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10/29 「二年目の決意」を掲載終了 本日を最後に楽天日記への書き込みを終了します。 いままでありがとうございました。 (C)2003 GameOn Co., Ltd. 利用している画像及びデータに関する知的財産権は、 株式会社ゲームオンに帰属します。 イベンター黙示録 [全537件]
隔離あたりの表に出てこない奴が、よく「テラキモスwww」と書いていたが、 オフ会では、キャラ名で呼び合うのが普通だった。 少人数で会う時もだいたいインゲームでの通り名で声をかける。 ところが、入院中に何度も会社帰りに寄ってくれて以来、 その友人は、周りにクロノスの仲間がいないと本名で私を呼ぶようになっていた。 役としてじゃなく、役者個人として対峙されるのは新鮮でもあったけれど、 彼自身も楽天日記やインゲームでは、役を全うしている存在だった。 役を演じられなくなって凹んだままの私に、 彼は自らの役を棄てて、素のままに心配をしていることを伝えてきた。 あぁ、みんな同じなんだ・・・ 場所には関係なく、自分が定めた役の中で、誰もが色んな苦悩を持っている。 彼と話すうちに、そんな当たり前のことにようやく気付かさせられた。 やめちゃえばいいんだ、演技なんか。 隠しに隠したものの中から、見つけてくれる人がいればいい。 結局は露出趣味を伴うマスターベーションと変わらなかったけれど、 元々、思いを誰かに伝えたい、誰かに私を判って欲しいと始めた日記だった。 色々なことがあったけれど、もう理由を失っているんだろう。 どんな言葉も、一度表に出したものには責任をとるべきと決めているから、 私はここを消そうとは思わない。でも、もう二度と日記は書かない。 そして、インゲームにおいても、もう役は演じない。 素のままで、ただまったりと空いた時間を過ごすだろう。 ちょうど友人の企画に呼応して作った「じみだらけ」キャラもいることだし・・・ 明日はどうなるかわからない。 だけど、不特定多数に向けてきた判じ物じみた私の言葉は、 今はたったひとりに、まっすぐに向けられている。 誰からもいい人でいようとするより、ずっと気楽で心地いい。 自動ドアと格闘しているヲリの横に寄り添って Green_eyes
もちろん、私はギルドもギルドの仲間たちも放置し、 無責任極まりないことに、何も真意を告げていないままだった。 思うところをきちんと話して、けりをつけるために、 クロノスに帰っていくべきとは判っていたが、どうにもそれが出来ない。 ところが、出張先で「白熊」につられて会った寝落ち王のマジシャンに誘われ、 数ヶ月ぶりにマジ・コロで沸き立つ大陸へと降り立つことになった。 久しぶりに言葉を交わしたギルメンも、ラピ3の旧友たちも、 インしなくなる前とまるで変わらずに、暖かい言葉をかけてくれる。 話したくないことがあることも、隠したまま抱えているものも丸呑みして、 それでも「おかえりなさい」と言ってくれる仲間が嬉しかった。 そして、何よりも申し訳なくて、居たたまれなかった。 私はMMOと言う、他者との関係性が全ての世界で、 八方美人的に生きる自分が嫌で、誰よりも許せなかったんだ。 人に嫌われたくない、いい人でいたい。 きれい事だけで渡っていこうとする。 いい人を演じる欺瞞に疲れちゃったし、もう「嫌なことは嫌」と言いたかった。 それを素直に出せないから、逃げていたんだ。 そんな最中だった。 色々なことに辟易としていた夏の終わり。 いつもカラオケや食事に付き合ってくれていた友人のひとりから、 妙に気になるメールが届いた。 今にして思えば、それがすべての転機になった。
兎にも角にも、クロノスで「もう見たくない」と思うものが多すぎた。 しかも、それらはほとんどがインゲーム以外の場所で知ったことばかりだった。 私の基本姿勢に当てはめれば、それでどんなに凹もうとも日記には書けない。 同時に何もかもぶちまけてしまおうかと思うほどに、憤りや落胆は大きく、 そこに「素のままに」日記を書くと言う、自らに課した枷が外れた状態が加わる。 幸いに、というのも変だが、度重なるオフ会参加のおかげで、 インゲームや楽天日記という場所以外に、友人とのアクセスルートは担保できていた。 以前、一撃必殺のギルマスが同じことをオフ会で言っていたが、 クロノスで出会った友人達と一緒ならどのゲームでも、どんな場所でも良かったのだ。 ごく限られた友人達と飲食を共にしたり、カラオケに出かけたり、 ゲームと日記を避けて、リアルの交流で日々を過ごすようになっていった。 同時に旧友が移籍していた他のMMOに初めて手を出してみた。 思いがけずにとんとん拍子で成長し、新しい仲間と出会い、 違う名前での、今までとはまったく違う生活が始まっていく。 新しい世界で親しくなった相手もまた、 装備の良し悪しとか強さにこだわらない支援役だった。 皮肉なもので、そこでは無名の存在でい続けようとしながらも、 新しい友人とそこでイベントを仕切ることになっていく。 どこにいても、やることは同じだし、妙に目立っていく私がいた。 病気で思い切り落ち込んでいた時期を支えてくれた旧友に、 いとも簡単に近づくほどに成長は早く、周りからは「廃神」と呼ばれる始末。 そして、何よりも、まったく意識しないままに、 旧友が最も嫌っていた対人戦最強の職と技能を選んでいたことにようやく気付く。 新しい世界での潮時は、本当にあっけなく訪れた。
