Rutgers Wind Ensemble:AMERICAN IMAGE
Import CDのサイトでラトガーズ・ウインド・アンサンブルのアルバムが安かったので旧譜を3枚購入したうちの一枚。 タイトル通り、アメリカの作曲家の作品とトラディショナルを集めた物で、2000年に収録されている。古い曲が多いが、それらの良さが感じられた。ニクソンの「パシフィク・セレブレーション組曲」(1979)は3つの楽章からなる組曲。「サンフランシスコ生誕200周年記念」という副題も付いていて、各楽章は「パレード」,「祈り」,「ページェント」という名前がつけられている。最後の「ページェント」は「祝祭日などに行われる仮装行列や、華麗・大規模なショーなどのこと」らしい。日本で一般に知られている意味とは違い、日本での意味で考えたらイメージと違うと書いてしまうところだった。ニクソン流のエキゾチックなサウンドが心地よい。日本ではさっぱりだが、アメリカでは継続的に取り上げられている。好きな作曲家なので、日本でも、もっととりあげてほしい。コープランドの「エンブレムズ」(1964)は、なんというか、聞きてを突き放すような素っ気なさが感じられ、個人的にはあまり馴染めずにいた曲。冒頭の不協和音と奇怪なフレーズが拒否反応を起こさせている原因だ。改めて聴いたところ、「アメイジング・グレイス」を使っていることに気がついた。今まで何を聞いてきたのやら。。。。この演奏を聴いて少しはアレルギーが減ったように思う。ロプレスティの「Elegy for a Young American」 、日本では殆んど演奏されないが、滋味あふれる名曲。今回の演奏も悪くない。ウィテカーの「Equus」は吹奏楽に女声合唱が加わったバージョン。吹奏楽で聴いた覚えがあるのだが、どのアルバムに入っていたかネットで調べたがわからずじまいだった。もしかしたら私の勘違い、そんなことはない筈だが。。。どんどん迫ってくる異様な迫力に聞き手は、たじたじとなってしまう。合唱がなければこれほどの迫力は感じられなかったと思う。このアルバムで一番楽しめた曲。続く、ジョナサン・ニューマンの「Monn by Night」は演奏時間が3分30秒と短いが、抒情的な作風で心が静まるのが感じられる。オーエンリードの「Missouri Shinding」(ミズーリの騒動 賑やかなパーティー)は伝承曲「Give the Fiddler a Dram」に基づいた、田舎のホーダウン(スクエアダンス)の印象だ。いかにもアメリカの田舎の雰囲気が横溢していて、楽しい曲だ。オーエンリードがこんな曲を書いているとは知らなかった。このトラックの次に原曲がヴァイオリンで演奏されているのは、気が利いている。最後はギリングハムの「Internal Combustion」(内燃機関)この曲は同じレーベルでスタンプ指揮IUP Wind Ensembleで2000年に録音されていた。どうりで聴いたことがあるような気がした筈だ。スタンプの演奏とは比較していないが、本来真面目な曲のはずが、そこはかとなくユーモアが漂っていて、面白い演奏だった。技術が少し拙いところも、そういう印象を受ける要因の一つで、音楽に何が有効になるかわからないという立派な?例だ。ラトガーズ・ウインド・アンサンブルの演奏は技術的には問題がないが、欲を言えばサウンドにも少し厚みがあればと思った。Rutgers Wind Ensemble:AMERICAN IMAGE(Mark Custom 4238-MCD)1. Emblems, Aaron Copland2. Pacific Celebration Suite, Roger Nixon3. Fanfare for the Inauguration of JFK, Leonard Bernstein4. Elegy for a Young American, Ronald LoPresti5. Equus, Eric Whitacre6. Moon by Night, Jonathan Newman7. Missouri Shindig, H. Owen Reed8. Give the Fiddler a Dram, Traditional9. Internal Combustion, David GillinghamlRutgers Wind EnsembleWilliam Bertz,Conductor