第91回全国高等学校野球選手権 決勝 中京大中京 対 日本文理
本日第91回高等学校野球選手権決勝が行われました。◆第91回全国高校野球選手権大会最終日 ▽決勝 中京大中京10―9日本文理(24日・甲子園) 中京大中京(愛知)が日本文理(新潟)を10―9で制し、43年ぶりのV。参加4041校の頂点に立った。プロ注目のエースで4番・堂林翔太が、先制2ランを含む3安打4打点と活躍。しかし、新潟県勢で初めて決勝に進んだ日本文理は6点を追う9回、2死走者なしから5点を返す粘りを見せた。中京大中京は夏の決勝は負けなしの7連勝。V回数で並んでいた広島商を抜き、単独最多となった。 負けを覚悟した。最大7点のリードは9回、1点差まで迫られ、なおも2死一、三塁。日本文理・若林尚希のバットが強烈な打球をはじき返した。マウンドから右翼に回っていた堂林は一瞬、目を見開いた。抜ければ長打。だが、三塁の河合完治がグラブに収めた。 「最後は苦しくて…エースとしての責任を果たせず情けない。すいませんでした」。史上最多となる7度目のVを飾り、胸を張って臨むはずのお立ち台で、まさかの謝罪。うれし涙と悔し涙が同時にこぼれ出た。 華々しく締めるはずだった。6点リードの9回。先発して5回0/3を2失点で、一度は右翼に回った右腕は、大藤敏行監督(47)に再登板を直訴。ところが、2死一塁から連続長打を浴び、さらに死球を与え、一、三塁としたところで右翼に戻った。後は5点を猛追される展開をただ見守るだけだった。 あの時を思い出した。センバツ準々決勝の報徳学園(兵庫)戦。5―4の9回、2死満塁から逆転打を許して敗退。その悔しさをバネにしてきたはずが、再度の悲劇を予感した。「そのことばかりが頭をよぎったけど、みんなを信じていました」。勝利の瞬間、体から力が抜けた。 4番の仕事は完ぺきにこなした。1回、2死二塁から右中間に先制2ラン。2―2の6回、2死満塁から勝ち越しの左前2点打を放ち、大量点を呼んだ。今大会通算23打数12安打12打点。エースで4番が決勝で本塁打したのは、82年の池田(徳島)・畠山準以来。指揮官は「あの子は責任感の強い子だから…。よく頑張った」と奮闘をたたえた。 戦前から堂林が注目を集めたチームだった。が、エース右腕の帽子のつばの裏には、メンバー外の3年生の名前が記されている。4月に左ひざを負傷したときに書いてもらい、苦しくなるたび見つめてきた。「野球は自分一人でやるものじゃない。日本一を目指したチームなので、歴史を塗り替えられてよかった」。 中京商と名乗っていた1966年の前回Vから43年。校名もユニホームも変わったが、全員一丸、6試合で52得点という強打で名門が復活した。スポーツ報知より引用それでは。