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happy harmony

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Adobe accused on software monopoly

Macworld (U.K.)より

「Adobe社、ソフトウェアの独占を訴えられる」
FreeHandユーザーはAdobe社に対する告訴も辞さない構え

Apple社とAdobe社で勃発した争いは拡大しつつあり、2社間で訴訟問題にまで発展する可能性がでてきた。このことは現在Adobe社を相手取り、Adobe社によって開発が差し止められ、事実上棚上げ状態になっているベクターイメージを編集するプログラムとして人気のFreeHandを擁護する5000人規模の強力なグラフィック・デザイナーグループをふたたび活気づけている。

そのグループFree FreeHandは、Adobe社の経営戦略により消滅の危機にさらされているソフトウェアFreeHandを使って生計を立てているデザイナーたちであり、彼らは結束してFreeHandを守ろうとしている。

FreeHandはAdobe社のIllustratorのライバルであるが、2005年にAdobe社によって買収されて以来、アップデートがなされていない。

「AdobeのCS5があらたにリリースされ、何百万ものIllustratorユーザーがついているというのに、なぜAdobeはこうまでしてFreeHandをなきものにしようと躍起になっているのでしょう?FreeHandにはせいぜい見積もったところで20000人から30000人のデザイナーのすきま的な需要があるだけであり、Adobeのような会社がわざわざ心をわずらわすようなことではないでしょう」と、Free FreeHandのスポークスマンであるChristine StephersonはPC Advisorに語った。

「1000通を超える手紙やポストカードが聞く耳をもたないAdobeのもとに送られているんです。その要求は、FreeHandをアップグレードするか、オープン-ソース コミュニティに解放することです。けれど、競合製品を市場から閉め出すAdobe社のこの10年の戦略をみているかぎりでは、その可能性は低いと多くの人たちが感じています」

アメリカ司法省連邦貿易委員会は、iPhoneおよびiPadの開発者に自社のプログラミング・ツールのみを使うように要請したApple社の方針が、独占禁止法に抵触しないか検討に入るのではないかと噂されている。

Stepherson氏はAdobe社がとりうる法的処置を引き合いに出し、「Adobe社がはたして自らの所業を顧みたのか」どうか問いかけている。

Free FreeHandはAdobe社が自社の研究および開発業務のどこに投資するか決定権を持つ私的な企業であることをわきまえているが、もしアップデートをしても将来にわたって使うことのできる製品でないと判断するのなら、Adobe社はその製品をオープン-ソース コミュニティに解放するべきだと確信している。

Free FreeHandはこの件に関してAdobe社のとった買収行為について、法的手段をとることも選択肢からはずれたわけではないとしている。

Free FreeHandはみずからのウェブサイトで「他社の製品をしのぐものを生み出すことができないからといって、企業がその製品を買収し、埋もれさせることはわれわれの社会に害悪をなす行為にほかならない。その行為は非倫理的であるだけでなく、企業の利益という大義名分のもとにこの国の進歩を妨害する行為である」と述べている。

FreeHandはベクターイメージを編集するデザインアプリケーションとして広く使われており、プロフェッショナルなスタジオやグラフィックデザイナーにとって必要不可欠なツールである。それはグラフィックデザイン、ファッションおよびテキスタイルデザイン、イラストレーション、教育、製図産業など、幅広い分野で使われている。それは、ライバルソフトであるAdobeのIllustrator同様、シェイプやエフェクトを限りなく数値で計測可能にしうるベクターソフトウェアアプリケーションなのである。

FreeHandは当初Altsys社によって開発され、ライセンスを持ったAldus社のもとでバージョン1から4までがリリースされた。Aldus社がAdobe社に吸収されたときに、その将来は危ぶまれた。なぜならAdobe社には同じベクターイメージを扱う競合製品であるIllustratorがあるからである。

