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テイルズオブデスティニー2

英雄ってなんだろう
テイルズオブデスティニー2
2002年11月28日

ご存知テイルズシリーズの第四作にして
第二作テイルズオブデスティニーの正統な続編。
それがこのテイルズオブデスティニー2。
舞台はデスティニーの18年後、スタンとルーティの息子カイルを主人公とした
「運命を解き放つRPG」。
戦闘中の掛け合いやグレードシステムなど
近作では既に定番となった要素を多く取り入れた意欲作。
事実僕もストーリー6週くらいはしてるし
裏ボスであるマグナ様を(難易度ノーマルだけど)
前衛キャラで単独撃破する程度くらいにはやりこんだ。
下手なことを書くことはないと思っていただこうッ!

…しかし解せぬ、このデスティニー2、妙に評判悪いのよね。
戦闘面での評判は歴代最高との呼び声高い、
多分凝り度でいえばリバースと互角だろう。
では何がダメって曰く、ストーリーがクソなんだと。
よろしい、ならば確かめてやろうじゃない。

つーわけで一部の迷いもなくスタート。
子供たちと一緒に冒険ごっこの途中でオウルベア(=雑魚)に襲われていきなマジヤバイ状況。
いい歳こいて何やってんだと思わなくもないですが
多分カイルの英雄願望によるものなんでしょうな。うん。
助けにやってきたロニ兄貴の助けを借りてオウルベアをやどうにか撃破。
ルーティの経営する孤児院になんとか帰り着きます。

そしてロニ兄貴の持ってきた儲け話、
なんと近所のラグナ遺跡に300万ガルドの価値のあるレンズ(不思議な力を持つ結晶状の物質)
があるとのこと。
なんでそんな話お前が知ってんだとか
ラグナ遺跡=デスティニーでの天上都市クラウディス、
すなわち18年間遺跡ほっぽってたのかとか
色々ツッコミたいですがスルー。
それを聞いたカイル、そのレンズを調査隊に取られる前にかすめ取って
この貧乏孤児院を立て直そうじゃねーかと一念発起し遺跡にレッツゴー。
正真正銘本物の冒険に大ハッスルです。
道中ロニ兄貴が回復術ヒールを覚えたり戦闘指南してくれたりと
兄貴っぷりを遺憾なく見せつけてくれます。
ボスのブエルもロニ兄貴の助言もあって瞬殺し
300万ガルドの巨大レンズの前に立つ…すると、
レンズが光って砕け光の中から一人の少女が現れた…
なんでもその少女は英雄を探しているんだそうで。
カイルはオレが英雄だなどと図抜けたことをぬかしますが
当然スルーされました。ここまで突き抜けて痛々しい主人公はそういません。
少女が立ち去ると同時に調査隊が最深部に突入。
どうも公的機関から派遣されてたようで、
レンズがなくなってるのを知られると
カイル達は殴り飛ばされ牢獄にぶちこまれました。
テイルズシリーズの主人公は大抵一回は投獄されてる気がしますが
まさかクレスより早い段階でとっ捕まる主人公がいるとは思いませんでした。

