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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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ミロスラフ・ヴィトウスの新作はウエザーリポートの音楽を取り上げている。
ウエザーリポート時代の曲が5曲で、そのほかヴィトウスのオリジナルが5曲収録されている。
彼がウエザーリポートに在籍していたのはバンド結成からそれほど長い時間ではなかったと思う。
こういう内容でアルバムを作るのは、彼なりのこだわりだろうか。
雰囲気はヴィトウス在籍当時のウエザーリポートの雰囲気が色濃く出ている。
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原曲を換骨奪胎したような編曲で、全然別な音楽と言ってもいいほど変容している。
規則的なリズムに乗った音楽ではないので、なかなか音楽に没入することが出来ない。
彼が退団した後の曲も取り上げられているので、純然たるウエザーリポートの音楽を演るというのがコンセプトなのだろう。
ただし、現在のヴィトウスが考えるウエザーリポートの音楽という鍵かっこが付く。
超人気曲である「バードランド」を取りあげているあたり、彼のこだわりのなさが表れていると思う。
彼も音楽バカの一員だったことがわかって、なぜか嬉しくなってしまった。
この曲のイントロにドヴォルザークのチェロ協奏曲の主題がちょろっと出てくる。
理由はわからないが、彼がチェコ生まれだったことを思い出した。
ウエザーリポートの曲の他にヴィトウスのoriginalブルース3曲が収録されている。
編成が2テナー、2ドラムスにキーボードとヴィトウスのキーボード、ベースという特異な編成。
音楽がもりもりとせまってくるところは、なかなか迫力がある。
そういう意味で、この編成は成功していると思う。
それにしてもこれが68歳の老人の音楽とは思えないほどチャレンジングな音楽で、彼の若々しい感性に驚く。
今時珍しいシリアスミュージックなので、万人に受け入れられるか疑問が付く。
少なくとも若者が聞くとは思えない。
ウエザーリポートと同時代を生きてきた人たちのための音楽だろう。
最後の「Morning Lake」の効果音?は雷の音だろうか。
あっても邪魔ではないが、どういう意図で入れたのだろうか。
録音は極めて優秀で、彼らの立体的なサウンドが楽しめる。
所で、最近のECMのジャケットのデザインが気になる。
白地に文字だけのデザインのことだ。
今は、種類は多くないが、同種のデザインがふえたら、どれがどれだか判断できなくなる。
どういう方針なのかわからないが、困ったものだ。
なお、ディストリビューターのコピーにある「Juggler's Issue」は演奏されていない。
ヴィトウス在籍時の曲だということだが、名前を変えたのだろうか。
Miroslav Vitous:Music Of Weather Report(ECM 2364 3772956)
1. Scarlet Woman - Variation 1
2. Seventh Arrow
3. Multi Dimension - Blues 2
4. Birdland Variations
5. Multi Dimension - Blues 1
6. Pinocchio Variations
7. Acrobat Issues
8. Scarlet Women - Variation 2
9. Multi Dimension - Blues 3
10. Morning Lake
Miroslav Vitous(b,key)
Gary Campbell(ss,ts )
Roberto Bonisolo(ss,ts)
Aydin Esen(key)
Gerald Cleaver(ds)
Nasheet Waits(ds)
Recorded Universal Syncopations Studios March 2011
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Last updated
2016年08月26日 17時28分49秒
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