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自立とは独りで生きることではない… (読書・コミック)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
三草二木の八葉蓮華 [創価学会 仏壇]
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蓮華の日記

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2011年01月05日 楽天プロフィール Add to Google XML

自立とは独りで生きることではない。まして孤立ではない・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 天気図の曲線が美しく描かれるとき、この国にきびしい寒波が来る。明けて元旦、大雪の新年をお迎えの方も多いことだろう。鉛色の空の下、帰省の道中に難渋された人は、古里の味わいもひとしおだろうと拝察する

 雪屋根の下の団欒(だんらん)を思う。福島県で続く児童詩誌『青い窓』に小学5年の女の子の詩が載っていた。〈あたたかいこたつ/家の家族は五人/「五角のこたつならいいなあ」/と、おねえさん/一番あとからはいる/かあちゃんは/私と同じ所/私はやっぱり/四角でもいい〉

 母さんと肩を寄せ、並んで座る幸せと安心がほのぼのと伝わる。ずいぶん前に書かれたそうだ。詩誌を主宰していた故佐藤浩さんはこの詩に触発されて、自らもこんな一行の詩をつくった。〈きゅうくつな幸せを忘れていました〉

 その「窮屈」を脱ぎ捨ててきたひずみが、この社会を苛(さいな)んでいようか。家族ならぬ「孤族」という小紙連載が、いたたまれぬ人間砂漠を報じている。「孤」をのさばらせず、人肌の体温を世に取り戻す意思を、互いに持ち合いたいものだ

 人間通だった心理学者の故河合隼雄さんによれば、自立とは独りで生きることではない。まして孤立ではない。自立している人とは、適切な依存ができて、そのことをよく自覚している人なのだという

 「こたつ」の詩に例えるなら、5人用に五角形のこたつを設(しつら)えて、互いが見えぬよう仕切りまで立ててきた近年ではなかったか。便利と快適は幸せと同義ではあるまい。「きゅうくつな幸せ」を、新春の空に思ってみる。

 2011年1月1日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2011年01月05日 23時10分20秒


2010年11月01日

売れる「不要」の極み、遊び心を満たす道はある・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 「男のおもちゃ」として語る時は、自動車ではなくクルマと呼びたい。移動手段というより遊び相手とみるクルマ好きは多い。自動車評論家の徳大寺有恒さん(70)は、愛してやまないスポーツカーの絶対条件を〈世間に不要なものであること〉と記す

 値の張る玩具もある。映画「007」シリーズの撮影に使われた1964年製のスポーツ車、アストンマーチンDB5に、ロンドンの競売で約3億3千万円がついた。主人公の活躍を支えるボンドカーの代表格。初期の「ゴールドフィンガー」などに登場した

 3通りに化ける回転式ナンバープレート、後部にせり上がる防弾板、ウインカーから現れる機関銃(模造)など、ファンを喜ばせたカラクリもまだ動かせる。これぞ「不要」の極みだが、戯れと笑うなかれ

 他方、オコゼを思わせる面構え、背中から尻にかけての渋い曲線には、質実を旨とする英国流のモノづくりが薫る。アストンマーチンは今も、英国人が選ぶ「最も格好いいブランド」の首位という

 エコの時代なのに高級スポーツ車が売れていると、経済面にあった。3750万円もするトヨタのレクサスLFAは限定500台を完売した。日産のGT―Rも改良型の予約が好調らしい。「顧客の趣味を反映できるクルマは売れる」。開発担当者の弁だ

 もちろん、大枚をはたかずとも遊び心を満たす道はある。例えば、色違いでいくつも並べる至福は「持たざる者」の特権ではないか。てなことを考えながら、きょうは緑のフィアット500を机上で転がしている。

 2010年10月30日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2010年11月01日 23時20分39秒

2010年10月21日

色んな格差への不満が、格好の標的を得て爆発、怒りをぶつける・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 欧州あたりで「嫌米」のデモが荒れると、しばしばマクドナルドの店舗が襲われる。米国のグローバル支配の象徴というのだろうが、店員や食材の多くは「国産」だ。本籍に執着の薄い国際ブランドが、右代表としてやられるのは皮肉である

 中国内陸部の地方都市で、反日を叫ぶ群衆が暴れた。「坊主憎けりゃ」で、パナソニックの電器店やトヨタ車も壊された。政府間では落ち着くかに見えた日中の対立。外交から街頭へとなれば厄介だ

 騒いだのは愛国教育を受けた世代という。就職難など、色んな格差への不満が、格好の標的を得て爆発したとされる。「日」の字がつけば何でも攻撃対象となるように、理由は尖閣でも靖国でもいいらしい