牢獄の中でハンモックに寝転がっていたリオン仮面の男と遭遇。
ぶち込まれてなお英雄英雄やかましいカイルに
「英雄とは、過去の功績に対して人々から贈られる称号。
自らなろうとするものではないし、
ましてやなりたいと思ってなれるものでもない。」
と後のストーリーにも大きく関わる名言を吐いてくれますが
ともかく英雄になりたいカイル君は意に介さず。
この黒衣で仮面の凄い格好の男、脱獄に協力してくれるらしい。
名前を聞くと好きなように呼ぶがいいと訳ありっぽいことを言うので
カイルはこの男に即興で「ジューダス」と名付けます。
ジューダスとはキリストを売った裏切り者、イスカリオテの「ユダ」の英語読み。
コイツの正体を考えるとものすごいセンスだと言えます。
リオン仮面男の仮名も決まったところでさっさと脱獄、
ジューダスは離脱しカイルとロニ兄貴は孤児院に帰宅。
この一件でカイルは旅に出ることにしました。
目的はラグナ遺跡で突然現れて立ち去っていった少女に
自分が英雄だと認めさせること。そして英雄となること。
ジューダスの言ったことはどうやら既に頭から抜け落ちてるらしい。
ここまで英雄英雄言ってるとアミバ様の「俺は天才だ~!!」みたいな様式美にも見えてきます。
このアミバ様をほっとくのもアレだとロニ兄貴もお守りとしてついていくことにしました。
目的地は孤児院のあるクレスタに一番近い「英雄」の居場所、
四英雄フィリアのいる聖都アイグレッテ。
野郎二人でアイグレッテにたどり着き、
犯罪スレスレの方法で神殿にいるフィリアに会いにいくと
既に少女はフィリアと会っていた。
どうやら少女は英雄の力を必要としてるらしい。
話を聞いていると突然斧を持った変な男、
後にシリーズの名物キャラとなるバルバトス・ゲーティアが出現。
こりゃ黙って見てるわけにはいかねーぜと
カイルロニ兄貴は突貫、いつの間にかいた仮面ストーカージューダスの協力も得て
どうにかバルバトスを撃退。
ここで少女リアラとジューダスが正式に加入。
リアラの態度が変わりすぎて面白いです。

次の目的地は空気王ウッドロウの住むハイデルベルグ。
道中リアラが沈みかかった船を物理的に浮かせたり
バッチリ聖女様な行いをなさっていました。
ウッドロウと会って、カイルが周りから「スタンの息子」としてしか見られていないのに
気付いたのはジューダスだけ。ロニ兄貴より余程保護者してます。
そのうちウッドロウもアイグレッテで見た聖女エルレインに襲撃され、
止めに入るとリアラは光に包まれどこかに飛ばされてしまいました。
当然光に突っ込むカイル、後を追うロニとジューダス。
主人公の面目躍如といったところですがこの場合
間違いなくなにも考えていません。

たどり着いた先はなんと未来のアイグレッテ。
右も左も分からない上にロニとジューダス保護者組ともはぐれ
どうするんだカイルと思ったらなんとリアラはこの時代から来たことが発覚。
たまたまやって来ていたホープタウンの住民空気ナナリーと出会い
カイルとリアラは作り物の幸せで飾られたアイグレッテと
苦しくてもあるがままに生きているホープタウンの
二つの現実に直面します。
リアラはこの差に何か思う所があったようです。
ホープタウンで保護者組とも合流、
とりあえずは元の時代に戻ってウッドロウを助けるため
聖地カルビオラに相変わらず犯罪まがいの方法で突入、
リアラの上司(?)である女神フォルトゥナの力でめでたく現代に回帰。

ハイデルベルグに戻ってくるとなんと城に保管してあった
レンズがなくなってるっていうのでエルレインを追いかけることに。
しかしこの大事件を前に、未来で見たことに対する
意見の相違もあってカイルとリアラは決裂、リアラ離脱。
どうやら一人でエルレインを止めに向かったらしい。
しかしこのときの殺し文句が
「カイルは聖女でも…英雄でもないじゃない!」
なんで聖女を入れたんだお前。

ともかくアイグレッテの神殿に殴りこむと
案の定リアラはエルレインにとっ捕まってました。
何しに行ったんだお前。
エルレインは人々を等しく幸せに導くために
かなり歪んだ手段を使おうとしているらしく
自称英雄カイルとは当然相入れない。
実力行使でぶちのめすとエルレイン逃亡。
ここでリアラはやっとこさカイルを英雄と認めるに至りました。
図らずもリアラにとっては英雄となったわけですな。
一息つく間もなく、エルレインの本命は奪ったレンズを積載した飛空艇「飛行竜」だったらしく
こうなったらレンズを使わせないために飛行竜ごと海に叩き落とそうと飛空艇イクシフォスラーで飛行竜に突撃。
異様に回避の高いグラシャラボラスを撃破し飛行竜轟沈。
これ、海に落ちたからよかったけど
陸地に落ちてたらとんでもない事態じゃすまなかったぞ。

