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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2015年08月13日
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カテゴリ:ジャズ



チャーリー・ヘイデンとゴンサロ・ルバルカバが2005年三月にブルーノート東京で行ったライブを収録したもの。
今頃出してくるなんて、ヘイデン追悼盤の一環なのだろうか。
それにしても、こんなに素晴らしい演奏が日の目をみたのは誠に喜ばしい。
ヘイデンとゴンサロはモントルーのライブの時代から
知っているが、彼のバイオを見るとその1990年はゴンサロが世界的にデビューした年でもあるようだ。
その後も、いくつもの名盤を送り出しているのはご存じのとおり。
ヘイデンがラテン音楽を好んでいることもあり、お互いに音楽的に共感できるところが多いのだろう。
今回のデュオは叙情的で、癒しに満ちた音楽だ。
一聴キース・ジャレットとのデュオに似ているが、キースほど透明度が高くなく、違いがわかる。
それはラテンの成分が多いためだろうか。
ヘイデンはあまり表に出ることがない。
ゴンサロが奔放なプレイを繰り広げているように聞こえるが、コントロールしているのはヘイデンだろう。
気に入ったのは「En La Orilla Del Mundo」。
心に沁みいるメロディーとはこういう曲のことを言うのだろうか。
この曲は、ルバルカバが参加しているヘイデンの「Nocturn」(2001)でも演奏されてた。
続く「My Love and I」は静けさが支配する瞑想的な演奏。
ゴンサロが速いパッセージを弾く場面もあるが、それもすべては静けさの中に消えていくようなとても印象的な音楽だ。
湖にしずくがぽたりと落ちで、静かに沈んでいくような風景が思い浮かぶ。
この曲もヘイデンのカルテット・ウエストで取り上げられていた。
オーネットコールマンの「When Will The Blues Leave」は速いテンポで気分を変えている。
コールマンらしい乾いてウイットに富んだ曲想が、控えめに出ているところがいい。
「Sandino」はヘイデンのオリジナルで「Dream Keeper」で取り上げられている。
ラテンの抒情が高度に昇華された形で表現されている。
ゴンサロの奔放なピアニズムが魅力的だ。
アウグスティン・ララの「Solmente Una Vez」(ただ一度だけ)はあまりにも有名な曲だけに、演奏する方もある種の難しさあると思うし、聴き手も少し恥ずかしい気持ちになるものだ。
ここではそんなことはまるでなく、高度に洗練された音楽になっている。
この曲でこれほど瞑想的な演奏は聴いたことがない。
可能性はないと思うが、キース・ジャレットが弾いたらどうなるか聴いてみたいものだ。
この曲も名盤「Land of The Sun」(2004)で取り上げられていたが、その時は鄙びたラテン色を出した普通の演奏だった。
同じ曲でもこうも変わることもあまりないと思う。
最後は、これも「Nocturn」に収録されていたゴンサロの{Transparence」。
ここでもゴンサロの圧倒的な表現力に圧倒される。
「En La Orilla Del Mundo」もそうだが、「Nocturn」ではジョン・ロバーノの輪郭のぼやけたテナーやストリングスが加わり、ダイレクトにラテンの哀愁が感じられるものの、今回のより純度の高い演奏の方が訴える力が強い。
少しオフ気味にとらえられた、空間を感じさせる録音は会場のノイズも少なく、二人の対話を聴くのにふさわしい。
また、カバーフォトのセンスがいい。
どこの橋かわからないが、豪華な屋形船とのコントラストが鮮やかだ。
Trey Ratcliffというニュージーランド出身の写真家によるものだが、大胆な構図で夜の照明に照らされた橋の裏側とそこを通過する豪華な屋形船の妙が何ともいえずいい。
氏のホーム・ページを見ると素晴らしい写真がいくつも載っている。
風景写真が主だが、どうすればこういう光の切り取り方ができるのか思えるほど芸術的だ。

Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba:Tokyo Adagio(IMPULSE 0602547299260)

1.En La Orilla Del Mundo
2.My Love And I
3.When Will The Blues Leave
4.Sandino
5.Solamente Una Vez (You Belong To My Heart)
6.Transparence

Charlie Haden(b)
Gonzalo Rubalcaba(p)

Recorded Live at Blue Note Tokyo on March 16-19,2005








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Last updated  2015年08月14日 06時32分24秒
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