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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2016年06月21日
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noguchi201606.jpg 先日触れたジャズ評論家の野口久光氏が評論を始める前の仕事だった映画のポスターを集めた展覧会が土曜日から始まっている。
映画の後に見に行った。
氏の仕事ではジャズ評論で出会ったのだが、その後の人生氏が絵を描いていることも知った。
ミュージシャンのイラストを目にしたことも度々ある。
戦前からの仕事は映画のポスターの制作で1000点も作ったそうだが、私は初めてお目にかかった作品が殆ど。
氏が東京芸大を卒業していることも知らなかった。
ポスターは主に水彩で、時折色鉛筆を使った作品もある。
原画が油絵の作品もあるが1,2点しかない。
氏のポスターの特徴は、あまり書き込みすぎないで、さっと仕上げていることだろうか。
商業的な作品なので、短時間で仕上げなければならないのだろうが、鮮やかだ。
人物は写実的だが、簡単な線で特徴をよく捉えていると思う。
特に女優がとても美しく描かれていて、本人たちも嬉しいのではだろうか。
また赤の使い方が鮮やかで、強いインパクトがある。
氏のポスターを見ていると、その映画を見たくなる。
ポスターの本来の使命が果たされている、いいポスターだと思う。
務めていた会社が東宝東和だったためか、フランス映画のポスたーが大部分だ。
その他は日本のポスターが少々、ドイツ映画は1点くらいしかなかったと思う。
フランス映画と氏の作風の相性がとてもよく、本国のごてごてしたポスターとは大違いでフランス映画の軽妙さが伝わってくる。
殆どの字も手書きで、とても味わいがある。
戦前のポスターは字が左から書かれているので、慣れない私は解読するのに時間がかかった。
氏の戦前に書かれた映画ノートも公開されていた。
イラストにグラフィクスの文字が細かく記されていて、その几帳面さと丁寧さに驚いてしまった。
個人的なメモでも手を抜かない、氏の物事に対するこだわりが強く感じられた。
この前、氏に言及した後、いろいろなことを思い出した。
レコード芸術誌でジャズの月評を担当していたことも思い出した。
氏の評論は自分の考えを強く出すのではないが、納得させられる評論だったと思う。
ジャズのイラストも多数展示されていた。
その中に、1979年のカウントベーシーの岩手公演のポスターがあり嬉しかった。
この展覧会を見ているうちに子どもの頃の映画館の事をカラフルな看板と共に思い出してしまった。
当時は地元にも映画館が3館あった。
歩いていける距離にあったので、いろいろな映画を見られるにしても、車で30分以上かけないと映画を見に行けなくなってしまった現在に比べると、ある意味豊かだったのかもしれない。
帰りに図録を求めたが、サイズも小型で、収録している数も多いため、すべての作品が1ページ一枚どころか、4作品が載っているページもあり、これから実物を想像するのは難しい。
映画のポスターの大きさも、よく考えられていることを教えられた。

野口久光 シネマ・グラフィック展 岩手県立美術館
2016年6月19日 鑑賞








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Last updated  2016年06月21日 21時19分47秒
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