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カテゴリ:オーラの泉
最近では「生キャラメル」が入手困難なほどに大ヒット、
現在の花畑牧場は年商50億円に成長。 その成功には、あるスタッフの方との不思議な絆が影響しているようです。 田「いまから3年くらい前から、そのチーズが売れ始めて… ひとつ成功したらポイントがつかめて『あ、こうすればいいんだ。こうすればいいんだ…』 で、その次に『生キャラメル』っていうものの製造に取り掛かったんですけど…」 美「いま評判のね…美味しいんですってねえ…」 江「美味しいですよ」 美「…一個ちょうだい☆」 田「持ってきます☆…江原さん、食べました?」 江「私はもちろん、いただいています☆」 田「え、ありがとうございます!」 江「ええ、美味しいです」 田「おかげさまで、すごい評判なんですけど、そんな…全然思わないで こんな小さな銅鍋で作ったんですよ」 美「手作りですものね」 田「手作りで…で、やっとTVで、その…年商いくらとか、そんなのがあるんですけど とんでもなくて…3年前まで4億の赤字、うちの事務所の社長曰く 『九回裏のホームランだな。もうお前は、アウトだったんだよ』と。 『いや、俺もそう思います。アウトの覚悟はできてました』と。 で、スタッフがみんな辞めたんですよ。 『やはりこの牧場には明日がない。田中はもう潰れる』十勝中、帯広中うわさになって 『あそこは潰れる』…そういう時、一人だけ残って、全員辞めたんです」 国「何人くらいいたんですか、元々」 田「30人くらい。1人しか残らなかったです」 美「よく残りましたね、その人も」 田「ええ、さっき出てきた人です」 国「あ、あの…チーズを作って…」 田「美輪さん、何か…」 美「いやその…亡くなったお友達にね、ちょっとどこか似てる人だなと思って…」 田「…ドッキリしました…彼が、最後まで残ったスタッフで…松永って言うんですけど…」 美「私はあの方の…映像が映ったでしょ、さっき。亡くなった親友の方と 『あ、あの方に…』フッとその方に見えたんですよね。『似てる方…』だから申し上げたの。 『あの方、似てますね』と言ったの…あの方にはね、時々、のってたと思うのね」 江「…そのね、彼が言う言葉が、一人残って下さったあの方が言ってくれた言葉とかで ハッと我に返ったりね」 田「…いや…そうです…」 江「口を借りるってことです。要するに、のっかるっていうのはそういうこと」 美「あったでしょう?」 田「無口なやつなんですけど、たまに言う言葉とかが…」 江「核心を突いてね」 田「どんなにきつくても、残ってるんですよ。本当に昔、もっと言葉もきつかったし… 本当におっしゃる通り…乱暴だったんですよ、自分が、やり方が。 辞めていって、今は…本当に『当然だ』と思います、みんな。そんな みんなも辞めていって当然で、それをもって牧場をもう閉鎖しようと思ってたのに…」 美「相手の気持ちを考えないで、自分の感情だけで物を言っていたのね」 田「いや…全部そうでした…」 美「ね?」 田「経営者としても、最悪でした」 美「でも、その一人残った方は…とにかく『辞めよう』と思った途端に お友達がのっかるんですよね、スッと」 田「…そうかー…」 美「『まあ、まあ…』っていうことでね…」 江「その方ですらね、何度と辞めようと思ったと思いますよ」 田「…そう思います…」 江「だけど留まっているのは、いま美輪さんがおっしゃったお友達の感情が入るんですよ」 田「ずっと10年間、変らずに一緒にいたパートナーで、みんな辞めた時に そいつだけが残ったんですよ…それがもし辞めたら、『止めよう』と思ってたんですよ。 で、借金が相当、膨らんできて、さすがにうちの事務所も 『もう、いいだろう…銀行を入れて整理しようか?』という話まで行ったんです。 けど、必ずそういう時に俺、友達に訊くんですよ。 『もういいべ?止めさしてくれよ、もう。俺、やったよね?』… 『駄目だ』って言うんですよ」 国「その後は、残ってくれた彼もいたおかげで…」 田「いま、牧場のスタッフが500人になったんです」 国「うわー…すげえ☆1人だったのに?」 田「本当に1人から、3年で500人になったんです。 うちの村の人口、4000人しかいないのに… 俺は奇跡だと思っているんですけど、諦めなかったから今があるので… その諦めないストーリーを、偶然なのか、それともそういう風になっていたのか っていうのを、いま50歳になってみて…聞きたい」 美「青写真で宿命なのか、それとも自分の努力の結果そうなった運命なのか それとお友達の加護があるのか、そういういろんなパターンがあるけれど それのどれなのか、分析して知りたいとおっしゃるわけね」 田「知りたいです」 江「大坂さん…お友達…ずーっと一緒なのは確か。