 彼らの横断幕に〈琉球を回収し、沖縄を解放せよ〉とあった。幸い、中国に抗議する東京の日の丸行進は整然としていたが、売り言葉に買い言葉の愚は戒めたい。ナショナリズムの悪循環を防ぐには、大人を自覚する側が冷静を保つことだ

 中国にも冷めた目はある。反日デモの呼びかけに、ある若手人気作家は「内政問題でデモもできない民族が、外国に抗議しても意味はない」と喝破した。怒りをぶつける相手が違うと。それが体制に向かっては困るから、当局も規制の加減が難しい

 中国の富裕層は、東京や軽井沢で不動産の品定めに忙しい。本当は、反日を教え込まれた若者にこそ、日本に来てほしい。半日もいれば、表現の自由の何たるかを知るだろう。新聞も雑誌も政権批判であふれている。それも「愛国」の流儀である。

 2010年10月19日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2010年10月22日 00時49分37秒

2010年10月03日

多様性の内にこそ、私たちの明日は宿る・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 昔の風流人たちは長雨を「ながめ」と読んで「眺め」に掛けた。あの猛暑から一転して秋の長雨の季節。国内外とも眺めはいまひとつだった9月の言葉から

 行く当てのない人を誰でも受け入れる寺がある。宮城県の行持院(ぎょうじいん)の僧、眞壁太隆(まかべ・たいりゅう)さん(61)は、来る人に何も聞かない。「みんな赤っ恥をかきながらここに来たね。ふつうに暮らしていたときは、まさかそういう身にはならないと思っていたわけです。その方の胸の中にね、土足で踏み込むようなことはしません」

 大阪の元校長、松下睦子さん(65)は教え子たちが書いた詩を一冊にまとめた。その一編に「わたしは 赤色が好き/夕日が 好きやねん/夕日って/めちゃんこ きれいねんで/なくなった お母さんが/夕日の中にうつるかも知れんで」。母親が自シした女児の思いの丈だ

 同じ大阪で平均年齢77.6歳のジャズバンドが敬老の日にライブを開いた。最年長は84歳。最年少のベース奏者宮本直介さん(73)は「いつシぬかわからない世代だから、僕たちは一回一回が真剣勝負になる」

 「寅さん」シリーズの監督山田洋次さんが人と人のつながりを、「昔の都市生活者は狭い長屋で暮らすためにたくさんの人間関係のノウハウを持っていたんじゃないでしょうか」。その難しい技術を今の都市生活では学べない、と

 コーラン焼却で宗教間の緊張が高まる中、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が「自分と異なる人を悪くいう人に立ち向かおう。本を燃やした炎で未来は照らせない」。多様性の内にこそ、私たちの明日は宿る。

 2010年9月30日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2010年10月03日 23時26分46秒

2010年09月19日

待ちあぐねていた秋へ、ようやく季節が傾斜していく・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 駅への途中にあるお宅の、道路にまでしだれている萩に、紫の花がつき始めた。きのうの朝は、その葉が雨滴をのせて光っていた。夜の雨は、猛暑でほてりにほてったものみなを、静かに冷ますように降った

 「けさの秋」という季語がある。もう夏のものとは思われない気配に、ふと気づく朝をいう。例年ならお盆過ぎだろうが、今年は遅かった。東京だと、それはきのうだったようだ。身を潜めていた秋が急に姿を見せたような空気になった

 青春から朱夏をすぎて、秋は白秋。〈秋野(しゅうや)明らかにして秋風(しゅうふう)白し〉の一節が中国唐代の詩人、李賀にある。その秋風を、日本では「色なき風」と表した。夏の湿気が払われて、透き通って寂(さ)びていく景色。もともと風に色はないが、そこに「色なき」を見るセンスに頭が下がる

 白雲愁色の季節でもある。〈明月帰らず碧海(へきかい)に沈み 白雲愁色蒼梧(そうご)に満つ〉は、遣唐使だった阿倍仲麻呂の「シ」を李白が悼んだ一節だ。仲麻呂は帰国の船が難破して沈んだと思われたが、今のベトナムに漂着し、唐に戻って異土で没した

 〈天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出し月かも〉はその帰路につく前の望郷の歌として知られる。だが作家の竹西寛子さんは、「唐土(もろこし)に心を残している人の歌」でもあると見る。今ふうに言えば「二つの祖国」だろうか。仲麻呂は唐にあること実に54年におよんだ

 時は流れ、眺める月は昨夜が上弦だった。この半欠けが満ちていって、中秋の名月になる。待ちあぐねていた秋へ、ようやく季節が傾斜していく。

 2010年9月16日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2010年09月19日 23時02分14秒

