今年は谷崎イヤーなんですね。
谷崎のムックを今日、本屋さんで見かけたので買ってきました。なかなか読みごたえがありそうです。 今年は没後50周年ということで、新たに発見された妻松子との手紙が出版されましたし、新全集の刊行も始まり賑やかな年になりそうです。 【送料無料選択可!】谷崎潤一郎 没後五十年、文学の奇蹟 (KAWADE夢ムック)[本/雑誌] / 河出書房新社 新全集は谷崎研究の大家の千葉俊二(たしか綿谷りさや小島よしおの指導教授。佐助犯人説の人。)さんや細江光(新潮文庫でやたらマニアックな注釈をつけている方)さんなどによる「解題」が付くのが魅力的ですね。 新字採用はかなり残念ですが、私の持っている全集に載っていない話や書簡も多く、新たに創作ノートも収録されるので欲しいけれど、156,420円を一気にそろえるのは財政的に厳しいですね(置き場所もないかも…)。幻の打ち切り作品『鴨東綺譚』などが収録されるなら是非読んでみたいのですが… 谷崎潤一郎の全集はこれまでに中央公論社から以下のものが出ています。すべて正字正かなです。1新書判全集 全30巻(昭和32年~昭和34年刊行)2没後版全集 全28巻(昭和41年~昭和45年刊行)3豪華普及版全集 全28巻(昭和47年~昭和50年刊行)4愛読愛蔵版全集 全30巻(昭和56年~昭和58年刊行) 1は新書版で古書価格が安いです(3000円程度?)。ヤフオクや古本市などでもよく見かけます。コンパクトで箱がわりと豪華なのは良いのですが、いかんせん文字が小さくてニ段組なので読みづらいのが難点です。 また、谷崎の生前に出された自選集なので、本人が失敗作と認めたようなものは『金色の死』だとか『冨美子の足』のような有名な作品でも掲載されていません。また、これ以降に出た晩年の作品は当然載っていません。 2は私が所有しているもので、没後すぐに出たものです。菊判の立派な装丁のもので、文字も大きく読みやすいです。私は古書店から1万円(月報揃い)で入手しました。場所はとりますが、状態の良いものならおすすめです。 3は2の普及版で、内容はおそらく同じですが、大きさが一回り小さくなりA5判になっています。こちらもよくヤフオクや古本市などで見かけます。 4はこれまで一番収録数が多い決定版。四六判です。古書価格は6万オーバーとかが普通だったけれど、新全集が出ると値崩れするでしょうから、これからねらい目でしょうか??