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Dr.半熟卵のつぶやき~女性医療の現場で働く産婦人科医の日記~

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March 2, 2005
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カテゴリ:婦人科の豆知識

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「ポートサイド女性総合クリニック ビバリータ」

 クリニックでは女性医療に関心のある看護師さんを募集しております。
 
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 お問い合わせはクリニックのHPからメール又はお電話でお願いします。

 「ポートサイド女性総合クリニック ビバリータ」   http://www.vivalita.com/

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今日の言霊:
 苦労は買ってでもした方がいい。
 でも、せずにすむ苦労は
 しなくていいと思うんだよね。
 賢く生きましょ!


 今日は、雑誌の取材が2件もあったので、さすがにしゃべり疲れました。若者向けの雑誌だったので、割とよく見かける質問に正確な情報を盛り込みつつもちょっと軽めにコメントをつけたりしなければいけないので、ちょっと手間がかかります。これも大切な啓蒙活動の1つなので、できる限りの取材を受けているんですが、正直言って取材にいらっしゃる編集者やライターさんが勉強不足の方だと、話さなければいけない内容が多すぎて時間内にしゃべり尽くせないんですよね。
 あらかじめ質問内容を送ってもらって、解答を書いておくんですが、他にも参考になりそうな資料をプリントして「後はこれを読んでください」とお渡ししてます。それでも、送られてきたゲラを見ると「おいおい・・・(--;)」という内容に仕上がっていたりすることもあるので、今度は手直しが大変です。でもね~、ああいうメディアって影響力が大きいですから、不正確な情報は載せて欲しくないんですよ・・・・

 子宮癌には、子宮の出口側にできる「子宮頚癌」と、奥の方にできる「子宮体癌」があります。下の図で言えば、左が子宮頚癌、右が子宮体癌です。
子宮頸癌子宮体癌
 一般に「子宮癌検診」と言ったら子宮の出口側にできる子宮頚癌の検査ですが、子宮の奥の癌である子宮内膜癌=子宮体癌の検査も希望すれば受ける事はできます。子宮の奥の方へブラシやエンドサーチという器具を入れて細胞を取ってくるので、子宮頚癌の検査に比べたらちょっと痛いんですよね。でも不正出血が続いたり、超音波上子宮内膜が分厚くなっていたりすれば、少々痛くてもちゃんと検査しておいた方がいいに決まってます。ただ、超音波上なんにも異常がなければ無理にする検査もないんですよ。

 子宮体癌は、着床の時のベッドになる子宮内膜というところが異常に増殖して発生します。子宮癌全体からすれば、子宮頚癌の割合の方が多いんですが、実は子宮体癌の割合は年々増えていっているんですよ。子宮癌全体に占める至急体癌の割合は、1983年には15.2%だったものが、1997年には36.5%と倍以上になってるんですね。この増加の原因は、食生活の欧米化・肥満の増加・妊娠分娩回数の減少・環境汚染ホルモンの存在などが指摘されています。
 子宮体癌になりやすい人の特徴はいくつか挙げられますが、特に重要なのは、肥満の人・未産の人・閉経が遅い人・乳癌の術後ホルモン療法をしている人、です。これは、子宮体癌の発症に「エストロゲン」という女性ホルモンの片方が深く関係しているからなんですね。エストロゲンは、子宮内膜を厚くさせて着床に必要なベッドを用意する働きがあります。つまり、エストロゲンがたくさんある状態に長期間さらされると、子宮内膜は過剰に分厚くなりやすいんです。
 厚くなった子宮内膜が、月経のたびにしっかり剥がれてお掃除できていればいいんですが、ホルモンバランスが悪かったり閉経近くだったりで十分剥がれずにいると、子宮の中に分厚くなった古い内膜がいつまでもとどまっている事になるんですね。古い細胞は、だんだんと顔つきを変えて悪いものになっていくことがあります。ただ内膜が分厚くなっている状態を「子宮内膜増殖症」、細胞の顔つきが悪くなってきたものを「子宮内膜異型増殖症」といい、どちらも子宮体癌の前癌病変として注意が必要と言われています。特に後者は、癌の一歩手前と思ったほうがいいんですね。

 子宮内膜増殖症は、超音波で子宮の中の内膜の分厚さを測ればすぐに診断できます。自覚症状は何もないことがほとんどですが、月経のたびに塊のような出血があったり、月経以外の時期にちょこちょこと不正出血が続く事もあります。この段階でちゃんと治療&予防をしておく事がとても重要なんですね。
 治療法としては、黄体ホルモンというホルモン剤を飲んだり、低用量ピルを飲んだりして子宮内膜を綺麗におそうじするか、器械的に内膜をかき出して子宮内を綺麗にします。後者は麻酔をして行う手術になりますからちょっと負担は大きくなりますね。単純に子宮内膜が厚くなっているだけの場合、低用量ピルを3ヶ月飲めばとても綺麗になることが多いんですよ。これは、ピルに子宮体癌の予防効果があるからなんですね。

 細胞の検査をして、子宮内膜増殖症の段階ではなくて明らかに子宮体癌であった場合は、まず手術を行うのが基本です。手術は、単純に子宮を取るだけから、子宮や卵管卵巣・周囲のリンパ節まで全て取るものまでいろいろあります。どんな手術をするかは、癌がどの程度広がっているか、つまり癌の臨床病期というもので決まってくるんですね。初期で発見できれば、子宮をとるだけで完治を目指す事も可能です。

 子宮体癌を予防するには、まずは体重を適正範囲にコントロールする事です。私が今まで拝見した体癌の患者様は、皆さんかなりの体重オーバーな方ばかりでした。中には、本当はすぐにでも手術が必要なのに、体重が多すぎるために手術ができなくて、入院して1ヶ月で10キロ近く減量してから手術された方もいらっしゃいます。体重が多いとなぜ子宮体癌になりやすくなるのかというと、脂肪組織からもエストロゲンが作られているからなんですね。肥満は万病の元、といいますが、本当にその通りだと感じています。
 他にも、月経不順を頻繁に繰り返すのも、子宮内の環境にとってはよくありません。3ヶ月以上月経が来なかったり、毎回ちゃんと出血しないようであれば、早めにホルモン治療できちんとしたリズムをつけておくことをお勧めします。ちなみに、低用量ピルは、10年間服用することで子宮体癌のリスクを半分以下に抑えてくれるという報告があります。ピル=癌になる、というイメージが強いようですが、実はピルで予防できる癌もあるんですよ。

*受診のご相談はお電話で承っております。
 ポートサイド女性総合クリニック http://www.vivalita.com
   予約専用電話045-440-5577

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Last updated  April 7, 2017 01:30:34 PM
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