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カテゴリ:オーラの泉
グループサウンズのザ・タイガースに加入して人気を博し、「西遊記」の沙悟浄役で俳優に、
ワイドショーの司会も長年務められた岸部さんは、昨年、 43歳という若さで妻である小緒理さんが逝去されてから、いまだ立ち直れないとのこと。 奥さまとは、ワイドショーの司会で活躍されていた頃に行き着けのブティックで知り合い、 1994年にご結婚。ところが金融業者からの借金が総額4億2千万円に膨らみ、 1998年に自己破産。結婚後4年で全財産を失われても、 奥さまは岸部さんを支え続けたのだそうです。 奥さまの言葉 「彼を1人にさせる訳にはいかなかった。それは人間は辛い時に1人にしてはいけない。 1人にしたら絶対にどうにかなってしまうと思ったからです」 (2004年4月7日「婦人公論」より) 国「奥さんと結婚された当時は、どんな生活だったんですか?」 岸「まあ…物集めに…走り回っていましたね。 ブリキのおもちゃから、本類から…骨董品までですね…」 国「それは買ったことに満足するわけですか?」 岸「まあ…憧れの画家の絵だとかね、そういうものが自分の部屋の壁に飾れた時というのは、 何かこう…『やったあ』という感じで…」 国「奥さんは借金をして買ってるということは、知ってたんですか?」 岸「稼いでもいるけれども、借金も多いということは知ってましたよね」 国「途中で止めようとは思わなかったんですか?『もう買うのは止めよう』と」 岸「…思わなかったですね…」 美「いや、あのね、そういう方っていうのは…ほら、いろんなおもちゃとか、 マニアで蒐集癖の方っていらっしゃるじゃない?あの…麻薬や何かと同じように、 中毒症状になっちゃうらしいの」 国「あーなるほど…」 岸「そうですね…」 国「僕が考えると、その骨董品をまた売ればいいんじゃないかなと思うんですけども、 そうはいかないんですか?」 岸「うーん…まあ売るとなると全然…10分の1ぐらいになっちゃうのでね…」 美「宝石と同じよ。宝石や骨董品っていうのは、値段があってないようなものだから。 だから買うときには、例えば宝石でも二千万くらいの物があるじゃないですか。 そうして売るときには、上手くいって10分の1。 だから二千万の物が二百万くらいになるんですよ」 国「怖いですね」 美「骨董品もそうです」 国「自己破産してからの生活というのは、ガラッと変わりましたか?」 岸「うーん…ちょっと今、心臓を、循環器系を悪くしてるのが…今だにその破産の話題は… 非常に苦しいんですよ…破産っていう話題をすると、まず動悸が始まるでしょう…」 美「だから心意的なものですよね。精神がもろくなると、肉体ももろくなるし…」 岸「その通りだと思いますね…薬じゃ治らないんですよね…」 美「何でもかんでも、全て暗示にかかりやすい方だからね。全ての原因はみんな、 精神的な脆さだとか、精神的な自己暗示とか、そこから全部、発生しているんですよ。 誰のせいでもないのね」 国「自分のせい…」 美「自分のせいなの。甘えっぱなしなの、全て甘え。あの…普通、 収入を考えて、収入に見合っただけの支出。 『これは許されるけど、これは買っちゃいけない』とか、普通それで 自分の欲望を手綱を引いて、皆さん生活しているわけでしょう? ところが自分の欲望のおもむくまま『あれも欲しい、これも欲しい…』 収入とのバランスも考えない、これも甘えですよ。ずーっと甘えの人生でいらしたのね」 岸「もう全く…生まれた時から…子供の時からね…」 美「だからこれは、もう誰が悪いんでもないですよね。自分自身だから。 だから自分がそういう風に追い込んできたんだから、 今度は自分が自分を救うこともできるってことですよね、反対に」 岸「ふーん…」 奥さまの支えもあって岸部さんは仕事に復帰されるも、2003年に脳出血で緊急入院。 借金返済と介護に奔走された奥さまは2007年、心臓発作で帰らぬ人に。 国「どういう形で亡くなったんですか?」 岸「まあ朝起きたら、突然亡くなってたんです…階段から降りてきたら、 彼女が台所のところでうつ伏せになって倒れているんですよ。それでびっくりして 『どうしたんだ?』と言ったら…もう冷たいんですよ…」 国「そこでは会話はできていない…」 岸「あ、もうできていないです」 国「そうですか…それまではずっと元気だったんですか?」 岸「まあ心臓も、犬の散歩してて2回くらい、強力に痛くなって うずくまって倒れかかってベンチに横にならせたことはあったんですよ。 でも何か病院嫌いで、とにかく病院に行かないんですよ。 