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ハピー百貨店

ハピー百貨店

しんまい天使ハピーのわたがし作り

ハピーは死んでしまった犬です

天使としてはしんまいさんです



無題.JPG



天国の暮らしはゆかいです

お友達と遊んだり

いろんな形の雲を作ったり

蓮の花のベッドでお昼寝したり...




そうそう

時々おうちに帰って家族の様子を見たりもします。



でも...

家族は毎日ハピーの名前を呼んで

泣いてばかりいるので

そんな時は

ハピーも悲しくなるのです...






天国ぐらしのハピーたちワンコですが

遊んでばかりではありません


ハピーたちは天国工場で

綿菓子作りのアルバイトをしています



ハピー.JPG



雲から作るふわふわ真っ白い綿菓子

神様に割り箸をもらって



くるくる くるくる 

くるくる く~るくる まきつけます



「ドッグフードのあじになれ」と思えば

綿菓子はドッグフードの味になり

「ホットケーキのあじになれ」と思えば

綿菓子はシロップとバターのたっぷりかかった

大好きなホットケーキのあじになりました





ハピーたちしんまい天使は思いました

このアルバイトってなんのため?

だって雲をそのまま食べても

ちゃんとホットケーキあじになるし

ドッグフードのあじになります


どうして綿菓子の形に

巻かなくちゃいけないんだろう





さて

ハピーは天国にきて

ちょうど2年になりました




下界の家族は新しい犬を迎えて

ハピーの事でシクシク泣かなくなりました




笑顔の家族を見るのは嬉しいけれど

もうハピーの事を忘れてしまったみたいで

ハピーはふくざつで悲しい気持ちになりました






アルバイトの綿菓子作りもじょうずになりました



さいきん気がついたことがあります

神様がくださる割り箸に

虹色のキラキラ光る割り箸があるのです



その割り箸で綿菓子を巻くと

キレイな虹色の綿菓子になって

とても美味しそうなのです





でもなぜか

その綿菓子を巻いたワンコは

その綿菓子を食べずに天国工場を出て行って

それきり戻ってこないのです




どうしてでしょう??




お友達のクッキー君は

虹色の綿菓子を作った後

ハピーたちに挨拶もせずに

嬉しそうに行ってしまいました





あの綿菓子はなにか とくべつ なものなんだ





そしてまた数年がたちました

ある日、突然ハピーは思いました



「今日はハピーが虹色の綿菓子をつくる日だ」



ハピーにはそれが分かりました




「神様、ハピーに虹色の割り箸をください」

神様は優しい顔でこう言いました



「今日はとくべつ心をこめて綿菓子を作りなさい」


「ハイ神様」


ハピーは雲の中に虹色のスティックを入れて


くるくる くるくる

くるくる く~るくる


とってもキレイな綿菓子を作り上げました



そしてその綿菓子を大切に持って

いちもくさんに天国工場を出ました





ハピーは虹色の綿菓子の意味がわかりました

ハピーが毎日練習して作り上げた見事な綿菓子

それをプレゼントする人がとうとう来たのです






はじめて天国に来た

しんまい天使の飼い主さんが

天国の入り口でキョロキョロしていました



あれは

ハピーの大好きな家族です


「会いたかったワン」

ハピーはその人の腕に飛び込みました



そして虹色の綿菓子を一本

ブレゼントしてあげました


「ハピーが心をこめて作った綿菓子ですよ」




また会えたねハピー

キレイな綿菓子をありがとう

これからはずーっと一緒にいようね




飼い主さんは新しい犬を迎えても

やっぱりハピーを愛していたのでした

よかったねハピーちゃん



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