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bunakishike

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2016年04月17日
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カテゴリ:クラシック音楽



去年信時潔という作曲家の没後50年を記念して彼の代表作「海道東征」が3箇所で演奏された。
新聞でそれを知って大阪の公演に行こうとしたのだが、チケットが取れず断念。
その後東京藝大でも演奏されることを知ったが、ここでもチケットが取れずあきらめてしまった。
この時の藝大の演奏がNAXOSで発売されることを知り、発売を心待ちにしていた。
先週手に入れて何回か聴いた。
この曲は皇紀2600年を記念して1940年に作曲されたもので、この時はリヒャルト・シュトラウスとかブリテンの作品も生まれている。
歌詞は北原白秋が新たに作詞したもので、天地開闢から神武天皇の即位までを描いている。
北原自身は、これを第1部とし、第2、第3部も完成したいと考えていたが、果たせなかった。
「海道東征」を初めて聴いたが、曲としては名曲と言えるほどではないと思う。
ナショナリズムの色が感じられるところが、好悪の分かれ道だろうか。
私の様な右寄りの人間でもそう感じるのだから、左巻の連中は拒絶反応を起こすだろう。
8楽章からなり1楽章と最終楽章は同じ旋律が使われている。
2管編成で、サウンドはシンプルというか素朴でさえある。
そのシンプルさが、古の日本の鄙びた風景を思い起こさせるようで、この曲の内容にぴったりだ。
第5楽章は国津神の椎根津彦(槁根津彦)が亀の背にのって、磐余彦の一行の水先案内をしたというエピソードによるもの。
児童合唱が入り、楽しげで、のんびりとした風景が目に浮かんでくるようだ。
それから民謡音階を用いた第4楽章「御舟謡」が船出にふさわしく、晴れがましい気分が良く出ていて楽しかった。
そういう意味では、例えば建国の日に聞く曲としてはふさわしいように思う。
藝大オケはサウンドが洗練されていない。
弦はそこそこなのだが、管がいまいちなのだ。
今回の演奏会では、楽譜の見直しが行われ、初演に近いテンポで演奏されたようだ。
ブログなどを見ると横浜シンフォニエッタと大阪フィルの演奏は今回より速いテンポで、藝大の演奏は遅すぎるという感想が多い。
曲が微温的で、さらにテンポが遅いので間延びしている。
特にエンディングはためを入れて、重々しく終わっているが、楽想が貧弱でいまいち盛り上がらない。
なので、曲のアプローチとして適切か疑問がある。
もっさりと進行する場面もあり、全体に洗練度が不足気味。
合唱は文句なく素晴らしい。
独唱は許容範囲内。
オケは活躍する場面が少なく、物足りない。
「弦楽四部合奏」は湯浅卓雄により弦楽合奏に編曲された版によっている。
モダンで洗練された響きが聞かれ、個人的にはこの曲の方が耳になじみやすい。
ただ、構成が弱く、何回も聴いていると飽きてくる。

信時潔:交聲曲「海道東征」(NAXOS NYCC27300)

1.信時潔:交聲曲「海道東征」( 北原白秋 作詩)
9.我国と音楽との関係を思ひて(小山 作之助 作歌)
10.絃楽四部合奏

菅英三子(s)
平松英子(s) 
永井和子(ms) 
寺谷千枝子(ms) 
永田峰雄(tn) 
甲斐栄次郎(br) 
福島明也(br)

東京藝術大学音楽学部声楽科学生
NHK東京児童合唱団
東京藝大シンフォニーオーケストラ
湯浅 卓雄(指揮)

録音:2015年11月28日東京藝術大学奏楽堂









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Last updated  2016年04月17日 15時34分08秒
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