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町山智浩氏の紹介によるオバマ候補演説。
私はケニアから来た黒人の父と、カンザスから来た白人の母の息子です。 私を育ててくれた母方の祖父は、大恐慌を生き抜き、パットン将軍の下でヨーロッパ戦線を戦いました。彼が戦場にいる間、祖母はリーヴェンワースの爆弾工場でアメリカのために働いていました。 私はアメリカの中でも最も優秀な大学で学業を修めましたが、世界でも最も貧しかった国の一つで少年時代を送りました。 私は奴隷の血と奴隷主の血を継ぐ女性と結婚し、私たちの血を二人の大事な娘に引き継ぎました。 私の兄弟は、姉妹は、姪や甥や、叔父や叔母は、あらゆる人種、あらゆる肌の色で、三つの大陸に住んでいます。 そして、私は、生きている限り決して忘れません。 私のような者が大統領候補になれるのは、アメリカだけだということを。 マケインの敗北演説(gooニュース) これほど長く困難な選挙に、オバマ氏は勝利した。ただそのことだけでも、私はその能力と忍耐を尊敬します。しかも彼はそれにとどまらず、何百万人というアメリカ人の希望をかきたてた。アメリカの大統領の選出は自分にほとんど何の関係もない、あるいは自分は何の影響ももてないと、誤って信じ込んでいた何百万というアメリカ人の中に、オバマ氏は希望をかきたてた。私はそれを深く敬服すると共に、オバマ氏を称えます。 これは歴史的な選挙でした。アフリカ系アメリカ人にとってこれがいかに特別な意味をもつのか、アフリカ系のみなさんが今夜どれほど誇らしく思っているか、私は承知しています。 機会のために勤勉に働き、機会をとらえようと意志をもつ全ての人に、アメリカは機会を提供する。私はいつもそう信じてきました。オバマ上院議員も、そう信じています。この国の名誉をけがした古い不平等の時代から、一部のアメリカ人にアメリカ市民権の恩恵を全て認めなかった時代から、この国は多いに前進してきました。しかし当時の記憶は未だに、心を傷つけることができる。そのことも、私たちは共に承知しています。 この二つの演説で共通しているのは,「国民」を「民族」に限定しない,アメリカのナショナリズムを,共に誇りとしていること。 ナショナリズムを,民族主義と訳す場合,それは「一つの民族で一つの国家を形成すべき」という思想として理解される。現在では日本を含めてほとんどの国のナショナリズムは,このような民族主義として認識され,往々にしてそれは,過激化・偏狭化すると他の民族や少数派に対する排斥,迫害の思想となってしまう。しかし,歴史的には,民族主義は19世紀初頭のドイツでナショナリズムに導入されたもので,それ以前に成立したフランスやアメリカでは,ナショナリズムは,「共有する価値観や理念」のもとに集まった人々を国民とし,「民族」には限定されないものだった。もちろん,アメリカでも,当初はアメリカ国民は「白人」に限定されていたし,WASP(白人・イギリス系・プロテスタント)と呼ばれた多数派の白人が,1920年代の共和党政権の繁栄の時代に保守化してしまった歴史がある。それはマケイン自身も指摘しているように。 マケインは,立派だと思う。今回の選挙の自らの敗北すら,アメリカの国歌理念の進歩,前進ととらえ,それを多様な人々をアメリカという国に結束させるための機会に変えてみせたのだから。
Last updated
2008.11.10 13:01:30
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