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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2015年05月16日
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カテゴリ:ジャズ



以前聴いたアルバムが良かったので、予約して手に入れたアルバム。
レビューが遅れたのは、あまりいいと思えなかったからだ。
最近書かねばと思いながら、ここまで来てしまった。
今回はスタンダードを弾くというコンセプトで10曲収録されている。
すたんだーどといっても、いわゆるポピュラー名曲とか、ジャズのスタンダードはほとんどなく、知らない曲がかなりあった。
ディストリビューターのコピーによると、このトリオの渾身のカバーだ
そうだ。
個人的には、余分な力の入らない自分の好きなスタンダードを演奏したアルバムのような印象がする。
雰囲気が暗く、あまり楽しくならない。
例によって何回も聴いていたら突然良さがわかったという境地になるのに、もう少しというところまでは来ている。
演奏は超強力だが、綺麗に整いすぎているし、重量感がもう少しあればと思ってしまう。
聴く前に期待していたのは、レノン=マッカートニーの「Here There and Everywhere」。
期待とは少し違っていたが、前半の鄙びた雰囲気と後半の桑原の軽快なアドリブが心地よい。
森田悠介のエレキベース・ソロもはまっている。
彼のプレイは全編に渡っていい味を出している。
ピアソラのFinale(Tango Apadionad)の題名通りの抑圧された情熱と次第にアチェレランドする後半の盛り上がりが聴く者の心を熱くさせる。
ピアノソロが熱く、ドラムスが刻む行進曲のリズムが抑圧された世界を感じさせる。
知らない曲だと思って調べてみたら、ピアソラのアメリカン・クラーヴェの三部作の中の「Rough Dancer And The Cyclical Night (Tango Apasionado)」の曲だった。
余談だが、この3部作がSACD化されている。
私が持っているのはノンサッチの2000年盤なので、これを知ったら欲しくなってしまった。
閑話休題
比較のためにピアソラの演奏を聴いてみたが、悲しみの漂う演奏で、桑原のような心にずきずきと刺さるような痛みは感じられない。
今回の解釈のような解釈は、今まであったろうか。
マイルスの演奏で有名な「In Your Sweet Way」は少し早めのテンポで極度に洗練された演奏。
桑原のソロは独特なタイム感覚でイマジネーションが豊かだ。
デューク・ピアソンの「Nomad」はトリオの演奏。
グイグイと進んで行く小気味のいい演奏でドラムスのソロもうまい。
単調なリズムが続く「Barry Lindon」は後半の盛り上がりが凄い。
猛烈なスピードのキングクリムゾンの「21st Century Schizoid Man」は、荒々しさと完璧なアンサンブルがみごとだ。
特に後半のドラムソロは、聴きごたえがある。
ホレス・シルバーの「Blowin the Blues Away 」収録の「Peace」は、昔メロディーの美しさにはまっていた時期がある。
桑原の演奏は落ち着いたテンポで、スケールが大きい。
曲の良さと相まって、ジャズファンにとっては満足度の高い演奏だ。
スクウェアプッシャーの「A Journey To Reedham」はテクノ・ポップのテイストを残しつつも、立派なジャズになっている。
特に、中間部のとてつもないスケール感を感じたのは、上原ひろみトリオを聴いて以来だ。
さすがにポスト上原ひろみと言われるだけのことはある。
冒頭の「Deborah's Theme」はイントロに「Amapola」を加えた11分に及ぶ「感動的な演奏」というコピーだが、個人的には一番おもしろくなかった。

桑原あい トリオ・プロジェクト:LOVE THEME(ewe ewer-1004)

1.Amapola~Deborah's Theme (from “Once Upon A Time In America”)
2.Here There And Everywhere
3.Finale (Tango Apasionado)
4.In Your Own Sweet Way
5.Nomad
6.Barry Lyndon (Love Theme) (from“Barry Lyndon”)
7.21st Century Schizoid Man
8.Peace
9.Grandfather’s Waltz
10.A Journey To Reedham

桑原あい(p)
森田悠介(eb)
須川崇志(b)
石若駿(ds)

Recorded at ONKIO HAUS,Tokyo on Dec. 27,28&29,2014






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Last updated  2015年05月16日 11時33分30秒
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