だから義剛さんが聞いているのは まぼろしではなく本当に彼とのコンタクトなんですよね。 最初から義剛さんの横にずっといるんですよ、聞いてるとね…切なくなっちゃって… あの…彼は彼で…16年間の人生ですよね、彼なりに… 『義剛さんは知ってる』って言うんですよ…結構、苦労が多かったっていうこと、 それまでも、家のことでもね。 あの…さっき船が出て行って格好良かったって言ったでしょう? 『俺は船乗りになる』っていって。だけど、本当の気持ちじゃなかったのね、彼の。 その…彼の気持ちの中では、本当の気持ちっていうのが別にあって もっと自由が欲しかったんだけれど、親を楽にしたかったの。 実は彼が示したいのは、牧場って、酪農をやらせるっていうよりも そこを通して、例えば馬とかね、命がまた新たに出てくるとか、生き物、食べる物… だから人の笑顔が欲しいんですよ。『そっちにお前は行け』と」 田「あの…襟裳岬に行って、馬と出会って、牧場…それから今度は、中札内村に 本当は地元の人が売ってくれないっていう中で、奇跡的にその土地が買えることになって それが襟裳岬からすぐそばで…私は飛行機からいつも襟裳岬を見るんですけど… それも何かあるんですか?」 江「あります。というかそれがなかったらね…ごめんなさい、はっきり言っていいですか? あのね、義剛さん、すぐ投げるんですよ☆」 田「…はい…」 江「あの…意外と諦めが早いんですよ」 田「すごく早いです…」 江「で、あそこの因縁じみた場所でなかったら、粘れなかったと思う」 田「いや…その通りです…私はものすごく気が短くて、全部もう… ピシッピシッと切っちゃうんですね。ところが、この牧場をやるという夢は 16から変らないんですよ。それがわからないんです」 江「別の場所だったら、そんな大変な時、両手を上げてね、もう駄目だと バンザイすることも、もっと早くあったと思うんですよ」 田「ありました」 江「でも、あそこの場所だから、できなかったと思う」 田「…できなかったです…」 江「考えてもみて下さいよ、まあ私は初めてお目にかかっているんだけれど いろんな人が言っていることを言うと…だって義剛さん 誰の言うこともきかないでしょう?」 田「はい…」 江「それこそ、親だ、嫁さんだ…誰の言うこともきかない人が 彼のことだけは聞くんですよ」 田「そうなんです…それがわからないんですよ…」 江「だからそれが、彼と義剛さんとの生まれて最初の 心の絆を結んだ人であるからなんですよね、親以外のね」 美「向こうもね」 江「向こうも。義剛さんが大好きなんですよ、この人。 一心同体でね、大好きなの。そこで自分の夢を託されたんですよ。 だからその、託されたっていいう絆が、今日のここまであるんです。 それとね、ちょっと後もう一つ、ちょっと余談でいいですか?ええっとね これは夢物語と思って聞いて下さい。あのね、義剛さんの前世、実はね、あの… ごめんなさい☆笑っちゃいけない、失礼なんだけど… ヨーロッパにね、いらした時代があって…」 田「私がですか☆」 江「ええ。何かちょっと不釣合いな感じがしますでしょう☆」 田「あり得ないですよね☆」 江「私が見るにはね、フランスとかね…」 田「フランス?」 江「でいて、やっぱり農場をやっていたわけなんですよ。農場、ブドウ…やっていて…」 田「ワインですか?」 江「そうそう。いずれ、そういうことを着手するかもしれません…」 田「ワイン?…俺、ニュージーランドに30回くらい行ってるんですけど 欲しいワイナリー(ワイン醸造所)がずっとあるんですよ。小っちゃいワイナリーで…」 国「興味はあったわけですか?」 田「いやもう…買おうと思ってたんです。へえ…」 美「それをやるようになるって☆」 江「ただその時の難点はね、あの…苦労して得たんじゃないんですよ。 要するにお家の親から引き継いだ農場、要するに農園で働く人達がいて ブドウを世話してくれてワインを作ってくれて、自分はあがりだけ見ていればいいの」 田「へえ…はい」 江「で、その時のご趣味が馬だったんです。…ってことはね 前世からチーズには縁はあるんですよね。ただその時に 実は破綻しているんですよ、道楽が過ぎて…」 続きます。 「オーラの泉の日記」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 29, 2008 04:45:51 PM
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