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bunakishike

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2014年10月26日
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カテゴリ:クラシック音楽



最近気に入っている、フランスのソプラノ、パトリシア・プティボンの新作は「風変りな美女」(La Belle Excentrique)と題されたフランス近代のサティ、プーランク、フォーレの歌曲とレオ・フェレやマニュエル・ロザンタルのシャンソン。
作曲家の名前を聞いただけで、その世界が見えてくるようだが、実際に耳にした音楽は予想以上にエスプリやユーモアに満ちていて、大変楽しいアルバムだった。
短い曲ばかり29曲が収められているが、どれもが繊細で活き活きとしている。
プティボンが主役ではあるが、アコーディオンやピアノ曲がところどころに入っていて、変化がつけられている。
そのどれもが粋としかいいようのない演奏で、何とも爽快だ。
サティの「スポーツと気晴らし」からの「競馬」がイントロに使われていて、そこから物語が始まるような趣向になっている。
次のレオ・フェレの「ジョリ・モーム」(おてんば娘)では軽快で粋なアコーディオンに載ってだ男と女の楽しげな歌が飛び出す。
フランスの香りが漂ってきそうだ。
特に気に入ったのは、サティの「そうしようショショット」(Allons-Y, Chochotte!)。
これはシショットという女性とアルベールが出会って、結婚し、子供が生まれるまでを物語風に歌った作品。
オリヴィエ・ピィがアルベール役で参加していて、歌詞が分からなくてもプティボンとの声色を使った掛け合いが、とても面白い。
ちょっとドタバタ気味だがフランス一流のエスプリが感じられ、とても楽しい。
有名な「ジュ・トゥ・ヴー」はピアノにチェロのオブリガートが加わっていて。とてもしゃれた仕上がりになっている。
後半テンポをおとしてじっくり歌う場面はなかなかの聴きものだ。
表題曲の「風変りな美女」は管弦楽曲を4手のピアノ用に編曲したもので、「上流社交人のカンカン踊り」はその第4曲。
躍動的でとても楽しい音楽。
静かな曲ではビブラートを抑えた歌唱から醸し出される透明感が心地よい。
レオ・フェレの「愛する時」(On s'animera)は、少し遅めのテンポで原曲の華麗さは全くなく、プティボンのシンプルでとつとつとした寂しげな歌唱が心に染み入る。
ここではピアノとヴァイオリンを使ったAleksandra Seldarの編曲も優れている。
ロザンタールの「動物園の年寄りラクダ」では打楽器をが中近東の雰囲気を伝えていて、とてもしゃれている。
一応プティボンのアルバムということになっているが、単なる歌曲集ではなく、ベルエポック時代のフランスの雰囲気を伝える実に粋なアルバムだと思う。
久しぶりにフランスのエスプリを満喫した。

プティボン:風変わりな美女 (DGG 4792645)

1.サティ:競馬
2.レオ・フェレ:ジョリ・モーム
3.サティ:風変わりな美女~大リトルネッロ
4.プーランク:祭りに出かける若者たちは
5,プーランク:パリへの旅
6,プーランク:昨日
7.ロザンタール:夢
8.ロザンタール:月を釣る者(夢想家)
9.サティ:ブロンズの銅像
10,プーランク:ルネ少年の悲しい物語
11.サティ:ピクニック
12.サティ:そうしようショショット
13.サティ:ジュ・トゥ・ヴー
14.サティ:風変わりな美女~カンカン踊り『社交のおえら方』
15.フェレ:愛する時
16.サティ:快い絶望
17.フェレ:憂鬱
18.レイナルド・アーン:フォロエ
19.レイナルド・アーン:クロリスに
20.フォーレ:ひそやかに
21.プーランク:バベビボビュ
22.ロザンタール:パリ植物園のゾウ
23.ロザンタール:フィドフィド
24. ロザンタール:動物園の年寄りラクダ
25.プーランク:オルクニーズの歌
26.プーランク:白衣の天使様
27.プーランク:ホテル
28.フランシーヌ・コッケンポット:原野のクロッカス
29.フォーレ:ゆりかご

パトリシア・プティボン(ソプラノ)
スーザン・マノフ(ピアノ)
フラソワ・ヴァレリー(パーカッション)
クリスチャン=ピエール・ラ・マルカ(チェロ)
オリヴィエ・ピィ(ヴォーカル)
デヴィッド・ヴェニトゥッチ(アコーディオン)

録音時期:2013年9月
録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ













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Last updated  2014年10月26日 18時13分57秒
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