どうにか仮面をつけ、インゲームでの役は演じきれたものの、 それをレポートする日記の中で、私はある失敗を犯す。 そしてそれを理由に浴びせられた罵倒。 死と向き合うかもしれない宣告を受け、動揺している最中に、 死んでしまえという罵りは、思いのほか堪えた。 自分自身の弱さが情けなく、定めたはずのものを踏むことができない。 役者が役に入れなくなったら、もう終わりだった。 覚悟を決める。 いわゆるチラシの裏に書くように、素のままの日記を私は綴り始めた。 ところが、これが両刃の剣だったのだ。 元来、私は恐ろしいまでに感情的でウェットだし、 10代には2年間に渡って引き篭ったほどに脆い。 社会に出てから身につけた硬い言い回しと理の鎧、 それで我が身を守ってきたとも言える。 一度綻びてしまった鎧は、覆い隠す力をもう失っていた。 何かを口にしようとすれば、鎧の間から何かがこぼれ落ちそうになる。 早期発見で癌を克服し、一旦は大陸に戻ったものの、もはや以前と同じ気持ちにはなれない。 諸々の抱えてきたものから離れて、私は癒しだけを探しはじめていた。
元々、私には持病があって、片目が半分見えてなかった。 キャラクターの名前自体、その病気のことを示していたので、 「碧眼」という通り名をいつしか与えられた時、面白いものだと思った。 奇妙な符牒であるかのように、片目を現す「隻眼」と韻を踏む通り名・・・ 一晩で完全に失明することもある病なのだが、 5年前にこれを患って以来、人生観が一変していた。 たった半日で左目の半分の視野を失っていたから、 この世のものはどんなにも儚いか、身を以って知る羽目になったとも言える。 明日には何もかも失うかもしれないということ。 明日が今日と同じだという保障などまるでないこと。 いま、目の前にあるものだけが確かなものだった。 そんな悟りきった気分に浸っていた私だったが、 その宣告を聞いた瞬間には、失うかもしれないものの大きさに戦慄した。 ちょうど三回忌を迎えていた親友を失ったのと同じ、癌の疑い。 淡々と大学病院への紹介状を書く医者の前で、私は呆然と座り込んでいた。 平静をいくら装おうとしても、頭の中がぐるぐると回る。 今夜はコエリスの友人が主催するイベントがあったのに・・・ 思えばその日を境に、私は「碧眼」と言う役の仮面を、 もうこの日記では被ることが出来なくなっていった。
話が随分とそれてしまったが、結果的にこの諍いが私のその後のスタンスを決定づけた。 戦史の中での私と大陸を歩いている私と、 そして、リアルで会っている時との明確な言動の区分け。 あるステージで話されたことはそのステージの中だけで終結すること。 日記のことは日記で、チャットのことはチャットで、 掲示板のことは掲示板で、オフ会のことはオフ会で。 どこかの一面だけしか知らない人に通じないことを書いてはいけない。 しかし、旧史であるパソコン通信時代、掲示板文化での基本とされていたことが、 誰でも接続できるインターネットでは、ブログ文化へと移行し、かなり崩れてきていた。 そんな環境の中だったからこそ、私は後に『言葉の篩』とも称された、 二重三重にもかけた判じ物の日記を書くようになっていく。 どのステージで私と見えた人であっても、 読み手側の裁量で通じるようになっていればいいとの思いだった。 以前、『魔術士の午後への前奏曲』で日記を始める前のことについては書いたが、 始めてからは、戦史を記す上でそんな基本線を置いてきたわけだ。 リアルのことや性別のことはオフ会やチャットで話すことはあっても、 日記や掲示板では出さないことを一義においてきていた。 そう・・・ 今年の春先、病を得て素のままの日記を書き始めた時までは・・・
彼の人はもともと私を男だと思っていた。 男だと思っていればこそ許してくれていたロール、彼の人に対する言動について、 たまたま私が女であることを知っている友人が気の毒に感じたらしい。 あんなに惚れ込んでいるのに、つれなくされて可哀想だ・・・ 友人はロールとして演じているものを真実と思い込み、彼の人にその事実を告げた。 そして、そこから「役者」と「役」の取り違え騒動がはじまっていく。 結果的に何度かの話し合いを経て、私たちは決別していった。 誰が悪いとか、正しいじゃない。 ネットという世界での歩き方の違いがさせたことだった。 ところが、ロールをフェイクと感じているかのように見えた彼の人が、 大陸での生き方を素のままで流していたのではないことに、ある時、私は気づく。 彼の人もロールの裏に、私がそうであるように色々な思いを持っていた。 もしも、まだこの拙文を見る機会があるのなら、連絡がつくのなら、 このことを聞いてみたいと思うことがある。 あれは近親憎悪だったんじゃないかね?・・・と |一覧| |
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