|
|
|
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く |
冬ですね。
“冬の味覚の王様”ふぐ。最高級とされるとらふぐは、天然ものはわずか1割しかない貴重な味覚だ。その約6割が静岡・愛知・三重の3県にまたがる遠州灘海域で水揚げされているのをご存じだろうか? 新鮮な旬の味を求めて、東京から新幹線で西へ向かった。(榊聡美) ◆国内屈指の好漁場 下車したのは浜松駅。静岡県西部、浜名湖の入り口にある舞阪漁港は、遠州灘で行われている天然とらふぐ漁の拠点のひとつだ。正午過ぎ、延縄(はえなわ)を積んだ船が次々と戻ってくる。 「妙将丸(みょうしょうまる)」の鈴木邦夫さんは「今日は全部で9匹。2匹の日もあったから『まぁまぁ』かな」。 表情が厳しいのは、冬の遠州名物、空っ風のせいばかりではない。 「潮の流れが悪くて、漁獲量は例年に比べ非常に少ない」と、浜名漁業協同組合販売課の一瀬元志課長は説明する。今漁期の予測総量は14トンで、ここ5年の平均の半分以下という。 「遠州灘のとらふぐがなくなったら天然ものは壊滅的。『卓越年級群』といって、5~8年に1回、当たり年が来るんですよ。それを期待してます」と、鈴木さんは前を向く。 遠州灘海域は近年、国内屈指の漁場として注目を集める。沿岸の3県が、連携しながら行う資源管理の取り組みも功を奏している。 漁期は10月から翌年2月の5カ月間に制限し、700グラム以下の小さなふぐは再放流する。稚魚も毎年、放流している。 「放流していないときはもっとひどくて、年間で3、4トンしか揚がらない時期もあった」(鈴木さん) ◆地産地消を実現 ふぐは養殖ものも含め、多くが本場といわれる山口県下関市に集められる。毒のある部位を除く身欠きなどの処理や加工がされた後、全国の消費地へ。かつては舞阪も水揚げの約7割が下関へ陸送され、“逆輸入”していたとか。 そんな中、うなぎに続く地元の特産品にしようという機運が高まり、平成15年、浜松市内に専用の加工処理工場を設立。地域ブランド「遠州灘天然とらふぐ」を立ち上げた。 地元の温泉旅館やホテルは漁期に合わせ、「遠州灘天然とらふぐ祭り」を実施。観光客に地産地消の新鮮な味をアピールする。 ◆食感とうまみ 浜名湖かんざんじ温泉の「ホテル鞠水亭(きくすいてい)」を訪ねた。ここでは、てっさ(薄造り)や、ちり鍋をはじめ、すしや土瓶蒸しなど、ふぐづくしのコース料理が楽しめる。天然ものの身は黄色みがかった色が特徴。弾力のある心地良い食感の後に、えも言われぬうまみが口の中に広がる。ぽん酢や薬味がいらないほどだ。 「『浜名湖で天然のとらふぐが食べられるとは知らなかった』というお客さまが多いですね。特に首都圏からのリピーターが増えています」と、同ホテルの稲葉大輔専務。 下関まで出掛けていたふぐ好きが「ここで十分」と納得して帰るという。 ちなみに、取引単価を比較すると、天然ものは養殖ものの約2倍。しかし、真のA級グルメには、その価値が十分にある。 最後までお読みいただきありがとうざいます。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |