Round (About) Midnight(1944)
セロニアス・モンク作曲。モンクの残した数多くの楽曲の中で、もっとも有名な曲です。 歌詞もつけられ、数多くのヴォーカリストに歌われています。
なおタイトルですが、器楽曲として書かれた当時は「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」となっていましたが、
バーニー・ハニゲンが作詞した際に「ラウンド・ミッドナイト」とされたようです。
☆ こんなシチュエーションで・・・
やはりこの曲は「真夜中」に聴きたいです。何となく眠れない秋の夜長・・・
灯りを消して、ここちよい眠りへと誘われたいものです。
※ Thelonious Monk / Thelonious Himself
~眠れない夜に、モンクのソロを聴いていると、夜のしじまの中に溶け込んでゆけそうです。
※ Round about Midnight / Miles Davis
~ワンコーラス終わったところの間奏で、徐々にテンションが高まっていくところがたまりません。 |
The Days Of Wine And Roses(酒とバラの日々)(1962)
ヘンリー・マンシーニ作曲の同名映画の主題歌です。
曲のタイトルからすると「お金持ちの贅沢を例えたものかしら?」
なんて想像してしまいますが、
優雅な曲調とは裏腹に、映画の内容は、アルコール中毒になってしまった若夫婦の 悲惨な生活を描いたものです。
マンシーニは、前年に映画「ティファニーで朝食を」の主題歌 Moon Riverを大ヒットさせ、まさに絶頂期の作品ですね。
ジョニー・マーサの作詞により、多くのジャズシンガーに歌われ
ポピュラーとして定着しました。
※ We Gets Request / Oscar Peterson
~やはりこの曲といえば、オスカー・ピーターソンが筆頭にあげられるでしょう。
軽やかで歯切れよく、映画の悲しさをみじんも感じさせない美しさをたたえています。
この演奏の雰囲気からすると、夜更けにひとりゆったりと椅子に座りながら、
赤ワインの入ったグラスを傾けつつ聴く・・・
そんなシチュエーションが似合うかもしれません。 |
Summertime(1935)
ヘイワード夫妻の小説「ポーギー」をベースに、ガーシュインがフォークオペラに仕立て直した「ポーギーとベス」の中で歌われる有名な子守歌。「時には母のない子のように」をベースに作られた曲で
「夏の暮らしは楽よ、魚は飛びはね、綿もすくすく育っている、だから赤ちゃん、もう泣かないで」といった内容。
☆ こんなシチュエーションで・・・
今や日本の夏は、照り返すアスファルトの日差しが何ともツライところですが、休日の昼下がりにしっとりとこの曲を聴きながらお昼寝・・・なんていうシチュエーションも、いいかもしれませんね。
※ Porgy And Bess / Miles Davis with Gil Evans Orchestra
~ ギル・エヴァンスのオーケストラにのって奏でられる、マイルスのミュートの効いたトランペットの音色が印象的です。
※ My Favorite Sings / John Coltrane
~ 一風風変わりのアップテンポのサマータイム。「シーツ・オブ・サウンド」といわれるコルトレーンワールドが繰り広げられます。 |
You’d Be So Nice To Come Home To(1942)
コール・ポーターがミュージカル映画「サムシング・トゥ・シャウト・アバウト」に書き下ろした曲。
邦題「帰ってくれたらうれしいわ」というのは有名な誤訳だそうで、曲の大意は「君の元に帰り、君を愛せるんだったらさぞ素晴らしいだろうね」という男性から女性へのメッセージを歌った曲です。 この曲でなんといっても印象的なのは、「ニューヨークのため息」こと、ヘレン・メリルが Helen Merrill With Clifford Brown で歌うヴァージョン。どこかけだるい、物憂げなハスキーヴォイスにグッと来ます。
そして、もうひとつ忘れてはならないのが Art Pepper Meets The Rhythm Section の冒頭のこの曲。流暢な雰囲気の演奏が曲のイメージを彷彿とさせます。バックは当時のマイルスのリズムセクションとの共演です。
☆ こんなシチュエーションで・・・
秋の夕暮れ時は、なぜか家路が恋しくなりますね。晴れた夕方、綺麗な夕焼けを眺めながら、この曲をおともに家路を急ぎたい・・・。
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Sentimental Journey(1944)
「7時に私はここを去るの 懐かしの我が家に帰る センチメンタルな旅に出るの」という内容の歌詞で、昭和20年頃にヒットパレードをにぎわした曲。センチメンタルという言葉からは、どうしても秋を連想してしまいます。
まずはドリス・デイの歌唱が有名ですが、この曲の極めつけの演奏は、なんといっても ジャッキー・マクリーンのアルバム 4,5&6 の冒頭で聴けるヴァージョンですね。
「マクリーン節」と呼んでもよい独特の節回しとアルトの音色が旅心へと誘ってくれる・・・まさにこの季節にぴったりです。 きわめて個人的に嗜好しているのが デューク・ジョーダン・トリオの Eternal Travelers でのヴァージョンです。
ちょっと風変わりなタッチのピアノトリオでの演奏ですが、軽やかな演奏で、旅のおともに加えたい1枚です。
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