1499760 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2016年05月22日
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
佐野洋子さんが亡くなった後に発見された原稿をまとめた『私の息子はサルだった 』読了。



丸ごと1冊息子さんのことについて書かれています。

あとがきはその息子さんこと広瀬弦さんが書いているのですが、佐野洋子さんが自分自身のことをネタに文章を書くのがイヤである日「書かないでくれ」と伝えたそうです。

その理由が内容がかなり盛っていて、自分の本来の姿ではないこと。
また文章を読んだ読者から、自分以上に自分のことを知っているという違和感を抱いたからとありました。

確かに当事者側からするとそうだろうなぁと思うところもあるのですが、親というのは、我が子のことをある程度美化したフィルターを持ってみていると思います。

本書を読むと、そのフィルターがあるからこその、息子さん、いや男の子の面白い言動が手に取るように分かり、腹の底から笑えたりします。

そして、仮に話を盛っていたとしても、保育園の頃から中学生までの息子さんの大きくなっていく過程というのが本書からはよく見えて、貴重な成長記録のようにも思えます。

作家だからこその視点と、流れるような文章。
かつ母親としても微妙な心の動き。

おそらく息子さんから拒否されたことにより、こっそりと書くことになったこの文章は更に親としての寂しさも感じ取れたりします。

あとがきでは、大人になった今、息子さんとしてはどうにでもなれという心情が吐露されていますが、この原稿を手にしたことによる親の無償の愛に気づいたのかもしれません。

佐野洋子さんに共感し、息子広瀬弦さんにも共感できる、なかなか稀有な文章のように思えました。




にほんブログ村
(↑ ポチッと押していただけたら嬉しいです)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年05月22日 15時35分28秒
コメント(0) | コメントを書く


PR

お気に入りブログ

長峰ブログ 長峰♪さん

プロフィール

幻の民

幻の民

サイド自由欄

コメント新着

 aki@ Re:読書/『猫力 うつな僕を救ってくれた猫』。(01/22) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
 幻の民@ Re[1]:寺社巡り/『奥宮神社など』。(08/14) 奥宮神社神主こと、久野ですさんへ 今頃…
 奥宮神社神主こと、久野です@ Re:寺社巡り/『奥宮神社など』。(08/14) 3社巡りありがとうございました☺️何となく…
 コーバ@ Re:読書/『神様の御用人 3』。(05/18) 小説「渋谷で七時」だけじゃなくて、渋谷…
 コーバ@ Re:読書/『神様の御用人 3』。(05/18) 時間ですよ!、、

カレンダー

ニューストピックス

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X