2010年09月05日

ガチンコ勝負、両者の激突に遺恨も絡み、水膨れの党に一つの区切りがつく・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 英語ならば「ファイアワーク(火の作品)」と正当に表現される花火も、仏語では「フー・ダルティフィス(策をろうした火)」と身もふたもない。民主党の代表選をめぐる土壇場の調整劇に、異形の川柳を一つ思い出した。〈花火 これ以上の嘘(うそ)はありません〉福田文音

 首相の座を目ざし、二手から派手に上がった尺玉である。ところがそれは、鳩(はと)の羽ばたきで消えかける程度の火だったのか。永田町に生まれた「民主の森」まで焼いてなるものかと、最後までいじましい談合を見せられた

 菅首相、小沢前幹事長とも不安があるのだろう。一方は相手の組織力におびえ、一方は世論の不人気、それを見た新人議員の動揺が気にかかる。だが、ポストの裏取引は恥の上塗りでしかない

 代表選はこうして、カブトムシとオオクワガタの、森を二分した戦いと決まった。ツノかアゴ、どちらかが必ず折れるガチンコ勝負である。周りを群れ飛ぶカナブンの羽音は、ブンブン分裂と聞こえなくもない

 自著によると、菅氏はかつて、民主党に合流する小沢氏に釘(くぎ)を刺したそうだ。「相談して合意したことを一緒にやるのであって、俺(おれ)の言う通りにしたら床の間に座らせてやる、任せておけというのはダメです」。あれから7年、主客交代の感が強い

 民主党に息づく同好会的な文化と、小沢氏が旧田中派から持ち込んだ戦闘集団の手法。両者の激突に遺恨も絡み、水膨れの党に一つの区切りがつく。国民の思い、厳しい経済とかけ離れた政争。その熱さと寒さは、冬の花火を思わせる。

 2010年9月1日天声人語
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Last updated  2010年09月05日 23時23分43秒

2010年08月31日

手法は問わない、来るべき政界再編、新しい政治に求められているもの・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 鳩山前首相は不思議な人だ。政界引退を口にしたのもつかの間、民主党の結束を訴えて菅首相、小沢前幹事長の仲介役を買って出た。ところが対決のおぜん立てをしただけで、伝書バトはロシアに飛び去った

 9月の代表選は菅氏と小沢氏の勝負になるらしい。前に書いた「民主の森」の物語に沿えば、いよいよカブトムシとオオクワガタの激突である。カブトを支えるとしていた鳩山氏は、なぜかクワガタの応援に回るそうだ。3カ月前の「抱き合い心中」は何だったのか

 ともあれ小沢氏に謝りたい。本物のオオクワガタは怖がりで、危険を感じると巣に隠れる、と紹介した件だ。勝算があるのだろうが、氏は意外にも、世論を敵に回し、国会でたたかれるリスクを取った

 それでもやはり、小沢氏は首相に向かないと思う。まず、土建業界との腐れ縁が示す古い政治。豊かな資金で手勢を養い、来るべき政界再編、日本の大改革に備えているやに聞くが、目的が立派なら手法は問わないという時代ではない

 次に、カネの出入りをちゃんと説明しない、広い意味での出無精と口べたである。リーダーの資質としては金権体質より深刻かもしれない。鳴かないのがすごみになるのは、樹上で争う大型甲虫ぐらいだ

 森を二分する戦いは政治史に残ろう。菅氏は、「あらゆる意味で反面教師」とする角さんの愛(まな)弟子と首相を争うことになる。「大変いいこと」と語る顔はこわばっていたが、この分かりやすさ、恥じることはない。それこそ、新しい政治に求められているものである。

 2010年8月27日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2010年08月31日 23時36分19秒

2010年08月18日

「まわし組」のしがらみを断ち、縦横に暴れて因習をぶち壊してほしい・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 マネジャーは足元を見つめ、リーダーは地平線を見つめるものらしい。ただし、危機にある組織には遠近に目が利くトップが欠かせない。急ぎの難題に向き合いながら、あるべき将来像を追うような

 日本相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)が辞任した。体調もあろうが、野球賭博問題のけじめとみた。前任の北の湖親方に続く引責である。後任には、元大関魁傑の放駒(はなれごま)親方が選ばれた

 現役時代の魁傑は、まず見た目が際立っていた。浅黒く、足が長い。口を少しとがらせて仕切る姿は、アシカのような海獣を思わせたものだ。柔道の出らしく足技も得意。今ならアスリートと呼ばれそうな運動能力、誠実な土俵態度で女性に人気があった

