2883626 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

bunakishike

bunakishike

Recent Posts

Category

Archives

2015年07月26日
XML
カテゴリ:ジャズ



山中千尋メジャーデビュー10周年記念アルバムはなんとラグタイム特集という意表をつくプログラミング。
ラグタイムと知った瞬間から、これじゃ期待できないと思ってしまった。
ところが、ラグタイムから連想される刺激のないまったり感はまるでない。
よく、音楽の世界で××ワールドなんていう表現がある。
要するに、ミュージシャンの作る音
楽世界に聴き手が誘われるみたいな感じだ。
邦人のジャズに限って言えば、この表現にふさわしいミュージシャンはごく限られていると思う。
女性ミュージシャンに限って言えば、それにふさわしいのは 、上原ひろみと中山ぐらいなものだっと思う。
今回も、わたしに予想を裏切って、中山ワールドが炸裂している。
私がラグタイムの固定概念にとらわれていたのかもしれない。
ラグタイムを倍テンポにすれば、速いテンポで自由な(トリッキーなともいう)プレイができる、山中の最も適性のあるフィールドではないかと気が付いたからだ。
こういうのを水を得た魚というのだろう。
そこまで考えていなかった、自分が抜かったということではあるが。。。。
ラグタイムらしいのは、「メイプル・リーフ・ラグ」と正規のテンポで演奏されるボルコムの「Graceful Gohst Rag」くらいなものだろうか。
よく聴いていないとこれがラグタイムかと思うような演奏ばかりだ
結局、彼女にとって曲はあくまでも自分を表現するやめの素材にすぎないのかもしれない。
素材といっても、出来る料理が我々の想像を超えているところが、彼女の凄さだろう。
オリジナル性が強く感じられたのは、「Heliotrope Banquet」。
シンセとエレピが効果的に使われ、原曲がラグタイムとは全く感じられない。
同じ趣向の「The Easy Winers」もいい。
個人的にはアコースティックピアノに行く前までのムードを持続して欲しかったが。。。
キース・ジャレットが「Somewhere Befor」で取り上げていた「New Rag」はあまりラグタイムらしくなく、このアルバムでジャズ・テイストが最も感じられる作品だ。
キースのvortex版を比較すると、テンポが速めで、実にスタイリッシュで爽快な仕上がりだ。
自作の「Uniformity Rag」もこれがラグタイムかと思えるほど重量感と推進力に満ちている。
最後に収録されているボルコムの「Graceful Gohst Rag」は最近の作品ながら色々なピアニストに取り上げられている人気作品らしい。
チャッチーなメロディーが人気の理由か。
ところで、山中千尋の評価は本業以外の問題のために、個人的には下がり気味で、最初この作品も期待外れかと思っていた。
ところが、聴いてみると山中千尋の底知れないイマジネーションの広がりが感じられた。
知らない曲を凄そうに演奏するのは、それほど難しいことではないと思うが、良く知られた曲で聴き手を驚かすことはそう簡単なことではない。
今回のアルバムはそれを実現している稀有な例だ。
山中千尋恐るべし。

山中千尋:シンコペーション・ハザード(BLUE NOTE UCCQ-9024)

DISC1:
1. Syncopation Hazard
2. Scott Joplin:The Entertainer/Ritual
3. Scott Joplin:Maple Leaf Rag
4. Scott Joplin:The Easy Winners
5. Scott Joplin:Dove
6. Scott Joplin:Reflection Rag
7. Scott Joplin & Scott Hayden:Sunflower Slow Drag/Ladies In Mercedes
8. Keith Jarrett:New Rag
9. Scott Joplin&Louis Chauvin:Heliotrope Bouquet
10. Chihiro Yamanaka:Uniformity Rag
11. William Bolcom]Graceful Ghost Rag
DISC2(DVD):
1. Syncopation Hazard
2. The Entertainer
3. Sunflower Slow Drag

Chihiro Yamanaka(p)
Yoshi Waki(b)
John Davis(Ds)

Recorded at Eastside Sound in March 2015








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015年07月29日 18時58分53秒
コメント(0) | コメントを書く
[ジャズ] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.