飛行竜は止めたものの、墜落場所から何故か時空の乱れが発生。
巻き込まれてたどり着いたのはなんと、
エルレインの力なくしては何者も生きられない異世界。
フォルトゥナはスルーですかそうですか。
記憶喪失のフリしてこの世界の常識を聞き出したジューダス、なかなか役者です。
各都市に残った記録装置を調べていくと
この世界は天地戦争で天上側が勝利した後、
エルレインが干渉した世界だと発覚。
なんでカイル一行が歴史改変の影響受けてないのとか突っ込むはおいといて
(多分リアラがいたおかげでしょう、そうしましょう)
この世界を元に戻すためには自分達も天地戦争時代に行き
歴史の流れを正しい方向に導くしかないという結論に到達。
未だに天に浮かぶダイクロフトに殴り込み
ジューダスがリオンだったことが今更明らかになり
カイルとロニの、ナナリーの、ジューダスの夢を見て天地戦争時代へ。

天地戦争時代に到着、
こいつさえいれば何でも解決するんじゃねーのと思える
天才ハロルドの部隊に入ったりゴミあさりさせられたり
アトワイトが実はこの時代の人間だったバルバトスにさらわれたり
カイルが軍全体の統率を優先したディムロスに「あなたは英雄じゃない!ただの腰抜けだ!」と愉快極まる発言したり
実はこの時代の人間だったバルバトスが「いっそ俺の女になれ!」発言したり
バルバトスを張り倒したりして天地戦争の終わりを見ることに成功。
しかしバルバトスは神の眼の前で待つと言い残し逃亡。
どうでもいいけど敵キャラ逃げてばっかりな気がするね。

そういうわけでまたまた時間移動、
今度は18年前、スタン達が戦った時代。
ダイクロフトに入ってバルバトスを再びぶちのめすだけの時代。
戦闘曲がデスティニーのアレンジである辺り分かってるなぁ。

紆余曲折あって現代に再帰、
そして未来にちょっとだけ行ってカルビオラに行って
現代に戻ってきて…
この節えらく適当な気がするけどホントにこんなんだから仕方ない。

この時点で最後の敵がフォルトゥナであること、
そしてフォルトゥナを倒せばリアラも消えてしまうことが発覚。
リアラか世界か二つに一つの選択を迫られたカイルは
「オレはもう戦いたくない!英雄なんかやめてやる!!」
とディムロスに言ったことをそのまま叩きつけられる腰抜けっぷりを発揮。
それでも答えを出さないわけにはいかないので
かつて世界を救った英雄の話を聞きに行きます。
ウッドロウは「考える」「もっと考える、答えが出るまでね」と
答えを出せるのはカイルしかいないと諭し、
フィリアは愛する人を守る為に裏切り者の汚名を被って死んだリオンの話をしたり
カイルが答えを出すための手助けをしてくれます。
カイルも前半の英雄英雄やかましかった
救いようのないアホっぷりはなりを潜め、
自分なりに考えて答えを出そうとします。
リアラも初めてカイルと会ったラグナ遺跡に二人で向かったり…
(そのときの印象は最悪といって差し支えありませんが)
そしてカイルは神にケンカを売ることを決意。
フォルトゥナのいる「神のたまご」に向かいます。

最深部で近づいただけで愚かな愚かな言いつつ反撃してくるエルレインと決着をつけた後、
フォルトゥナとの最後の戦いになります。
戦闘開始前にメニューが開きますが、
このときステータスでジューダスの立ち絵をを見ると
仮面が外れています。ニクい演出。

フォルトゥナと対峙した一行は
「押し付けられる幸せなんか本当の幸せじゃない」とそれぞれ言い放ち、
最後にカイルが「もう神はいらないんだッ!!」

浮いたりワープしたりどこかの王を想起させる鬱陶しさのフォルトゥナを撃破し、
神のたまごの核を破壊。リアラは消えてしまい、
神の分身であったエルレインが改変し続けた歴史は元に戻り
リアラの時間移動によって出会った仲間たちも元の時代に戻り、
全ては「なかったこと」になってしまう。
消えていく仲間たちの言葉がすごくグッとくる。
ジューダスがデレるあたりとか。

