カテゴリ:その他
今さらではありますが、「虚言の城の王子」に出演してくれた役者さん達について書こうかと。
本日は主役の「皆瀬」を演じてくれたりょうちんこと、加藤良輔くん。 なんとも、がっつり主役でございました。座長。 昨年の「深海のカンパネルラ」の多田くんもそうだったけど、加藤くんも最初から最後まで舞台出ずっぱり。ただの一度もはけません。 ご覧頂いた方はお分かりかと思いますが、全ては皆瀬の想像とも言える(そうでないとも言えますが)内容だったので、舞台から消えてもらうわけにはいかなかったのです。 そのため、シーンの切り替えも、他の登場人物の登退場も、ほとんど彼がきっかけ。 覚えなきゃいけないことは山のよう。台詞も山のよう。 ラスト30分〜40分はまさに怒濤。 堪えて堪えて堪えてきたものの吐露。からの破綻。からの挫折。そして最後に浮かび上がる自分なりの答え。 全てのシーンは、その答えにいきつくために存在していました。 つまり、「りょうちんコケればみなコケる」という構成の芝居だったのです。 肉体的にも精神的にもきつかったでしょうが、そこはもう、主演として、座長として、やりきってもらうため、稽古から相当追い詰めさせてもらいました。 後半の、病室でのカズとの言い合いのシーンは、最初うまくできずに頭を抱えていました。真摯に取り組み、演出の言葉も理解している。頭では分かっていてもそれができない。 そのことを心から悔しがっていました。 しかし、ある日の稽古でいきなり覚醒したように感情がつながり、それ以降は水を得た魚のようにみるみる駆け上がっていきました。 そして本番、十二ステージどの回もぶれることなくやりきってくれたのです。 空想組曲十回目の節目となる公演、その主演を彼におねがいして本当に良かった。 稽古への臨み方、みんなを楽しませようとするエンターテイメント性、決して弱音を吐かない負けん気、千秋楽のカーテンコールで見せた涙、不器用な挨拶、そのどれもが愛おしい。 加藤良輔、また必ずやりたい役者です。 ほんと、おつかれさま。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.03.17 23:48:50
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