反競争的特性のために連邦貿易委員会の介入によって買収は阻止され、Adobe社は合併後まもなくFreeHandをAldus社に返還することを余儀なくされた。

Free FreeHandは「基本的に8年ものあいだアップグレードされていないのです」と不満を述べている。

アップデートがなされないということは、もはやFreeHandはあたらしい技術に対応しきれないということであり、FreeHandユーザーのデザイナーたちは古いハードウェアで時代遅れのオペレーティングシステムをはしらせるか、Adobeの主力製品であるIllustratorへの乗り換えを余儀なくされているのである。

FreeHandは早晩、今すぐではないにしてもあと5年のうちにはまったく使えなくなってしまうことが危惧されるソフトウェアなのだ。

Adobe社は自身の製品ページで次のように述べている。「Adobeでは、この4年間FreeHandのアップデートを行ってきませんでした。今後についても、新機能を追加するための開発、ならびにインテルベースのMacintoshやWindows Vistaへの対応を行う予定はありません」

「顧客部門をサポートするため、Adobeの理念に基づき、引き続きFreeHandの販売、およびテクニカルサポート、カスタマーサポートの提供は行ってまいります」

「FreeHandには長年ご愛用いただいているお客様が大勢いらっしゃいますが、アドビでは、そうしたユーザの皆様に対し、このたび発売されたAdobe Illustrator CS3への移行をお勧めいたします。新しいIllustratorは、PowerPCまたはインテルベースのMacintoshコンピュータにもMicrosoft Windows XPおよびWindows Vistaにも対応いたします」

(AdobeのCreative Suiteはその後バージョン5にアップデートされている)

Free FreeHandはベクターイメージを編集するソフトウェアの市場を独占しているとして、Adobe社を告発するのか?

「この問題が包含するもっとも重要なテーマは、消費者が自らの生計を立てていくために使っていきたいと思うプログラムにもはや選択の余地がないということなのです」Stephersonは言う。

「Free FreeHandはデザインの世界において十分に創造性を発揮するためには、市場に競争と選択肢が必要不可欠であると信じています」

「われわれはAdobe社に対し、最新のオペレーティングシステムにおいてもFreeHandが機能するようにアップデートを提供するか、もしくはそれをオープン-ソース コミュニティに解放するように要請してきました」

Free FreeHandはオープン-ソース コミュニティにおいて、FreeHandをすぐさま最新のハードウェアやオペレーティングシステムに対応できるようにすることができると確信している。Sun Operating SystemsのSolarisがOpen Solarisとして、NetscapeがMozilla(Firefox、 Thunderbird、 Camino)として、StarOfficeが OpenOffice (Mac OSにおいてはNeoOffice)として開放されており、 Visio社のIntelliCADの例など、オープン-ソース ソフトウェアにおける幾多の先例があるのだ。

「競争の欠如はAdobeのIllustratorのユーザーのためにもならないと言えます。なんら技術の革新がなされているわけでもないのに、価格がコントロールされるということは、とどのつまりIllustratorのユーザーが脆弱な製品をいちいちアップブレードしなくてはならなくなるということを意味するのであり、たとえIllustratorを使うのがいやになったとしても、ほかにどうすることもできないということなのです」と、Stephersonは警告する。

Free FreeHandはAdobe社に対し、下記のうちいずれかを実行するように要求している。

・FreeHandをオープン-ソース コミュニティに解放する
・FreeHandを他の民間資本に売却する
・AdobeのCreative Suiteの正規のラインナップの一部としてFreeHandを開発し、維持していく

Free FreeHandの5000人におよぶメンバーは以下の人々の人々の尽力によって導かれ、組織化されている。

Thomas Thu Hurlimann氏はスイスのMacworld & Computerworldの前アートディレクターであり、1987年(Aldus社のバージョン1)からFreeHandを使って仕事をしているグラフィックデザイナーであり、マルチメディアアーティストである。シアトルにあるBez DesignのJabez Palmer氏は1986年にMacintosh PlusでMacDrawを初めて使ったが、それは彼の心にぬぐいがたい強烈な衝撃を与えた。ブックデザイナーMark Gelotte氏は、Aldus社のFreeHand 3を使って仕事を始めた。

Free FreeHandにはここからとべます→http://www.freefreehand.org/


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