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続・家出事件を振り返る

ダウンタウンには沢山のバーやクラブやレストランが
ひしめき合い、
夜中の2時に一斉にお店がクローズする。

カリフォルニアの法律では2時に一般のバーは
店を閉める事が義務付けられている。

よって夜中の2時のダウンタウンの通りは
酔っ払いで溢れかえり、
人々が大勢通りに出てワイワイ騒ぎ、帰途につく。

その大勢の人の集まる
公共の場でパンツを一斉に脱いで
おしりと????を出した若者たちは
車に逃げ込みクラクションを鳴らして
警官を呼ばれる前にすごい勢いで走り去った。

(何の事かわからない方はひとつ前の日記から
読んでください。続きもんです)

その3台目の車の中に一人座る女性。
それが私なんて、
信じられな~い!!

車の中からFワードを連発する
友人達。
もうこんな下品な奴ら御免だわと
怒り狂う私。

車の中で私はカンカンに怒っていた。
そんでもって旦那にガンガンに文句を
言った。

それまでの溜まりきった私の
心の中の膿が大爆発を起したかのように。

あなた一体何考えてるの?
もうこんな酔っ払いでクレイジーな
人たちを家に泊めるのはコンリンザイ御免よ。

彼らを泊めるのなら
私が家を出るしかないわね。
と鼻息荒く怒鳴った私。

それは旦那が、
"じゃあ今夜は彼にはホテルに泊まってもらおう"と
言うと予測した言葉だった。

夜中の2時だったけど
そんな事を気を遣う余裕は私には
残されてなかった。

するとだんなが思いがけない発言をした。
なんて言ったと思う?

シャットアップ!(シャラップ/黙れ!)よっ!

普段やさしい旦那がそんな事言うなんて
信じられなかった。
そんな事言われたのは初めて。
この世が終わったような気になった。
精神的にもう限界だった私。

家の前に車が着いたとたん、
私はテクテクと一番先に家に入り、
スーツケースを持ち出して
身の回りの物を全部詰めた。

友達はすごく心配して
What’s wrong? What’s wrong? 
って言ってたのが後ろで聞こえていたけど
完全無視の私。

旦那は止めるのかと思ったらしらんぷりで
見てたような気がする。

私が散々車の中で文句を言ったので
怒っていたのと、
酔っていて思考が回らないのと、

まさかこの私が、
人一倍怖がりやのこの私が
カリフォルニアの見知らぬ地で、
夜中の3時前に家を出るなんて冗談だと
思ったと思う。

だけど私はすごい速さで荷物をまとめ出て行った。
取ったばかりの免許書を握り締めて車に荷物を
放り投げて走り去った。

正直、すごく怖かった。
殺人事件なんて日常茶飯事に起きるこの町で、
いく所?
夜中の3時に?
そんな場所はなかった。

泣きながらハイウェイを運転した。

二時間ほど走りまわって、外が白み始めた頃、
私は家の近くに戻ってきた。

たった一人だけのご近所に住む顔見知りの
日本人の女性の家のドアを叩いた。
15歳年上のその方に泣きながら事情を話すと
家に入れて黙ってお布団をひいてくれた。

少し休んだらお話を聞くわねって…

あ~、あの瞬間今もずっと忘れられない。
本当に本当に嬉しかった。

その方とは近くの高校で週に3回行われてる
外国人の為の英会話の講習で
何でかおしゃべりをしただけの知り合いでした。

年は離れていたけど何故か気があって、
その後、言うまでもなく私の大切なお友達の一人に
なりました。

結局そこに3日間も泊まらせて頂きました。
その3日間一度も家には電話しなかったんだけど、

なんと旦那がその間、
そこへ2度ほどチャイムを鳴らして
家の妻が来ていないかと探しに来た!

その女性に堅く口止めをした私は
心臓どきどきで部屋の隅に隠れていました。

そして、4日目に家に電話をした私…
"今ホテルにいるの。"

旦那が頼むから帰ってくれというのに、

"もう日本へ帰るわ。
あなたは友達と生涯暮らせばいいじゃない?"
と言ってやった!

ちょっとこらしめてやろうと
思っただけで本気じゃなかった私。

そしたら、、、
旦那が突然、涙声になった。

家の旦那ってたとえナイフが胸に刺さっても
オラァ~と抜き捨てて、もう一回刺して見ろ!
と言えるような男の強いイメージがある。

そんな旦那の涙声は突然で本当に
驚いた。

I’m sorry. I’m sorry.
と必死に涙をこらえ、電話口で
誤る旦那。

それで家に帰った私。
旦那は私があの時、ご近所にいた事を
未だに知らない。

だって、たんか切って家を出てきたのに
あんな近所にいたなんてカッコウ悪くて
言えやしなかったし、
私の頼みで嘘をついてくれたあの女性を
嘘つきにはしたくなかった。

家に戻ると他の友人は全員いなかったのに
ショーン(マントの男)だけはいた!
神経が普通じゃないからそれは当たり前の話だけどね。
フゥ~( ̄_ ̄;)

ショーンが言うには旦那は私が出て行った朝、
事の重大さに気がついて
この三日間何も食べずにホテルというホテルに
かたっぱしから電話をしていたらしい。

確かに少し痩せていた旦那。
ショーン曰く、旦那は一言も口を聞かなかったとも言う。

ホントか?
普段、機関銃のように喋ってるのに?

まぁ、
その私の家で事件以来は
友人を泊めてもいいか?と
先に私にちゃんと確認するように
なった旦那。

そこで私は、
う~ん、この人は1週間ね。
この人はお行儀がいいから2週間OKね。
とか、
まるで税関の役人みたいに
判断を下す権限が与えられた。

そう、
私の革命は成功したのだ!

しかし、
まだまだ甘い私。
ずうずうしい奴にはついつい負けてしまう。

本日私は旦那にメールを出した。
まだ返事は来ていない。

もしも、ショーンがハワイに引越ししたら?
を想定した決まりごとを早々と旦那に書いて
送りつけた。

さて、なんと返事が来るのだろう。
今から楽しみ。

その手紙を書いてからは幾分心が
すっきりしている私である。


次のお話は「こいてますか?」


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