 新旧のトップは同年同月生まれの62歳。力士としても1970年代を通してのライバルで、魁傑が幕内で最も多く取った一人が三重ノ海だった。戦績は19対19と分けたが、改革の実績では大差をつけないといけない

 再生のため外部から理事長を、との声を制しての内部昇格である。深い病根をえぐるには、内科より外科の腕が要る。「まわし組」のしがらみを断ち、縦横に暴れて因習をぶち壊してほしい。文字通りの放駒、綱を解かれて走り回る馬の躍動を望みたい

 語り草は78年春場所、都合10分を超す旭国戦だ。2度の水入りで取り直しとなり、またも水入りかという時にすくい投げを決めた。伝説の一番と同じ粘り腰を期待しよう。小兵の旭国と違い、今度の相手は老練な巨漢、角界の悪弊である。倒した先に地平線がある。

 2010年8月14日天声人語
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Last updated  2010年08月18日 23時17分18秒

2010年08月17日

書類の中で延々と生き続ける、日ごと広がる高齢者の所在不明・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 これはもう、おめでたい国というほかない。「最高齢記録」がずんずん更新されている。神戸市が「125歳の女性」なら大阪市は「127歳の男性」だという。長生き関西、130歳も夢じゃない。おいおい

 日ごと広がる高齢者の所在不明問題。次々と出てくる長寿者は住民登録上の話で、実際には長らく行方知れずの人ばかりだ。125歳の住所は公園、127歳は別の区でシ亡届が出ていたが、一部台帳に消し忘れがあった。確かな最高齢は佐賀県のおばあちゃんで、113歳8カ月である

 経緯は様々だろう。家出を知られたくない、帰ってきた時のため住民票は削らない、やがて家族も齢(よわい)を重ね……。紙に寿命はないから、シ亡届が出ないと書類の中で延々と生き続ける

 東京の「111歳の男性」がシ後32年で見つかったのが始まりだった。関西の名誉のためにつけ加えれば、行政の怠慢を認め、実態調査を精力的に進めるほど、妙な長生きがいち早く表に出ることになる。全国の現実を思うと空恐ろしい

 日本では毎年、8万件の捜索願が出され、身元不明の遺体が千以上も見つかるそうだ。「ふらりと出たまま」から、「どこの誰やら」へ。漂泊のうちに、肉親の記憶は色あせ、実名は無名に漂白される。長寿大国の名が泣く怪事である

 子や孫に囲まれて暮らすお年寄りばかりではない。独居はつらい。さりとて弔いもないまま、役所の書類棚で生かされ続ける高齢者は悲しすぎる。お盆に帰るに帰れず、あの世でぼやいている人も多かろう。なんでやねん、と。

 2010年8月13日天声人語
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Last updated  2010年08月17日 23時38分47秒

2010年08月15日

進むものも進まない、明るい日韓関係は、暗い過去に向き合わねば始まらない・・・天声人語 八葉蓮華
[ 天声人語(コラム) ]    

 北朝鮮の特別機で、平壌からソウルまで飛んだことがある。9年前、欧州連合の訪朝団に同行した時だ。モデルのような乗務員が、軍用らしい真空パック詰めのピーナツを配ってくれた

 いったん公海上に出た旧ソ連製の機体は、できたばかりの仁川(インチョン)空港に降りた。北の飛行機は珍しく、韓国の取材陣が待ち受けていた。青い光に浮かぶ新鋭ターミナルを窓から見て、乗務員の表情が陰る。別れ際、失礼を承知で当夜の宿泊地を聞くと、「このまま祖国に帰ります」と冷たく返された

 平壌―ソウルは、東京―長野ほどの距離だ。同じ民族が半島の南北に分かれ、いがみ合う不条理。塗炭の現代史の根っこで、日本も軽からぬ責めを負う。極東の安定に資する明るい日韓関係は、暗い過去に向き合わねば始まらない

 韓国併合から100年にあたり、菅首相が談話を出した。日本式の名前を押しつけるなど、国と文化を奪ったことに「痛切な反省と心からのお詫(わ)び」を表し、未来志向の付き合いを呼びかけた内容である。韓国大統領も喜んだという

 謝罪で始まる関係はそろそろ終わりにしたい。それには、先方の意に反して植民地にし、民族の誇りを傷つけた史実を直視するほかない。またぞろ保守派が「謝罪外交」などと言い出せば、進むものも進まない

 あの乗務員は南の発展をどう伝えただろう。いや、口外はできまい。すべては北の独裁者のせいだが、半島の変転に深く関与した国として、この地の将来に無関心ではいられない。日韓で手を携え、別の100年を紡ぎたい。

 2010年8月11日天声人語
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

Last updated  2010年08月15日 23時11分26秒


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