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大植・大フィル初の大阪国際フェス出演、しかも大トリ。今年のフェスティバルのなかでは、唯一の全席完売。大植効果ここに極まれり。
大阪フェスティバルホール 第48回大阪国際フェスティバル2006 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 ピアノ独奏 中野翔太 シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調 全席完売のフェスって、いまから数年前のコバケン・大フィルのマラ8以来じゃないかしらん?これだけの人が集まると、やはり壮観と言う他はない。招待券で来ていない人の少しの空席をのぞいて、びっしりと埋まるフェス・・・二階席の前の方の席だったのだが、後ろを振り向くと、それこそ人の壁である。舞台からみたら、どんなんなんやろなあ。冷静になって考えてみれば、大阪国際フェスティバルって、本来なら連日こんな感じにならんとあかんのんやろうけれど。 でですね、結論からいきなり書いてしまうと、今日の演奏会で一番良かったのは、最後に出てきた大阪淀川工業高校ブラスバンドのフェスティバル閉幕のファンファーレだったですね。こんなこと書くと、袋だたきにされそうですが。 実は、あまり書くことはありません。シューマンは、独奏パートが覚束なくって、危なっかしいことこの上ない。大植さんは必死につけているんだけど、このピアノ奏者、リズム感が良く無いもんだから、もう大変。8分の6拍子の3楽章なんぞ、シューマンがどうの、音色がどうのとかいう以前の問題で・・・・プログラムを買っていないから、どういう経歴かは知らないが、はっきり言って(これは一緒に行った母親も同意見だったが)いまドイツに留学してるこすもすと同門のMちゃんの方がうまいぞ。聴かされているこっちの方がしんどくなるようじゃ、堪忍して欲しいなあ。 で、問題のマラ5ですが・・・・やはり、熱演系非ヴィルトゥオーゾオケにこのオケコン交響曲は荷が重かったか、というのが正直なところ。 精一杯やってるんですよ。頑張っているのはわかる。でもね、大植さんの棒が音になっていない、肝心なところで派手にこける、ここぞというところでアンサンブルが乱れる。 ペットは秋月さん、敢闘賞を上げても良い・・・・でも、これではマラ5としては及第点とはいえない。ホルントップも、いつもより数段頑張ってました・・・・でも、世界水準とは到底言えません。コンマスは長原君、いつもながらの素晴らしい音色、ヴィオラトップは客演首席、これもいい音です、泣かせます、チェロのフロントローもいい音です、2楽章の一くさり胸に沁みますね・・・・・でも、マラ5としては・・・・・ これが精一杯ですか?・・・・今の大フィルのこれが限界なのか・・・そうなんでしょうね、だってみんな大植さんに必死についていっているもの。大フィル、なんら手を抜いていない、熱演です・・・それなのに・・・。一番良かったのは2楽章ですね、ここでは大植さんのパッションが、こうした大フィルの限界を踏み越えたところに音楽を現出させていましたから。そして、4楽章、ピアニシモの弦楽器の緊張感あふれる美しさ、それをキャリーする大植さんの棒のすばらしさ。 やっぱりマラ5、難しいんですよ。今日の大フィルを聴いて、この間のマリインスキー管がいかに上手かったかを思い知りましたね。やっぱり、スーパーオケだったんだ。かつてマーラーが、「5番は、本当に本当に難しい」と言っていたらしいが、本当に本当に本当によくわかりました、骨の髄まで。この曲を聴かせるのは、至難の業なんやなあ・・・・しみじみ。 ここまでのマーラーチクルス、2番、1番、6番、3番と来て、これが5曲目。この中では、6番がベスト、ついで3番と2番・・・・1番と5番は、残念ながらぱっとしなかったということにならざるを得ない。しかし、これでいくと今シーズンに予定されている9番もなかなか厳しいかもしれませんねえ。大フィルさん、頑張っておくれなはれ。楽しみにしてるんやさかい。 あと4番、7番、8番を残していますが・・・・2007年度の定期で7番をやり、4番はいずみホールの企画もので、そして8番は来年の国際フェスのメインイベントで、というのが企画としては面白いように思うが、さて、大植さんの心づもりや如何に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 27, 2006 01:04:47 AM
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