題にするならば、建築材料などもっと違う視点に立たな ければ意味がありません。割り箸を悪役に仕立てるのは簡単ですが、 どうしても“弱いものイジメ”に見えてしかたありません。 マイ箸運動を全面否定するつもりはありませんが、他人に強制したり、 それを見せびらかしたりする人は私としては信用できません。ひっそりと やっていただきたいものです。 それをしているからといって「私は森林破壊に手を染めていません」と 言わんばかりの態度はとても感じ悪いです。ましてや汚れたマイ箸をティ ッシュで拭いたり、大量の水で洗ったりしているのかと思うと・・・ (マイ箸運動家の本もいずれ読んでみたいとは思うのですが・・) また、最後の方では日本の林業の行く末について、世界の林業との違 いの中から、割り箸利用もさることながら、間伐材の利用など積極的な 国産材の利用を探ることの重要性を説いてあります。 割り箸一膳から日本の林業や環境問題まで、いろいろと考えることが できる一冊といえるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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