『検査すれば悪いところが見つかるから、大変だから、岸部さんが大変になっちゃうから… 私はもういいのよ、そんなもの…』と言うんですよね… 『もし何かが見つかって、一週間でも二週間でも入院でもしなきゃならないというような ことになったら…』」 美「『…岸部さんが自炊もしなきゃいけない、家で自立して生きていかなきゃいけないから、 大変なことになるから』って思いやりよね」 岸「そうです…」 国「今は1人で住まれているわけですか?」 岸「そうです…幸いにも姉がいましてね、時々来てくれる…」 国「それはご飯を作りにですか?」 岸「ご飯を作ったり掃除をしたりですね…」 美「お兄さん(俳優 岸部一徳さん)の方は?」 岸「お兄さんは…一周忌とか、そういうとこは陣頭指揮を執ってやってくれましたけどね… 僕がこういう状態だから芸能界でやっていけるかというのが一番心配だから、 それを彼にぶつけたんですよね。そうしたら最初は優しく言ってたんだけど 突然…まあ割りと語気が強くですね… 『芸能界で、まず病人がタレントをしているということは普通、誰も思わないから、 まず体を治せ』と」 国「『それからだ』と」 岸「『それからだ』と…『そんな元気でない人だったら迷惑をかけるから辞めろ』と 言われまして…また心臓がドーン…としてですね…もう、その場にいられなかったですね… でも、そうなんですよね。兄が言うのはもっともな話…」 美「当たり前の、普通のことをおっしゃってるだけなのね。 別に怒ったわけでも叱ったわけでもなくて、当たり前のことをおっしゃっただけの話なの」 奥さまの喪失から今だに立ち直ることのできない岸部さんに届けられるメッセージとは。 江「極めて難しいっていうんですかね…岸部さんご自身の問題点、 こちらの方が問題が大きいわけで…非常に厳しいことを申し上げますね… もういい加減、奥さんを解放してあげて欲しい。というか、 奥さん、ずっといるんですよ、傍に。どうしてかと言うと、やっぱりそれは心配だからです。 『もう、早く死にたい、死にたい…』『もう早く向こうへ行ってもいいや…』 いつも投げやりな愚痴を言いますでしょう?」 岸「うーん…愚痴ってますね…笑ってる写真があるんですよね、それに向かって… 僕はしゃべる相手いないですからね… 『小緒理さんよ、どうしたらいいのや、俺は…』というところから始まって、 ぶつぶつ言うんですよ」 江「もうそれが堪らないわけですよ…それでね、解放してあげてって言うのは、 本当の愛だったらばね、いつまでも相手に依存したり、すがることじゃないと思うんです。 だから、申し訳ないけれど岸辺さん、本当に奥さんを愛して欲しいんですよ。 愛するってことはね、相手に心配させないことだと思うんですよね」 美「思いやり。気遣い…」 江「頼ることが愛なんじゃなくて…」 岸「頼ってばっかりですね、僕は…」 江「ね?だからそこをね、心配させないこと。これ、TVをご覧になっていらっしゃる方も 多くの人がそうだと思うけど、よく亡くなった人に頼るんですよ。 『あれも助けて、これもしてちょうだい』ね?でもそれはね、愛情じゃないんですよね」 岸「それは駄目なんですか…まあよく手を合わせる時に 『願い事をしちゃいかん』という風に言われてて、なるべくそれは しないようにしてるんですけどね」 江「あのね、願い事をしてもね、大丈夫だとすれば、奥さんが岸部さんのことを 愛していない場合ですね。『もうどうでもいいや』って思える人だったらば、 何を頼んだって耳、右から左に聞き流しでしょう?ね? だけれども奥さん自身はやっぱり岸部さんのことをとってもね、もう…我が子のように 心配している。だからそういった意味ではね、その言葉はきついわけですよ。 だってその、病院が嫌いとかね、どうとかじゃない。 奥さんは自分で具合が悪いのを自覚してましたからね、亡くなる前。 『このまま病院に行ったら入院になるだろう』っていう風に自分で思っていたんですよ。 でもそうしたらば岸部さんは誰が面倒をみるか…だから自分の命を… もうそれこそ引き換えにしてでも守り抜いたわけですよ、岸部さんをね」 美「だから生きてる時に散々心配かけてね、それまで愛してもらって 甘えっぱなしだったんだから、今度は逆に恩返しをしなきゃいけませんよね。 恩返しが何かと言ったら、つまり60年近く甘えっぱなしの人生でだらしなかったのを ちゃんとして、今こそ大人になって、そういう風にもうしてお上げになるのが、 愛情の恩返しでしょう?ね? 『お役目終わってね、楽になって下さい』という風な気持ちにおなりになれば… そうすると奥さまも心配なくスーッと行くところへ行けるし、 岸部さん自身がね、スーッと体が楽になってね、病気も治っちゃうんですよ。 そういうものなんです」 続きます。 「オーラの泉の日記」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 3, 2008 07:45:14 AM
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