最後にカイルの
「未来は、ここにある…ここから、始まる…
そうだろ、リアラ…?」
で締めくくられる。

エピローグとして本来あるべき姿の世界、
スタンが生きている世界での物語が始まる。
実は世界中船などで行ける範囲では全て巡ることができ、
ホープタウンまで足を伸ばせば子供時代のナナリーに会えたりして面白い。

この世界のカイルは至ってまともで
英雄英雄うるさくないどころかジューダスの言った
英雄たりえることについて語ったりもする。
旅に出る決意をすることは同じだけど、
結末を考えるとすぐ帰ってきたのかな…とか考えたり。

総括するとストーリーは前半はともかくそれほどひどくないんじゃない?
時間移動しすぎかとは思いますが。
むしろ後半はもっと評価されるべき。

テイルズ恒例のやり込み要素は凶悪。
数回しか戦えない敵がドロップ率数%の装備落としたり
ハロルドの配膳ゲーム・寿司ゲームが凄まじい難易度だったり。

以上のミニゲームやらアイテム出現率やら
一部の敵が異様に強いなどの部分を除けば
バランスもかなり良好だと思います。
数多いやり込みも行われているだけあって
やっぱそれだけ愛されているのでしょうね。

個人的にはかなり気に入っている作品。前半以外は
周回プレイも気合い入れてやってみましょう。
馬鹿カイルをもう一度見る羽目になりますが。

以下偏ったキャラクター紹介。

・カイル
主人公。後半にいくにつれて成長し綺麗になる。
動きの早い完全なる前衛タイプ。
詠唱キャンセルによる爆炎空破ループは凶悪。
他のキャラに比べて影は薄くないがネタが少ない。
前半馬鹿っぷりがネタになるくらいである。

・ロニ
いい兄貴。ロニの時代では9歳のナナリーいい感じになって(未来から来たから19歳なんだけど)
ロリコン呼ばわりされたり
ルーティになんか惹かれてマザコン呼ばわりされたりエピローグで
カイルの言う運命の人が俺じゃないだろうなとぬかしてホモ呼ばわりされたり
プレイヤー間での醜聞が絶えない漢。
彼の特技や奥義の説明文、そして秘奥義は必見。

・ジューダス
謎の男、しかしその正体はエルレインによって蘇った
裏切り者リオン・マグナス。
前衛随一の紙耐久で加入時のHPがリアラより低かったりする。
秘奥義後の隙を突かれて死ぬネタは有名。
闇の炎に抱かれて馬鹿なっ!

・リアラ
仲間になる前と後で態度が違いすぎるため
腹黒呼ばわりされることもあるヒロイン。
後半カイルとのイチャイチャぶりは結構なものだが
外伝のマイソロ2では口を開けばカイルのことばかりと
多少ヤバイ領域に突入している。
頑張れば一応前衛も張れる。

・ナナリー
メンバーの姉御ポジション。
ストーリー上別に目立たないわけではないが
戦闘でのレギュラー採用率のあまりの低さから
空気というあんまりすぎるあだ名がついてしまった。
熟練したサブミッション使いだがロニにしか使わない。
なんだ、こいつもツンデレか。

・ハロルド
地上軍所属、工兵隊隊長。
エキセントリックを絵に描いたような人物で
ソーディアンを生み出した天才。
その天才っぷりたるや読んだ本を引用するにあたって
記されていたページ数から置いてあった位置まで自然に言えるほど。
一種のドラえもんポジションかもしれない。
最凶術クレイジーコメットを持ち瞬間火力はぶっちぎり一位。

・バルバトス
多分普通の敵キャラのつもりだったんだろうけど
声優の若本規夫氏の熱演や戦闘時のあまりの強さから
カルト的な人気を得た男。印象に残る敵ランキングで2位を獲得した。(1位はダオス)

・マグナディウエス
通称マグナ様。
裏ダンジョンアクアラビリンスに眠る闘神にして夢幻紳士。
使う術を詠唱で教えてくれるし気分次第で回復もしてくれる。
ただしリザレクションの使用と背後に立つことだけは許さない。
アクアラビリンス自体が周回制のダンジョンなので
何度倒しても復活する。
世の中にはマグナ様に謁見せねばその日を送れないほど
彼、及び彼との戦闘に心酔する者もいる。


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