<プロフィール>
国立音楽大学声楽科卒業、同専攻科修了。
1971年「ホフマン物語」のホフマンで「インターナショナルな声」と注目を集め、
1972年「ラ・ボエーム」のロドルフォで「新しい時代の到来を感じさせる
テノールの出現・・・」と絶賛を浴びる。1975年文化庁派遣在外研修員と
して渡伊、マリア・カルボーネ女史、ジュゼッペ・パタネ氏(指揮者)に
師事。帰国後、二期会・藤原歌劇団・東京オペラプロデュース・新国立劇場
等のオペラ公演に於いて30演目以上を演じ、実力・人気共に日本のプリモテ
ノールとして活躍。「トスカ」のカヴァラドッシ、「シモン・ボッカネグラ」
のガブリエレ、「カルメン」のホセ、「リゴレット」のマントヴァ公爵など
が特に絶賛を博し、1988年第16回ジローオペラ賞を受賞。更に「トロヴァト
―レ」のマンリーコ、「トゥーランドット」のカラフの好演に、
1994年第22回ジローオペラ大賞を受賞。
海外公演にも多く招かれ、1996年のイタリア・サレルノ・ベルディ歌劇場
カルーソー記念テノールガラコンサートにおける招待演奏では、
インターナショルなテノール田口興輔のポジションを得た。
新国立劇場の1997年には、團伊久磨作曲「建」の任忍代別天皇を、1998年「ナブッコ」でイズマエ―レ、2000年「サロメ」でヘロデ、
2001年「リゴレット」でマントヴァ公爵を演じ、いずれも高い評価を得た。
また、ヴェルディ作曲「レクイエム」、モーツァルト作曲「レクイエム」、
べートーヴェン作曲「第九交響曲」、マーラー作曲「大地の歌」等の
ソリストとしても評価が高い。リサイタルも数多く、サントリーホール、
新宿文化センターをはじめ全国各地で行われ、紀尾井ホールでのデビゥー
35周年記念リサイタルでは、<ベルカントを駆使した艶のある官能的で
媚が無い歌唱(音楽評)>で日本オペラ界の重鎮としてふさわしい演奏を
披露した。最近では、国立音楽大学退官記念コンサートに於いて、衰えを
知らない声・天性のハイセンスな音楽性・高音保持にもみられる卓抜した
技術を披露し、田口メソードの正当性を証明した形で、田口興輔の更なる
現役を期待させ、確信させた。
また、指導者としての存在も大きく、<田口メソード>は多くの優秀な
オペラ歌手を世界に輩出する結果を生んでいる。国立音楽大学教授を退官後
もオペラの本場イタリアから「イタリアベルカントを教えられる数少ない
指導者」として招かれ、オペラ歌手の育成にあたっている。日本においても
東京・札幌・大阪・高松を拠点に後進の指導並びに、地方のオペラ制作に
おける音楽監督として地方芸術の振興に貢献している。
元国立音楽大学教授、二期会会員、日伊音楽協会理事、TeatroTAGUCHI主宰、イタリアIsmaele Voltolini国際声楽コンクール審査委員。
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